近年、飛躍的な進化を遂げ、エンターテイメント業界の新たなフロンティアとして注目を集めるVRゲーム。その最前線で、独創的なタイトルを次々と生み出し、世界中のゲーマーを魅了している日本のゲームスタジオがMyDearest株式会社です。なぜMyDearestがこれほど注目されているのか、その魅力と今後の展望について深掘りしていきます。
MyDearest株式会社とはどんな会社?
(出典:MyDearest株式会社)
MyDearest株式会社は、「人生を変えるような物語体験をつくり、届ける」をミッションとして、オリジナルIPのVRゲームを中心に開発・パブリッシングを行うエンターテイメントスタートアップです。同社は2016年4月に設立され、東京都中央区日本橋に本社を構える日本の企業です。従来のスマートフォンゲーム業界やコンシューマーゲーム業界で実績を積んだプロフェッショナルたちが集結し、「次のポケモンやFF、ゼルダのような、世界中で知られるVR作品を自分たちで作る」という大きな野心を持って活動しています。
MyDearestのオフィスは、VRChat上に「MyDearest Virtual Office」として再現されており、実際のオフィスの一部を模した遊び心満載の空間が特徴です。これは、ゲーム開発者がゲームを愛し、その熱狂を作品に注ぎ込んでいるMyDearestの社風を象徴しているとも言えるでしょう。
MyDearestの最近のニュース
(出典:PR TIMES)
MyDearestは、VRゲーム業界での成長を加速させるため、積極的に資金調達を行っています。
2025年6月2日には、シリーズC追加ラウンドで約3.3億円を調達し、これによりシリーズC累計調達額は約15億円となりました。このラウンドには、株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ、アイザック株式会社、株式会社朝日新聞社、阿波銀キャピタル株式会社などが参加しています。さらに、株式会社朝日新聞社との資本業務提携も締結し、ゲームだけでなくVR/MRコンテンツ制作やソリューション提供を加速していく方針です。
続けて2025年8月8日には、シリーズCで約1.7億円を追加調達し、シリーズC累計調達額は約17億円に、これまでの累計資金調達額は約30億円に達したと発表しました。この追加ラウンドには、ちゅうぎんインフィニティファンド3号投資事業有限責任組合、阪急阪神イノベーションパートナーズ投資事業有限責任組合が参加しています。
これらの資金調達の目的は主に二つです:
北米のα世代(10代前半〜中盤)向けのVRゲームを軸としたIP展開の強化
Meta Questの主要ユーザー層であるこの世代にリーチするため、2025年内に10本以上のタイトルをリリースする予定です。
企業向けVR/MRソリューション提供・コンテンツ制作の事業拡大
企業や自治体向けにVRコンテンツ制作、ソリューション提供、VRChatワールドの構築をワンストップで手がける「VRあそび事業部」の事業拡大を図るため、人材採用を強化し、開発体制を拡充しています。
また、2025年8月6日には、VRChat向け『鋼の錬金術師』公式衣装の開発協力を発表しました。版元完全監修のもと、原作に忠実な衣装再現に加え、VRChat向けに最適化されたファッションアイテム、そしてエドの錬金術による機械鎧の変形といったキャラクターになりきれる演出ギミックが実装されています。
MyDearestが手掛ける主なVRゲームタイトル
MyDearestは、VR空間での没入感を追求した多様なゲームを開発しており、特に「クロノスシリーズ」は彼らの代表作として知られています。
クロノスシリーズの始まり「東京クロノス」
(出典:PR TIMES)
「東京クロノス」は、MyDearestが手掛けたVRアドベンチャーゲームです。RAM氏がキャラクターデザインを担当し、魅力的なビジュアルが特徴です。しかし、VRゲームでありながらアドベンチャーゲームという特性上、動きが少なくテキスト量が非常に多い点や、VR空間でのスケーリングが不自然に感じる点など、一部で課題も指摘されました。一方で、オープニング演出の素晴らしさや、VRならではのキャラクターとの対面体験は高く評価されています。
VR SF歌姫の物語「ALTDEUS: Beyond Chronos(アルトデウス: BC)」
(出典:PR TIMES)
「ALTDEUS: Beyond Chronos(アルトデウス: BC)」は、「東京クロノス」の続編であり、VR SF歌姫インタラクティブストーリーアクションと称される意欲作です。RAM氏による個性豊かなキャラクターデザインは前作から引き継がれ、主人公クロエをはじめ、謎めいた少女ココ、人工知能の歌姫ノア、巨大生物メテオラのアニマなど、魅力的なキャラクターたちが登場します。特に、ココ、ノア、アニマは同一人物の同位体とも言える存在として描かれており、その複雑な関係性が物語の核となっています。
ゲーム内では、クロエが巨大な防衛兵器「アルトマキア」を操り、人類を捕食するメテオラと戦います。プレイヤーはクロエの視点となり、拡張意思決定システム(augmented choice-making system)を通じて物語の進行に影響を与え、複数のエンディングに到達できます。本作の大きな魅力の一つは、360度の華やかな歌姫のライブパフォーマンスをVRで体験できることで、現実のライブを凌駕するような没入感を提供すると期待されています。グラフィックとキャラクターアニメーションは「東京クロノス」から大幅に改善され、感情豊かなキャラクター表現がプレイヤーを惹きつけます。Noisy Pixelからは10点満点中9点の高評価を受けています。
> 「ALTDEUS: Beyond Chronos(アルトデウス: BC)」公式ページはこちら
