5Gの「ミリ波」「Sub6」の違いとは?速度や対応端末も紹介
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近年普及してきている次世代通信規格である5G。
5Gには『ミリ波』『Sub6』という2つの周波数帯があるのをご存知でしょうか?
この記事では、5Gの『ミリ波』『Sub6』の違いを詳しく解説します。
通信速度の比較や対応端末も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
5Gの周波数帯であるミリ波とSub6の違い
次世代通信規格として提供が始まっている5Gには、ミリ波とSub6という2種類の周波数帯があります。
そもそも5Gとは何か、ミリ波とSub6の違いについて詳しく解説します。
そもそも5Gとは?
5Gは2020年3月に提供サービスを開始した次世代通信規格のことです。
日本語では『第5世代移動通信システム』と呼ばれています。
高速かつ大容量の通信ができる他、低遅延・多同時接続を実現したのが5Gの特徴です。
5Gの最大受信速度は20Gbpsを目標に設定されていて、最大受信速度が1Gbpsだった4Gと比較すると20倍もの高速通信が可能です。
5Gはまだサービス提供が始まったばかりなので、現在は一部の主要都市などに限られてい提供されています。
各キャリア共に5Gエリアの拡大に力を入れていて、例えばソフトバンクでは2022年春に5G人口カバー率90%を目標にエリア拡大をしています。
そのため、今後5Gが使えるエリアはますます拡大していくでしょう。
ミリ波の特徴
ミリ波とは28GHz帯を利用した通信方法のことを指します。
厳密には30GHz〜300GHz帯のことをミリ波と呼びますが、ほぼ30GHz帯ということで28GHz帯もミリ波と呼ばれています。
ミリ波には下記のようなメリットがあります。
- 高速通信が可能
- 多数同時接続が可能
ミリ波はSub6に比べて高速通信が可能で、最大受信速度は20Gbpsにもなります。
多数同時接続や低遅延といった5Gの特徴を十分に活かせるのが、ミリ波です。
一方でミリ波には下記のようなデメリットもあります。
- 障害物の影響を受けやすい
- まだあまり普及していない
直進性の電波で電波が届く範囲も狭いため、障害物の影響を受けやすいのがデメリットです。
ミリ波が普及しない理由
高い技術力が必要、障害物に弱いので電波が扱いづらいなどの特徴があるため、ミリ波はほとんど普及していません。
端末もミリ波対応にしなければいけないので、多くのコストがかかってしまうのも、なかなか普及しない理由の一つです。
今後の普及の目処も立っておらず、普及してもスタジアムなどの障害物が少ない場所のみに限定される可能性があります。
Sub6の特徴
Sub6とは、6GHz以下の周波数帯のことです。
日本の5Gは、3.7GHz帯と4.5GHz帯に対応しています。
Sub6には下記のようなメリットがあります。
- 障害物の影響を受けにくい
- 通信可能範囲が広い
- 4Gの技術を転用できる
ミリ波よりも広い範囲の電波が届き、障害物に回り込む特徴があるので電波が届きやすい点がメリットです。
高い技術力が必要ではないので、端末のSub6対応化がしやすいのも特徴です。
現在販売されている5G対応端末の多くはSub6に対応しています。
一方でSub6には、下記のようなデメリットもあります。
- 通信速度が遅い
- 同時接続可能台数が少ない
Sub6はミリ波と比較して速度が遅い点がデメリットで、最大受信速度は4Gbpsほどです。
5GのNR化とは?
5GのNR化とは、4Gで利用している周波数帯を5Gでも利用する方法のことです。
すでに4Gで利用しているものを5Gに転用するので、より早く5Gエリアを拡大することができます。
しかし、通信速度は4Gとほとんど変わらないというデメリットもあります。
まずはNR化によって5G対応エリアを増やし、将来的にミリ波・Sub6を拡大させていく流れです。
5Gのミリ波とSub6の速度比較
5Gのミリ波とSub6の速度を下記の表にまとめました。
最大受信速度 | |
ミリ波 | 20Gbps |
Sub6 | 4.2Gbps |
Sub6の通信速度はキャリアによって異なります。
ソフトバンク5Gの最大受信速度は2.7Gbps、ドコモ5Gの最大受信速度は4.2Gbps、au5Gの最大受信速度は4.2Gbpsです。
この数値はあくまで理論値なので、実際の通信速度は環境などによって異なります。
Sub6よりもミリ波の方が最大受信速度が速いですが障害物に弱いデメリットがあるので、速度の速さを生かすにはスタジアムや広場といった障害物が少ない場所で通信する必要があります。
現在普及している5Gの多くはNR化によるものなので、4Gの最大受信速度である1Gbpsとほとんど同じ速度しか出ない点も注意が必要です。
Sub6・ミリ波のiPhone・Android対応機種
現在販売されている5G対応端末のほとんどはSub6に対応していますが、ミリ波に対応している端末は少ないです。
ミリ波対応端末を下記にまとめました。
端末名 | メーカー |
arrows 5G | 富士通 |
Galaxy Z Fold3 5G | Samsung |
Galaxy S21 Ultra 5G | Samsung |
Galaxy S20+ 5G | Samsung |
Xperia 1 III | ソニー |
Google Pixel 6 Pro | |
AQUOS zero6 | シャープ |
iPhone12・13シリーズはアメリカではミリ波に対応していますが、日本では非対応となっています。
ミリ波に対応している端末は他端末に比べて、機種代金が高額である点が特徴です。
今後もSub6対応端末は増えていくでしょう。
5Gのミリ波とSub6まとめ
5Gのミリ波とSub6は周波数帯が異なります。
ミリ波は通信速度が速い特徴があり、Sub6は通信範囲が広く障害物の影響を受けにくいのが特徴です。
ミリ波は普及させるために高い技術力が必要なので、現在ほとんど普及していません。
一方でSub6は現在も普及していて、これからも使用できるエリアが拡大していくでしょう。
ミリ波に対応している端末は少ないので、購入前に必ず確認してから購入しましょう。
ヨドバシWiMAXなどのWiMAXもSub6ですが、5Gに対応しているのでそちらを利用するのも良いでしょう。