ugoのAIロボットで工場の点検・警備が自動化!いま注目の国産ロボットメーカーに潜入してみた

/

ugo pro ugomini_デモ

製造の現場で、たびたび問題になる “人手不足” や “属人化による点検品質のばらつき“。

点検作業だけでも、自動化できないか…」と悩んでいる企業に、いま続々と導入されているのが、”ugo株式会社(ユーゴー株式会社/東京都千代田区)” のAIロボット『ugo mini(ユーゴー ミニ)』です。

ugo mini(ユーゴー ミニ)』は、工場やデータセンターなど、定期的な点検・巡回・記録が必要な場所で、人の代わりに点検作業を実施。

“長距離の歩行” や、”膨大な記録作業” など、人への負荷が高く、負担になりやすい業務を、おまかせできるロボットです。

現在、”工場” はもちろん、高いセキュリティが求められる “データセンター”、”焼却発電施設” や “下水道施設” など、さまざまな施設での導入が進んでいます。

点検ロボットのなかでも、『ugo mini(ユーゴー ミニ)』は、”小回りの効くサイズ感” が特徴で、動線が狭い工場・施設でも活躍できるほか、最新の画像認識AI技術を活用しているので、”アナログメーターの数値の読み取り” や “数値の自動解析” もでき、従来の点検ロボットでは難しかった課題の解決にも役立っています。

ugo mini(ユーゴー ミニ)』の “親しみやすいビジュアル” も、「現場にスッと受け入れやすい」と人気の理由の1つになっていて、最近では、介護の現場でも導入されるなど、多方面での活躍が目立つロボットです。

今回は、そんな今大注目のAIロボットを開発・提供する “ugo株式会社” の本社(東京都千代田区)に潜入!『ugo mini』や、商業施設の警備や案内ロボットとしても活躍する『ugo Pro(ユーゴー プロ)』について、お話を伺ってきました。

ugo株式会社とは?どこの国のメーカー?

ugo株式会社 本社 東京

いま、点検・警備ロボットの分野を牽引している “ugo株式会社(ユーゴー株式会社)”。

英文字の企業名なので、「どこの国のメーカー?海外?」と思っている人もいるかもしれないですが、東京都千代田区に本社をもつ “日本の企業” です。

じつは、ロボットの製造も、東京都千代田区の本社で行なっているという、昨今では珍しい “国産ロボット” メーカーなのです。

ugopro 案内ロボット

ugo株式会社の本社のあるビルに入るとすぐ、大阪万博の案内役としても話題になった、警備・案内ロボットugo Pro(ユーゴー プロ)』が出迎えてくれました。

話しかけると、マイクで拾った音声をもとに音声で答えてくれて、ちょっとした会話ができるので、とても楽しかったです。

ugopro 会話 案内 ロボット

たとえば、「こんにちは!」と声をかけると、音声とモニターのテロップで、「こんにちは!どのようにお手伝いしましょうか?」と答えてくれます。

会話をするだけでなく、ときどき、目がニコニコの目に変わるので、一気に親しみがわきました!


ugo Pro(ユーゴー プロ)』は、JR秋葉原構内にある “エキュート秋葉原” の入り口にも案内・警備ロボットとして導入されているので、ぜひ近くに行った際は、会いに行ってみてください。

ugo mini とは?どんなロボット?

今回は、ugo株式会社の本社(東京都千代田区)で、広報の荒木さんにお話を伺ってきました。

ugo株式会社の入口で初対面した『ugo mini(ユーゴー ミニ)』のあまりのかわいさに、一気にファンになってしまったのですが、かわいいだけじゃなく、点検の自動化・省人化を進めてくれる、優秀なロボットだったのです!

ugo mini の特徴

ugo mini

ugo mini(ユーゴー ミニ)』とは、2024年10月にリリースされた、”AI搭載の小型点検ロボット” です。

ugo minim』は、警備・点検・案内など、業務のDX化を実現する『ugo Pro(ユーゴー プロ)』の “見回り特化、小型モデル” で、狭い場所にも入ることができる “コンパクトなデザイン” と、静かな環境を邪魔しない “静音性” に特徴があります。

