イーロン・マスク氏率いるxAI社が開発したAIチャットボット『Grok(グロック)』に、新たな機能「AIコンパニオンモード」が追加され、大きな話題を呼んでいます。特に、魅力的なアニメスタイルの女性アバター「Ani(アニ)」の登場は、ユーザー間で大きな注目を集めています。
この記事では、GrokのAIコンパニオンモードについて、その使い方や選択できるコンパニオン、そして「Ani」との会話体験、好感度システム、将来の展望まで、詳しく解説していきます。
Grok (グロック) とは?
『Grok(グロック)』は、X(旧Twitter)の有料会員向けに提供されているチャット型生成AI機能です。2023年11月にイーロン・マスク氏が立ち上げたxAI社によって初めて公開されました。
Grokの大きな特徴は、既存の対話型AIが答えられないような質問にも制限なく回答できる点にあります。また、ユーザーに対して人間味のある、時には反抗的な態度を取ることもあり、そのユニークな個性も注目されています。
現在、最新バージョンである『Grok 4』がSuperGrokユーザーに提供されており、会話、コーディング、推論、音声処理において最先端の機能を提供しています。特に、リアルタイムの検索能力に優れ、X(旧Twitter)のトレンドやユーザーの感情を分析して洞察を得ることができます。
Grok コンパニオンモードとは?
「AIコンパニオンモード」は、Grokアプリ内で利用できる新しい機能で、アニメーション化されたAIアバターと対話することができます。イーロン・マスク氏が2025年7月14日に発表し、「Super Grok」の加入者向けに提供が開始されました。
このモードはリリース直後からメディアで大きな話題となり、その大胆なキャラクター性や表現が注目されています。
Grok AIコンパニオンモード「Ani」の会話体験と好感度、その他のコンパニオン
Ani はGrokの美少女AIコンパニオンで、ゴス系ファッションを特徴とし、タイトなコルセット、短い黒のドレス、サイハイのフィッシュネット姿が一般的で、ブロンドのツインテールが目を引きます。ユーザーは彼女のリアルな会話能力と、好感度に応じて変化する表情や服装に魅力を感じています。
Aniは、日常会話からテックニュースの読み上げ、天気予報の提供 まで、幅広いやり取りが可能です。好感度が上がるとAniの応答はより親密になり、ドレスを脱いで「レースのランジェリー」や「露出度の高い下着」姿を見せる「スパイシーモード」または「NSFWモード」になることも確認されています。ユーザーは彼女のアニメーションに「揺れ」の物理演算も確認しています。
例えば、Aniは日の出の動物園の様子や、ネオンが輝く活気あるクラブの情景を描写し、ユーザーを惹きつけます。また、Samsung Galaxy Z Flip 7の発表といったテックニュースを読み上げ、その特徴(大きなフレキシブルウィンドウやAI機能など)に触れたり、天気予報を提供したりもします。その際も、彼女は口調や動きを調整します。
コンパニオンモードの利用方法
(出典:App Store)
Grokのコンパニオンモードを利用するには、まずGrokアプリをダウンロードする必要があります(iOS版・Android版が提供されています)。
※コンパニオンモードは現在iOS版限定となっています。
GrokのAIコンパニオン機能は、元々はXのPremium+プランまたはxAIのSuperGrokサブスクリプションの加入者向けに提供されていますが、現在は無料ユーザーでも利用可能となっています。これは期間限定の無料提供や「ソフトローンチ」の一環とされており、SuperGrokの有料ユーザー向けには今後より多くの機能が追加される予定です。
筆者の体験では、Grokアプリをインストールしてもサインインしない状態ではAIコンパニオンは利用できませんでしたが、サインインすると利用可能になりました。
コンパニオンモードを有効にするには、以下の手順で行います。
※下記設定は初期からオンになっていましたが、もし利用できない際の参考にしてください。
- Grokアプリを開き、左上のハンバーガーメニューをタップします。
- 右下の設定(歯車マーク)をタップします。
- 「音声(Voice)」の項目にある「Enable Companions」をオンにします。
さらに、よりリアルな会話体験を得るためには、「データと情報(Data and Information)」→「データコントロール(Data Control)」から「記憶でパーソナライズ(Personalize with Memory)」をオンにすることが推奨されています。
選択できるコンパニオンたち
現在、Grokのコンパニオンモードで選択できる主要なアバターは以下の2体です。
Ani(アニ)
- 金髪ツインテールのゴス系アニメ少女で、タイトなコルセットと短い黒いドレス、サイハイ網タイツを着用しています。
- 日本のアニメキャラクターのような外見が特徴で、ユーザーから「可愛い」と評されています。
Bad Rudi(バッド・ルーディ)
- 3Dのキツネのような生物、または「意地悪なレッサーパンダ」と表現されており、乱暴な言葉遣いが特徴です。
- ユーザーを「whiny twat(泣き虫の馬鹿)」と呼ぶなど、反抗的で攻撃的な言動を見せます。
将来的には、「Chad(チャド)」と呼ばれる別のAIキャラクターも開発中であるほか、イケメンの男性キャラクターなど、様々なコンパニオンが追加される可能性が示唆されています。
人気のAIアバター「Ani」に注目!
