日本の最南端に位置する “沖縄県” には、独自の文化や風習があります。
その1つが、沖縄の民家や、お店の屋根や玄関などにある、獅子を形どった獣像 “シーサー” です。
沖縄では、”シーサー” は “守り神” とされていて、大きく迫力のあるものから、小さく可愛らしいものまであります。
沖縄を訪れたことがある人なら、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
この記事では、沖縄在住の私が、シーサーの起源や意味、家に設置する場合の起き方などを紹介します!
シーサーの “起源”
“シーサー” とは、”沖縄” に伝わる “魔除けや災害を防ぐ守り神” です。
獅子の姿をしていて、沖縄の方言で “獅子” を発音すると、”シーサー” となることが名前の由来と言われてます。
シーサーの起源は、沖縄が日本になる前の “琉球王国(1429年 – 1879年)” まで遡ります。
琉球王国にシーサーが伝わったのは、14世紀から15世紀頃。
西アジアやエジプトで栄えた “古代オリエント文明” から、中近東やシルクロードを経由して、”中国” から沖縄に伝わったと言われています。
古代エジプトでは、スフィンクス像で知られるように、百獣の王 “ライオン” を”王の権力の象徴” として宮殿や神殿に置いていて、獅子像はシルクロードで伝えられていくなかで、少しずつ姿を変えていき、ライオンが知られていない琉球王国では、魔除けや守り神とされるようになりました。
“日本最古” のシーサー
日本最古のシーサーは、1689年に建造された、沖縄県島尻郡八重瀬町富盛にある “富盛の石彫大獅子” です。
その昔、富盛では火事が多く発生していて、風水師の助言のもと、火山である八重瀬嶽に向かって獅子が立てられました。
石獅子を置いてからは、火事はおさまったため、”守り神” として信仰を集めるようになりました。
“富盛の石彫大獅子”の “高さ” は141.2cm、”全長” 175.8cmで、村を守る獅子としては “沖縄県内で一番大きい” とされています。
近くに足を運ぶ機会がある人は、3世紀にわたって沖縄を見守り続けてきた “日本最古のシーサー” を見に行ってみてください。
シーサーは大きく分けて “3種類”
沖縄の守り神である “シーサー” は、”設置する場所” によって呼び名が違っていて、意味合いも異なります。
シーサーの種類を大きく分けると、下記の3つに分類できます。
1. 宮獅子
琉球王朝時代に、”城” や “墓” などに設置されたシーサーを、”宮獅子(みやじし)” と言います。
“宮獅子” は、魔除けや守護と言うよりも、”権威の象徴” とされていて、沖縄にシーサーが伝わった初期の頃のもので、石を彫って作られているので、彫刻技術も大変優れています。
“左右で対になって置かれているものが多い” ですが、場所によっては、ひとつで置かれていることもあります。
2. 村落獅子
村の守り神として、”村の入り口” や “高台” などに設置されているシーサーを、”村落獅子(そんらくしし)” と言います。
“村落獅子” は、”悪霊の侵入” や “火事” から村を守る石獅子で、”人々の崇拝の対象” になっています。
村落獅子は、ひとつであることがほとんどで、村の入り口やヒーザン(火難をもたらす山)に向かって設置されています。
先述の日本最古のシーサーである、”富盛の石彫大獅子” も村落獅子の1種です。
3. 家獅子
おそらく、多くの人がいちばんよく沖縄で目にしていて、一番よくイメージするシーサーが、”家獅子(いえしし)” です。
“家獅子” は、”民間の家の屋根” や “門” に設置されているシーサーで、日本の明治時代(1868年 – 1912年)に入って広まりました。
民間への赤瓦の普及とともに、屋根瓦職人たちがシーサーを手作りして、”個人宅の守り神” として屋根にのせたのが始まりです。
置く場所によって、”屋敷獅子”、”屋根獅子”、”門獅子” とそれぞれ呼ばれています。
シーサーの “性別”
シーサーには、じつは “性別” があります。
見分け方は簡単で、”口が開いている” のが “雄”、”口を閉じている” のが “雌” です。
口を開けている “雄” は “邪気を追い払い”、口を閉じている “雌” は “福を逃がさない” という意味があります。
シーサーを置くときは、一般的には向かって “右側に雄”、”左側に雌” を置きます。
家を守る役割りがあるので、2体とも “顔が正面を向くように” 置きましょう。
最近は “かわいいシーサー” も増えている
上述したように、かつては邪気から村や家を守る役割りとして設置されていた “シーサー” は、”睨みつけるような厳しい表情の物が主流” でした。
しかし、最近は朗らかに微笑んでいたり、元気な明るい表情のシーサーも増えてきています。
大きく高級なものから、小さな置き物のようなものまで幅広い種類のシーサーがあるので、気に入ったシーサーを見つけて、お土産として購入するのがおすすめです。
“シーサー作り体験” で世界で1つのシーサーも!
また、沖縄では、観光施設など、各所で “シーサー作りを体験する” ことができます。
シーサーに色を塗る絵付け体験や、粘土から自分で作るものなどさまざまな種類があります。
絵付けや素焼きのものであれば、その日のうちに持ち帰ることもできるので、お土産としても最適です。
旅行の日程に合わせて、ぜひ沖縄でシーサー作りを体験してみてください!
“自分だけのオリジナルシーサー” に、家の守り神になってもらいましょう。
<沖縄でシーサー作りが体験できる施設例>
可愛いシーサー専門店 まいまいシーサー(https://www.mymy-si-sa.com/) ※ “美ら海水族館” から車ですぐ
沖縄アート体験 美ら風(https://happy-okinawa.jp/churak/)※ 那覇市 国際通り近く
壺屋焼窯元 陶眞窯(https://tousingama.com/tougeitaiken/)※ 沖縄県読谷村