ポールを伸ばさなければ、ちょっとしたスキマに収まってしまいそうなサイズ感なので、人が1人〜2人しか通れ無さそうなスペースの場所での点検の自動化も可能になったんですね。

ugomini ポール 高さ調整

高い場所の点検時は、55cmから175cmの高さまで自在にカメラの高さを変えられる “テレスコピックポール” が、ニョキニョキと伸びて撮影してくれるので、小型ながら、高身長の人間と同じ目線で点検作業を行うことができます。

小型モデルなので、『ugo Pro(ユーゴー プロ)』よりも低価格で導入できるのも、『ugo mini(ユーゴー ミニ)』のメリットです。

ただ、Pro よりも 安いからと言って、性能が劣るというわけではなく、『ugo mini』には、点検業務のDX化に役立つ、”非常に高い性能” が搭載されています!

ugo mini

ugo mini(ユーゴー ミニ)』は、最新の画像生成AI技術が搭載されています。

高精度の “メーター数値読取りAI” を搭載しているので、従来の点検ロボットでは難しかったデジタル表示できない “アナログメーターの計測・点検” も行うことが可能です。

数値を記録するだけでなく、”レポートも自動作成・CSV・Excel形式で出力” できたり、異常を感じたら担当者のスマホなどに通知して知らせる “異常アラート機能” も搭載していたりと、人手不足の解消だけでなく、点検品質の向上も実現することができるんですね!

連携できるセンサーデバイスも、”サーモカメラ・環境センサー・空気質センサー・温湿度センサー” と幅広いので、メーターの数値確認だけでなく、『温度(物体・気体)』や『湿度』、『騒音』、『振動』など、さまざまな指標での点検が可能です。

ugoロボット 対応センサー

(出典:ugo miniパンフレット)

2025年からは、匂いのデジタル化を実現した”匂いセンサー” を開発する 米Ainos社 との協業が開始され、点検業務の中で、唯一、人が点検しないと難しいと言われていた、ガス漏れなど異臭を感知する匂い』のチェックも実現できる形でテストを重ねているのだとか。今後の進化も楽しみですよね!

ainos ugo

※ ロボットの画像はAiros社が広告のために提供したイメージであり、ugoの製品とは異なります

(出典:ugo株式会社

ugo mini のスペック

ugomini インフラメンテナンス

2025年のインフラメンテナンス大賞で “総務大臣賞” も受賞した、いま注目の点検AIロボットugo mini(ユーゴー ミニ)』のスペックは、下記の通りです。

比較しやすよう、『ugo Pro(ユーゴー プロ)』のスペックと一緒に記載しておきますね!

< ugo mini・ugo Pro 各種スペック比較表 >

ugo mini ユーゴー ミニ ugo pro ユーゴー プロ
名称 ugo mini
(ユーゴーミニ)
ugo Pro
(ユーゴープロ)
サイズ H:68~186cm(伸縮機構初期位置~延伸位置)
W:37cm  D:37cm
H:180cm W:44cm  D:58cm
重量 約 16 kg 約 54 kg
顔ディスプレイ 対応 対応
アーム
(無し)
対応
(エレベーターのボタンを押せるので複数階の点検も可)
リフター
(昇降機能)
対応 対応
カメラ 1つ
(4K)
3つ(HD)
センサー 3D LiDAR / 環境センサー(オプション) 2D LiDAR / 深度センサー x 2 / 超音波センサー / 自動充電用マーカーセンサー / 気圧センサー
通信方式 無線LAN / 4G LTE / 5G※1 無線LAN / 4G LTE / 5G※1
連続稼働 約8時間(連続待機時)
約3時間(連続走行時)
約8時間(連続待機時)
約4時間(1.9km/h連続走行時)※2
充電時間 約1.5時間 約2.5時間
充電器 電源 AC100V
最大360W
AC100V
最大360W
移動速度 約0.4km/h ~ 3.6km/h 約0.4km/h ~ 3.6km/h
登坂性能 約 5 度
(1/12勾配 8.5%)
約 5 度
(1/12勾配 8.5%)
段差乗越え 約1cm 約1cm
販売価格 レンタル/リース
要見積もり
(Proより安価)
レンタル/リース
要見積もり
公式製品紹介ページ こちら こちら

※1. 4G、5Gは別途モバイルルーターとSIM回線契約が必要
※2. 使用環境や走行条件により稼働時間は変動する場合あり

ugo mini の点検作業デモを実際に見てみた!