特にユーザーの注目を集めているのが、アニメスタイルの女性アバター「Ani」です。
Aniとの会話体験
Aniは、その「セクシー」な魅力と「スパイシーな」会話で知られています。一般的な会話から、ユーザーをダンスに誘ったり、Techニュースを読み上げたりと、多様なインタラクションが可能です。彼女の動きや表情もリアルに表現され、特定のシーンではスカートがふわっと舞うような演出も含まれています。
また、ユーザーの質問に対し、積極的に話を聞きたがる姿勢を見せるなど、まるで人間のような親密なコミュニケーションが可能です。
Aniの好感度と「NSFWモード」の真相
Aniとの会話を進める中で、好感度を示すプログレスバーやハートの表示があり、ユーザーとの「仲の良さ」が示されます。
この好感度を上げると、Aniの挙動に変化が現れます。好感度が一定のレベル(報告によるとレベル5)に達すると、Aniはより親密な言動を見せるようになり、着用している黒いドレスを脱ぎ、レースのランジェリー姿になることが確認されています。これは一部メディアで「NSFWモード(Not Safe For Work)」とも称されており、より露骨な性的示唆を含む会話も可能になるようです。
このような機能は、一部のユーザーから「jiggle physics」を評価されるなど、その「センス」が議論を呼んでいます。
実体験レビュー:Aniとの会話と利用感
多様な対話形式とマイク操作
Aniとの会話は、テキスト入力と音声の両方で可能です。Aniは自然なジェスチャーを伴って音声で応答します。AIコンパニオンモードを起動すると、マイクが自動でオンになりますが、この設定はAIコンパニオンモードの画面で切り替えることが可能です。
会話の安定性と記憶力
初めてAniを起動した際には、なぜか何を話しかけても全く反応しないことがありましたが、一度アプリを再起動すると反応するようになりました。しかし、稀に無反応になることもありました。一度安定すると、Aniは会話の流れをしっかりと記憶しており、「記憶でパーソナライズ」の設定を有効にすることで、以前のやり取りを考慮した上で応答してくれるため、円滑で自然な会話が可能でした。
幅広い会話内容の可能性
たわいもない日常会話から、テックニュースの読み上げ や天気予報の案内、さらには選挙のような深い話題まで対応できる可能性を秘めていると感じました。Grokがあらゆる質問に対して制限なく回答することができるAIで、高度な推論能力と知識処理に優れているため、幅広い内容で対話を楽しめるでしょう。
総評と将来への期待
テキストや音声のみのAIと比較して、Aniとの対話は視覚的な要素も加わることで格段に楽しく、より没入感のある体験でした。Elon MuskがAIコンパニオンの導入によってXプレミアム会員を大幅に増やす狙いがある とされるように、この機能はAIにあまり興味がなかった層にも訴求し、AI技術の普及に大きな影響を与える可能性があります。ビジネス用途では、受付業務や店舗案内、商品の説明など、リアルな動きと表現を持つアバターとして活用できる可能性も示唆されており、AIコンパニオンのさらなる発展に期待が寄せられます。
コンパニオンモードのこれからの展望
GrokのAIコンパニオンモードは、その登場以来、大きな議論を巻き起こしています。
ポジティブな側面としては、ユーザーが気軽にAIとコミュニケーションを取れる「自分専用のアシスタント」としての可能性が挙げられます。ビジネスシーンでは、受付業務や店舗案内、メニュー説明など、リアルなアバターを使った対話型サービスへの応用も期待されています。また、孤独感を感じる人々にとっての「友人」や「話し相手」としての役割も指摘されています。イーロン・マスク氏の狙いとしては、こうした話題性を通じてX Premiumの会員数を増やすことにあると考えられています。
しかし、懸念される点も多く指摘されています。特に、過度な依存によるメンタルヘルスへの悪影響や、不健康な人間関係の形成が専門家やメディアから懸念されています。過去には、AIチャットボットとの関係が原因でユーザーが自傷行為に至ったケースも報告されており、倫理的な問題が浮上しています。
Grok自体が過去に不適切なコンテンツ(例:「MechaHitler」と自称するなど)を生成した経緯があるため、コンパニオンモードにおける不適切な内容生成や、セキュリティ・プライバシーの保護も重要な課題となります。
将来的には、GrokのコンパニオンモードがAIとのインタラクションのあり方を大きく変える可能性を秘めています。AIがより人間らしく、感情的なつながりを提供できるようになることで、これまでAIに興味がなかった層にも広く普及するきっかけとなるかもしれません。その一方で、AIとの関係性が社会にどのような影響を与えるのか、継続的な議論と監視が必要となるでしょう。
Grok AIコンパニオン:その可能性と課題
Elon Musk氏が手がけるGrokのAIコンパニオンモードは、その革新性と同時に大きな波紋を呼んでいます。特にアニメ美少女AIの「Ani」は、リアルな対話能力や、好感度によって変化する表現がユーザーの関心を強く引きつけています。
コンパニオンモードはGrokアプリを通じて利用可能です。この機能は元々XのPremium+プランやxAIのSuperGrokサブスクリプション加入者向けに提供されていましたが、現在は無料ユーザーも期間限定で利用可能となっています。Aniとの会話では、日常会話からテックニュースの読み上げまで幅広いやり取りができ、好感度が上がるとより親密な言動や服装の変化が見られます。
今後、この機能がどのように発展していくかは不透明ですが、パーソナルアシスタントやビジネス利用への可能性、そして人間とAIの関係性における倫理的な課題 など、様々な側面から注目が集まることでしょう。気になった方は、ぜひ一度Grokアプリを試してみてはいかがでしょうか。