日本には都道府県が47つあり、それぞれに独特な文化や方言が存在します。
日本の首都であり、第一の都市である東京で話されている方言が、一般的には日本の“共通語(標準語)”と認識されています。
一方、西日本の代表的な都市といえば大阪には、”大阪弁” と言われる独特の方言があり、話し方を聞けばすぐ大阪の人だとわかるほど、東京の人の話し方とは全く違ったイントネーションや単語を話します。
今回は、大阪に言ったときに言われる、ユニークな方言「おおきに」と「まいど」を紹介します。
語源がおもしろい「おおきに」
「おおきに」はありがとうの意味であり、感謝を表す、代表的な大阪弁の言葉のひとつです。
「おおきに」の語源は“大きに有り難し”だと言われています。大きには「とても、非常に、大いに」などを意味し、有り難しは「あってはならないほど優れている」つまり、感謝を表します。
“大きに有り難し”は「とても感謝しています」という意味であり、英語で言えば“Thank you very much”がぴったりでしょう。
そしていつしか“有り難し”の部分が省略されて、“大きに”だけで感謝の意を伝えられるようになりました。
Thank you very muchで例えるなら、“very much”の部分だけが残り、それだけでThank youの意味を持つようになったようなものです。
普段の生活で「おおきに」と言う人はあまりいない?
ユニークな大阪弁の代表格である「おおきに」ですが、現在では普段の生活で使う人はあまりいません。
大阪出身の人であっても、感謝を伝えるときは「ありがとう」が主流です。
ではなぜ「おおきに」という言葉は、大阪弁を代表する単語というイメージがあるのでしょうか。
その理由は大阪の商人たちが好んで使う言葉だからです。古くから、大阪は商人の街として発展していました。
昔は「おおきに」は、普段の生活でも「ありがとう」という意味で使われていたようです。しかしだんだんと使われなくなり、現在は商売の場所で使われる言葉になりました。
マスターすれば大阪人の気分になれる「まいど」
「おおきに」と同じように「まいど」も大阪弁を代表する言葉のひとつで、こちらも大阪の商店街ではよく聞く言葉です。
「まいど」の語源は“毎度お世話になっております”や“毎度ありがとうございます”だと言われています。後半部分が省略され、現在では「まいど」は簡単な挨拶として使われています。
「まいど」も基本的には現在では商売の場所で使われていますが、ひょうきんな人であれば親しい人に対して使う人もいます。活気ある商店街に行けば、「まいど!おおきに!」と元気な声が聞こえてくるはずですよ。
大阪の商店街に行ってみよう!
大阪には活気ある商店街が多くあります。商店街とは、小さな商店が集まった通りのことです。
現在でも商人とお客さんのやりとりに耳を傾けると、元気な「おおきに」の声を聞くことができます。お店の人は「まいど!(うちの商品を買ってくれて)おおきに!」、お客さんは「(良いものを売ってくれて、良いサービスを)おおきに!」といった具合に「おおきに」が飛び交っているはずです。
日本一長い商店街【天神橋筋三丁目商店街】
大阪市の天神橋にある “天神橋筋三丁目商店街” は、日本一長い商店街で、その距離はおよそ2.6kmです。
約800ものお店が軒を連ねており、衣食住の全てが揃うほど多種多様なお店が並んでいます。
商店街を歩くだけでも楽しい雰囲気を体験することはできますが、せっかく大阪を訪れたのなら、ぜひ商店街で買い物をしてみてください。
元気に「まいど!おおきに!」と声をかけてみれば、お店の人は喜んでくれること間違いなしです。ラッキーな場合は何かおまけをサービスしてもらえるかも!それほど大阪の商人の人たちは、人とのコミュニケーションを大切にしており、おしゃべりが大好きです。
商店街は、地元の人たちの生活の様子を覗ける場でもあります。ディープな大阪を体験してみたい場合は、ぜひ商店街に足を運んでみてください!