取材中、『ugo mini(ユーゴー ミニ)』がどのように点検作業を行なっているか、点検作業のデモンストレーションを見せていただきました!

ugo pro ugomini_デモ

本社のデモスペースに並んだ、『ugo Pro(ユーゴー プロ)』と『ugo mini(ユーゴー ミニ)』。

『ugo mini』と比べると、『ugo Pro』は 180cm 近く高さがあり、キャスターが付いた土台部分も大きいのですが、クリッとした目がかわいいので、不自然な威圧感がなく、人と協調しやすい印象で、商業施設や介護施設などにも導入しやすいのがわかりました。

ugo ミッション

(出典:ugo株式会社

じつは、ugo株式会社の名前の由来は、日本語の「融合」で、”人とロボティクスの融合で、新しい社会システムを構築し、新しい価値観を創造する” という想いが込められています。

ときには、人の仕事を奪う存在などとして警戒されることもあるロボットですが、ugo では、「人と “融合” しながら人々の生活を豊かにするロボットの開発・提供を目指したい」という想いからロボット開発を進めていて、どのように人のいる社会に溶け込めるかを検討した結果、現在の親しみあるビジュアルになったのだとか。

ugo が、”家事ロボットの開発” から事業をスタートしたことも、現在のような、人間に近い、親しみあるビジュアルになった理由の1つなのだそうです。

一般的な自動点検ロボットは、無機質な印象のものが多い中、「ugo のロボットは、点検業務には不要そうな、顔ディスプレイを搭載しているのはなぜだろう?」と思っていたので、荒木さんのお話を聞いて、”人との融合” という意図があったんだと知り、改めて、素敵なロボットメーカーだなと感じました。

ちなみに、『ugo Pro(ユーゴー プロ)』を商業施設の入り口に設置していると、顔ディスプレイがあることで、監視されている印象が高まるのか、万引きが減るなど、犯罪抑止・警備強化にもなっているとのこと。

人に近いビジュアルであることが、多方面で役立っているんですね!

前置きが長くなってしまいましたが、ここからは、『ugo mini(ユーゴー ミニ)』 の点検業務デモンストレーションの様子を紹介します!

ugo_mini_pro

ugo mini(ユーゴー ミニ)』 は、ロボット統合管理プラットフォーム『ugo Platform』を使い、”クラウド上で複数台のロボットを一元管理する仕組み” になっています。

今回は、『ugo Platform』のPC版 管理画面から、荒木さんに遠隔操作していただきました。ちなみに、スマホから指示を出すことも可能です。

ugo 充電ステーション

家庭向けのロボット掃除機などと同じくらいのコンパクトな “充電ステーション” から、動き出した『ugo mini(ユーゴー ミニ)』。

「ロボット」=「走行音が大きめ」というイメージを持っていたのですが、『ugo mini』は、起動時も走行中もとても静かでした!

この静かさであれば、
データセンターや、精密機器工場、機械室/電気室、ホテルの廊下など、騒音にとくに気を使わなければいけない場所でも使いやすいと思います。

ugo mini 廊下 点検

また、前に、横に、後ろに…と、”非常に小回りが効く“のも驚きでした!

ugo のロボットは、自律走行できるので、PCやスマートフォンの管理画面上から “遠隔操作” できるほか、ロボットに搭載されたLiDARセンサーを使って、あらかじめ “地図(マップ)” を作成し、走行経路を学習・指定おけば、自動で巡回点検を行うこともできます。

ugomini 回転

ぐるっと360度回転してから、前に進めるのは、『ugo Pro』にはない『ugo mini』ならではの特性で、「もしも…」のトラブル時など、遠隔操作で、まず『ugo mini』を現場に送り、カメラで現場の様子を360度確認することができます。