記憶を巡る捜査アクション「DYSCHRONIA: Chronos Alternate(ディスクロニア: CA)」
(出典:PR TIMES)
「DYSCHRONIA: Chronos Alternate(ディスクロニア: CA)」は、VR捜査アクションゲームとして展開され、クロノスシリーズの一作です。本作の舞台は、犯罪発生率がわずか0.001%という、夢の集合体「カチム」と生体ナノマシン「カイロス」に守られた都市「アストラム・クローズ」です。プレイヤーは、過去の記憶を追体験する能力を持つ特別監察官ハル・サイオンとなり、30年ぶりに発生した殺人事件の謎を解き明かします。
ゲームプレイでは、過去の出来事やオブジェクトを調べ、手がかりを見つけていきます。プレイヤーは、ハルのAIサポートシステムであるリリーと共に、事件の真相に迫ります。過去の記憶に干渉することで、現在の状況に変化をもたらすというユニークなシステムも特徴です。VRならではの立体的な空間での謎解きやアイテム操作、そしてVR酔いを軽減するためのテレポート移動やスムーズ移動といった移動オプションも提供されています。本作は3部作で構成される予定であり、今後の展開にも期待が寄せられています。
> 「DYSCHRONIA: Chronos Alternate(ディスクロニア: CA)」公式ページはこちら
ホラー体験をVRで「8番出口VR」
(出典:MyDearest HUB)
「8番出口VR」は、個人ゲーム開発者KOTAKECREATE氏による大ヒット脱出系ホラーゲーム「8番出口」のVR版です。Meta QuestとSteamの両プラットフォームで販売されており、販売価格は690円(税込)です。通常版のゲームルールはそのままに、VRならではの臨場感と没入感が加わり、「本当に地下通路を歩いているような錯覚に陥る」ほど没入感が高いと評判です。
VR版では、プレイヤーの手が追加されたり、VR版限定の異変が追加されたりするなど、VRならではの要素が盛り込まれています。特に、ゲームの象徴的なキャラクターである「おじさん」とのインタラクションが可能になったことは、多くのファンに喜ばれています。VR特有の酔いやすさはあるものの、通常版をプレイした人でも新鮮な体験ができ、「ホラー風味が増して楽しい」と好評です。MyDearestは、本作のVRChatワールド「8番出口VR VRChat Photo Spot」も公開し、プレイヤーがゲームの世界をより深く楽しめる機会を提供しています。
ロシアンルーレットのVR版「Devil’s Roulette」
(出典:Meta Store)
「Devil’s Roulette」は、人気の「Buckshot Roulette」をパロディ化した、Meta Quest向けの無料VRゲーム(期間限定)です。シングルプレイヤーとマルチプレイヤーの両方に対応し、スキンもアンロック可能です。プレイヤーはショットガンを使ったロシアンルーレットに挑み、ライブ弾と空砲を使い分けながら、様々なパワーアップアイテム(スキャナー、テイザー、ダブルダメージ、スローモーション、回復用注射器など)を駆使して対戦相手と戦います。シンプルながらも戦略性があり、友達とマルチプレイヤーで遊ぶ楽しさも提供されています。このゲームは、MyDearestが手掛ける「Crowbar Climber」「Chained Escape」とともに、全世界で累計50万プレイヤー数を突破しています。
> Meta Store「Devil’s Roulette」公式ページはこちら
対戦型VRメカアクションゲーム「Brazen Blaze(ブレイゼンブレイズ)」
(出典:MyDearest HUB)
「Brazen Blaze(ブレイゼンブレイズ)」はマルチプレイヤーに対応しており、MyDearestが目指す「世界中の誰もが知るような、VRを代表する大作タイトル」という大きな目標を体現する作品です。
本作は継続的に開発とアップデートが行われており、ステージの更新やキャラクター同士の掛け合いなどが導入され、プレイヤー体験の向上が図られています。MyDearestのゲーム開発プロデューサーも、「Brazen Blaze」を世界一のVRタイトルにすることを目指して取り組んでいます。
> 「Brazen Blaze(ブレイゼンブレイズ)」公式ページはこちら
MyDearestの今後の展望
MyDearestは、VRゲーム業界において非常に大きな目標を掲げています。彼らは、世界中の誰もが知るような、VRを代表する大作タイトルを自分たちの手で生み出すことを目指しています。そのためには、プレイヤーからのフィードバックを積極的に取り入れ、ゲームの改善を続けることを重視しています。
VRゲーム市場の可能性を強く信じており、ユーザーがさらに増えていくことでVRゲーム技術が大きく飛躍すると考えています。MyDearestは、ゲーム制作への深い情熱を持つプロフェッショナル集団として、顧客の喜びを最優先に考えた物作りを続けています。彼らの挑戦は、日本のVRゲーム業界、ひいては世界のエンターテイメント業界に大きな影響を与えることでしょう。
VRゲーム業界を牽引するMyDearestの挑戦
MyDearest株式会社は、VRゲームという新しいフロンティアで、革新的なゲーム体験を提供し続ける日本のゲームスタジオです。VR技術の進化とともに、その作品はより没入感が高く、ストーリー性豊かなものへと進化を遂げています。
VR市場は今後もさらに成長する可能性を秘めており、MyDearestのような情熱を持った開発者が牽引することで、その注目度はますます高まるでしょう。世界に通用するVRゲームの創造を目指す日本の企業として、MyDearestの今後の挑戦と、そこから生まれる新たな作品に期待が寄せられます。日本のVRゲーム企業が世界を舞台に活躍する姿は、私たちに大きな希望を与えてくれることでしょう。