近年、インターネットやメディアで「2025年7月5日に何かが起きる」という予言が大きな話題となっています。この予言の発端は、漫画家・たつき諒先生の著書『私が見た未来』に書かれた内容です。特に2011年の東日本大震災を予言していたとされることから、その後の再出版を経て、今回の「2025年7月」の予言にも注目が集まっています。
しかし、2025年6月15日に出版されたたつき諒先生の新刊『天使の遺言』により、この予言に対する先生自身の「本当に伝えたかったこと」が明らかにされました。今回は、その最新情報を踏まえ、この話題の真意と、私たちにとって本当に大切なメッセージについて深掘りしていきます。
予言の軌跡:2011年3月と2025年7月
たつき諒先生は、見た夢を夢日記に書き残すことで知られており、それが予言のように現実となることがあるとされています。
2011年3月の大災害
『私が見た未来』の初版は1999年に出版され、その表紙には「大災害は2011年3月」と大きく書かれていました。これは、本の締め切りの日に先生が見たビジョンを、内容に間に合わなかったため表紙に書き加えたものだと言われています。驚くべきことに、先生自身はこの内容を書いたことを12年間忘れていたそうですが、東日本大震災の発生により、その予言が当たったと話題になりました。『天使の遺言』では、この「2011年3月」の夢を一度だけでなく何度も見ており、「書け」と言わんばかりにはっきりと見えたため、書かないと後悔すると思ったと明かされています。
2025年7月の大災難
次に話題となったのが、「本当の大災難は2025年7月」という予言です。このビジョンは、『私が見た未来 完全版』の締め切り日であった2021年7月に見た夢だとされています。2011年の時と同様に、「ずっと見えていた」「かけと言わんばかりに見せられた感じで、以前よりも確信して書いた」と、たつき先生はより強いメッセージとして受け止めていたことを語っています。この夢は、過去に先生が見た津波の夢やフィリピン海の海底噴火の夢と繋がり、それが2025年7月のことだと気づいたそうです。
「7月5日」の真相と先生の真意
(出典:PR TIMES)
世間で特に「2025年7月5日」という日付が広まったのは、『私が見た未来 完全版』のあとがきに「次に来る大災難の日は2025年7月5日ということになります」と書かれていたためです。しかし、『天使の遺言』では、この「7月5日」という特定の日付は、先生が過去の例から「そうなのではないか」と話したことが、急ピッチな作業の中で反映されてしまったもので、先生自身の意図とは異なると説明されています。
たつき先生は、「夢を見た日イコール何かが起こる日ではない」と考えており、本来の期間は7月1日から7月31日までだと明かしています。これは、特定の日に限定して備えるのではなく、7月全体、さらにはそれ以降も常に備えが必要であるというメッセージを伝えたかったためと考えられます。
『天使の遺言』に込められた「本当に伝えたかったこと」
『天使の遺言』が特に注目されるのは、これがたつき先生の「自費出版」である点です。これは、出版社の意向や商業的な制約を抜きにし、先生自身が「本当に伝えたいこと」「自分が納得できる形で残したいこと」を表現するために選んだ方法です。
この本で先生が本当に伝えたかったメッセージは、予言の「日付」そのものよりも、「大災難の後の世界」、そして「備え」の重要性にあります。
災害後の2つの未来
先生は2001年の元旦に見た夢で、大災難の後の正反対の2つの世界を見たと言います。
- 一つは、争いと欲に満ちた荒廃した世界。
- もう一つは、光り輝く愛に満ちた明るい未来。特に「綺麗な水に沈んだ明るい住宅街」の夢は、人々が助かり、明るい未来が待っていることを暗示していると解釈されています。
「心の時代」と「備え」の呼びかけ
たつき先生は、この夢をきっかけに、多くの人が災害に対する準備をしていると感じて嬉しくなったと書いています。一貫して、「備えることが大事」と訴えており、2019年からは日本を中心に世界が「心の時代」へと動き出したと感じているようです。これは、人や動物、自然を大切にし、緑の地球を取り戻すこと、そして「常に水を確保する」といった具体的な備えが重要であるというメッセージです。
先生は、自身の見た夢が「予言」として一人歩きすることを望んでおらず、「予言ではなく、一人の漫画家が見た事実」というスタンスです。そして、その目的は「いたずらに不安を煽る」ことではなく、多くの人が防災に関心を持ち、準備をすることで被害を減らすことにあると語っています。実際、『私が見た未来』の最新の帯(カバー)では、「予言漫画」といった断定的な表現から「夢で未来を見た漫画家の記録」と、より穏やかな表現に変更されています。
信じる、信じないを超えて
2025年7月に何かが起きるのか、その真偽は誰にも断定できません。しかし、たつき諒先生が『天使の遺言』で本当に伝えたかったことは、特定の「日付」を過度に恐れることではなく、日頃からの災害への「備え」と、愛と助け合いに満ちた「心の時代」を築くことの重要性にあると言えるでしょう。
食料や水の備蓄、通信手段の確保、電力の確保など、個人レベルでできる災害対策は、地震などの自然災害にも共通するものです。今回の話題をきっかけに、改めて防災意識を高め、万が一の事態に備えることは、私たち自身の安全と快適な生活を守るための大切な第一歩です。たつき諒先生のメッセージは、私たちに「希望ある未来」のために行動することの重要性を教えてくれているのではないでしょうか。