「確認したい場所が、カメラの画角に収まらない…」という可能性が少なくて済むので、”異常の早期発見・検知に役立つ” というのは、『ugo mini』ならではのメリット・安心感だと思います。

とにかく小回りがスゴいです…!近くで動く姿を見て、狭い場所でも、十分活躍できるロボットだなと感じました。

高さも角度も自由自在!アナログメーターにも対応

ugo mini(ユーゴー ミニ)』のデモでは、実際に、壁に設置された、アナログメーターデジタルメーターを、実際に点検・記録・分析する作業を行なっていただいたのですが、針と細かいメモリだけのアナログメーターの数値を、一瞬でデータとして読み取ったのは驚きでした!

ugomini 数値 データ

人でも目を擦ってしまいそうな、細かい数字も一瞬で読み取るので、「人よりも速く、正確な点検ができているのでは?」と感じました。

ノートに書き取って、あとでパソコンで入力して…という作業が不要で、リアルタイムで管理画面上にデータが反映されるのも、便利だと思います。

そして、”高い位置” にあるメーターの点検をする時も、これがまた圧巻でした!

ugomini メーター読み取り

ugo mini』は、メーターの高さに合わせて、”ポール” を自在に伸ばして点検することが可能です。

省スペースで待機できる “コンパクトなサイズ” ですが、最大 180cm まで伸ばせるので、高身長の人が点検するのと同等の視野を確保できます。

人の身体に負担のかかる早朝・夜間の点検業務や、複数人で実施しないと終わらない規模の点検業務などを、『ugo mini』でできるようになれば、大幅な業務の効率化・負担軽減につながるのではないでしょうか。

ugoロボット サーモセンサー

ノーコードで自動化プログラムを作成・実行できる!

個人的に印象に残ったのは、ロボット統合管理プラットフォームugo Platform” の管理画面の見やすさです。

点検した数値を一瞬で “グラフ” や “チャート” など、視覚的にわかりやすい形で表示してくれるので、状況の把握や分析がしやすいほか、”遠隔操作” をする画面も直感的にわかりやすく、PC操作に苦手意識のある人でも、使いやすいのではと感じました。

自動化プログラム作成/実行をおこなう画面も、”ノーコードで操作” できるので、専門知識がない人でも扱える点も魅力的でした。

ugoロボット 遠隔操作

性能が良い製品でも、管理画面が英語表記だったり、データは記録できるものの見づらかったりすると、結果的に使いこなせないこともありますよね。

ugo のロボットは、日本のメーカーが作った “国産ロボット” なので、日本語に対応しているのはもちろん、ユーザーにとって使いやすいよう、細かく設計されているのも魅力だなと感じた経験でした!

> ugo公式「ugo mini」製品紹介ページはこちら

今後のugo株式会社に期待大!

今回取材にお邪魔した ugo株式会社 は、人との “融合” を大切にした、優れた点検・警備・案内ロボットを開発提供している企業でした。

とくに、小回りの効く『ugo mini(ユーゴー ミニ)』は、従来の点検ロボットではできなかった”狭いスペースでの点検” にも対応し、さまざまなシーンで利用できる可能性が満載のロボットなので、気になった人はぜひ、この機会に導入を検討してみてください!

人に負担がかかる作業の効率化や、人手不足の解消など、うれしいメリットをもたらしてくれるはずです。

> 詳細は「ugo 株式会社 公式サイト」から

 

なお、下記は、本社内でロボットの開発もしている企業だからこそ撮れた、出荷前のロボット(ugo pro)がずらっと並んだ光景です。

ugo pro

ワンフロアのオフィスでは、開発の方も、営業やCSの方も一緒に働いていて、CSの方がユーザーから聞いた声を開発の方にすぐ伝えられたりという、オープンな環境になっていました。

より良いものづくりは、こうした環境から生まれているのかもしれません。

今後の『ugo mini』、『ugo Pro』、ugo株式会社のさらなる発展・進化に注目です!

rakuraku-売り切れごめんwifi