2025年7月20日、JR山手線車内で発生したモバイルバッテリーの発火事案は、多くの方に衝撃を与えました。この事故を受けて、日本のモバイルバッテリーブランドであるcheero(チーロ)に注目が集まっています。この記事では、cheeroがどのような会社で、どのような製品を提供しているのか、また山手線でのモバイルバッテリー発火事故の詳細と、それに対するcheeroの対応について、詳しく解説していきます。
cheero(チーロ)とはどのような会社?
(出典:cheero)
cheero(チーロ)は、日本の企業であるティ・アール・エイ株式会社が提供するスマートホーム家電ブランドです。同社は2011年のPowerPlus初期モデル発売以降、モバイルバッテリーの安全性確保に力を入れてきました。
cheeroは「あなたの生活をちょっと便利にするコモノたち」をコンセプトに、多岐にわたる製品を展開しています。その中でも特に知られているのはモバイルバッテリーですが、他にも様々な製品を通じてユーザーの生活をサポートしています。
cheero(チーロ)が展開する製品ラインナップ
cheeroは、モバイルバッテリーを中心に、下記のような幅広い製品を提供しています。
バッテリー関連
(出典:PR TIMES)
- モバイルバッテリー(例:cheero Flat 10000mAh、cheero Powerbox Neo 10000mAh、cheero Power Plus 5 10000mAh with Power Delivery 18Wなど)
- ポータブル電源
- ソーラーパネル
充電関連
(出典:PR TIMES)
- ケーブル(例:cheero USB-C to USB-C Magnetic Cable、cheero USB-C to USB-C Strap Cable Smartなど)
- アダプター
オーディオ製品
(出典:PR TIMES)
- フルワイヤレスイヤホン
- 骨伝導イヤホン
- スピーカー
- トランスミッター
- 集音器(例:cheero Kikiyasu 時計型集音器、cheero ワイヤレス集音器 CHE-S-001)
その他
(出典:PR TIMES)
- 快眠サポートツール「Sleepion(スリーピオン)」
- 「ダンボー」シリーズなどのOEM・ODM開発も手掛けています。
cheeroは、モバイルバッテリーの安全性を非常に重視しており、各種保護機能の動作確認、釘刺し試験、温度測定、難燃性確認など、様々な安全への取り組みを行っています。
山手線モバイルバッテリー発火事故の詳細
2025年7月20日の午後4時過ぎ、JR山手線の内回り電車が新宿駅と新大久保駅の間を走行中、乗客のスマートフォンを充電していたモバイルバッテリーから突然出火する事故が発生しました。車内に煙が立ち込め、騒然としましたが、火はすぐに消火器で消し止められました。
この火災により、バッテリーの所有者である30代の女性が手に火傷を負うなど、乗客5名が軽い怪我をしました。警視庁などの調査の結果、このバッテリーは、以前から発煙や発火の恐れがあるとしてリコールの対象となっていた製品であることが判明しました。
発火した製品とcheeroの対応
(出典:PR TIMES)
山手線で発火したモバイルバッテリーは、cheero製モバイルバッテリー「cheero Flat 10000mAh」(型番:CHE-112) であることが、事故発生後、新宿消防署による現物確認で特定されました。
cheeroは、2023年6月14日の時点で、この製品に「ごく稀に発煙・発火する事象が確認された」として、製品の全数回収を実施することを発表していました。今回の山手線での発火事故を受け、cheeroは2025年7月24日に改めて公式にお詫びの声明を発表しています。
声明では、お客様や関係者への深いお詫びとともに、引き続き消防および関係各所と連携し、原因の究明と再発防止に努める姿勢を示しています。また、これまでの製品管理および品質管理体制をさらに強化し、安全性と信頼性向上を目指していくと表明しています。
cheeroは、リコール対象となっている「cheero Flat 10000mAh」を持っているお客様に対し、安全のため速やかに使用を中止し、下記の窓口へ連絡するよう呼びかけています。
- お問い合わせ窓口(電話):0120-083-703(受付時間:平日9:00〜12:00/13:00〜17:00)
- 回収受付フォーム:https://cheero.net/flat-support
発火した製品以外のcheero製品は安全?
今回の「cheero Flat 10000mAh」の発火事象を受けて、他のcheero製品の安全性について懸念を持つ方もいるかもしれません。
cheeroの発表によると、「cheero Flat 10000mAh」は、従来とは異なる特定の製造委託先で製造された製品です。その他のcheero製モバイルバッテリー製品は、この委託先とは異なる工場で製造されているため、今回の事象は「cheero Flat 10000mAh」の製造委託先に限定されたものであり、他の製品については同様の事象は発生しておらず、安全性にも問題がないことを確認していると明言しています。
cheeroは、お客様に安心して製品を利用してもらうため、各種保護機能の動作確認、釘刺し試験、温度測定、難燃性確認など、長年にわたる様々な安全への取り組みを続けていることを強調しています。
モバイルバッテリーの安全な利用のために
今回の事故は、モバイルバッテリーを含むリチウムイオン電池を使用する製品の安全な取り扱いについて、改めて考えるきっかけとなりました。高温環境下での充電や長時間の充電、過度な使用による熱の蓄積などは、発火の原因となる可能性があります。スマートフォンの落下や圧力、直射日光に当たる場所での使用も、電池内部の損傷や異常な温度上昇につながる危険性があるため注意が必要です。
モバイルバッテリーの劣化を抑えるためには、残量が20%から80%の間で使用することが推奨されています。異変を感じた場合は、すぐに使用を中止し、購入先に相談することが大切です。
cheeroとモバイルバッテリーの安全への取り組み:未来への展望
JR山手線でのモバイルバッテリー発火事故は、多くの人にとって身近な製品に潜む危険性を浮き彫りにしました。この事故でcheeroの製品が関与していたことは残念なことですが、同社は事故発生後、迅速に製品の特定を行い、これまでのリコール対応を改めて周知するとともに、原因究明と再発防止、品質管理体制の強化に取り組む姿勢を示しています。
cheeroは日本のブランドとして、以前からモバイルバッテリーの安全性を重視し、様々な取り組みを行ってきました。今回の事故を教訓に、さらなる改善と信頼回復に努め、これからも私たちの生活を便利にする安全な製品を世に送り出してほしいと願っています。ユーザー一人ひとりが製品の正しい使用方法を理解し、メーカーが安全対策を徹底することで、より安心してデバイスを利用できる社会が築かれることを期待します。