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【2026年最新】中国製GPU「LX 7G106」の性能や発売日は?NVIDIA・AMDとの違いを比較

Lisuan Tech

近年、PCゲームのグラフィックは飛躍的に進化を遂げていますが、それに伴いグラフィックボード(GPU)の価格も高騰を続けています。「最新のゲームを快適に遊びたいけれど、NVIDIAやAMDの最新グラボは高すぎて手が出ない」と頭を悩ませている自作PCファンは多いのではないでしょうか。

そんなNVIDIAとAMDの寡占状態が続くGPU市場に、全く新しい第3の選択肢が乱入してきました。それが、中国のスタートアップ企業が開発した全く新しいゲーミングGPU「Lisuan Tech LX 7G106」です。

この記事では、話題の中国発GPU「LX 7G106」が一体どのような製品なのか、私たちが普段プレイしている重いゲームは本当に動くのか、そして既存のGPUと比べてどのような違いがあるのかを詳しく解説していきます。

第3の選択肢「Lisuan Tech LX 7G106」とはどんなGPU?NVIDIA・AMD市場への影響

Lisuan Tech GPUスペック

(出典:Lisuan Tech

Lisuan Tech LX 7G106は、中国・上海に拠点を置くスタートアップ企業「Lisuan Tech(砺算科技)」が独自に開発した、コンシューマー向けのゲーミングGPUです。12GBのGDDR6メモリを搭載し、最新のAAAタイトルをプレイできる本格的な処理能力を備えています。

Lisuan Techは、1990年代に一世を風靡した老舗GPUメーカー「S3 Graphics」の元エンジニア3名によって2021年に設立されました。中国国内の半導体市場が独自路線の開拓を迫られる中、海外のライセンスに依存せず、命令セットから計算コア、ソフトウェアスタックに至るまで、完全に自社でゼロから作り上げた「TrueGPU(天図)」アーキテクチャを採用しているのが最大の特徴です。

このGPUは、台湾TSMCの成熟した6nmプロセス(N6)で製造されています。内部には192基のテクスチャマッピングユニット(TMU)と96基のレンダーアウトプットユニット(ROP)を搭載し、浮動小数点演算性能(FP32)は最大24 TFLOPsに達します。これは、ミドルレンジクラスのGPUとして非常に強力なスペックです。

インターフェースはPCI Express 4.0 x16接続をサポートし、映像出力端子はDisplayPort 1.4aを4基備え、最大8K解像度(60Hz)での出力が可能です。補助電源は8ピンコネクタ1つで済み、消費電力の指標となるTDPは225Wに設定されています。冷却機構には3連ファンを備えた3スロット占有の大型クーラーが採用されており、長時間の激しいゲームプレイでも安定した動作を実現します。

重いPCゲームは動く?LX 7G106の実際の性能と独自AI超解像「NRSS」の実力

サイバーパンク2077

(出典:CD PROJEKT

LX 7G106は、「サイバーパンク2077」や「黒神話:悟空」といった、PCへの負荷が非常に高いとされる最新の重量級ゲームがネイティブで快適に動作します。NVIDIAのDLSSに相当する独自のAI超解像技術「NRSS」を搭載しており、高解像度環境でも高いフレームレートを維持できます。

新しいGPUが登場した際、最も懸念されるのが「既存のゲームがまともに起動するのか」という互換性の問題です。LX 7G106は、DirectX 12、Vulkan 1.3、OpenGL 4.6、OpenCL 3.0といった業界標準のグラフィックスAPIを完全サポートしています。これにより、エミュレーターなどを介さずに直接ゲームを駆動させることが可能です。

具体的には、以下の人気タイトルが高画質設定で動作します。

高負荷なゲームを動かすための要となるのが、独自開発のアップスケーリング技術「NRSS(Neural Render Super Sampling)」です。これは低い解像度でレンダリングした映像を、GPU内部のAI機能を用いて高解像度に引き上げる技術であり、NVIDIAのDLSSやAMDのFSRに対抗するものです。この機能を利用することで、画質を保ちながらフレームレートを最大50%以上向上させることができます。

< Lisuan Tech LX 7G106 の主な特徴 >

  • 大容量メモリ:
    12GBのVRAMにより、高解像度テクスチャを多用するゲームでもカクつきを防ぎます。
  • 効率的なタスク処理:
    最大48個の関連のないタスクを同時に処理するインテリジェントな管理機能を備えています。
  • ハードウェアデコード:
    AV1やHEVC形式の動画を最大8K 60fpsでハードウェアデコードでき、動画視聴時のCPU負荷を軽減します。

ただし、注意点として、ハードウェアによるレイトレーシング機能(光の反射や屈折をリアルに計算する技術)には対応していません。水たまりに反射するネオンの光などを極限までリアルに楽しむ「DirectX 12 Ultimate」のフル機能は利用できませんが、その分、グラフィック処理の基本性能にリソースを集中させています。

日本からLX 7G106は買える?気になる発売日・価格の最新情報と購入の注意点

Lisuan Extreme

(出典:Lisuan Tech

LX 7G106の発売日は2026年6月18日で、中国の大手ECサイト「JD.com」にて販売が開始されます。日本国内での正規代理店を通じた販売については未定のため、すぐに入手するのは難しい状況です。

6月18日は中国で「618商戦」と呼ばれる大規模なネット通販のセール期間であり、このタイミングに合わせて大々的に市場へ投入されます。予約の受付は数日後の3月17日から開始されます。

価格について公式の明確な発表はありませんが、ミドルレンジ市場をターゲットにしていることから、NVIDIAAMDの同クラスの製品と比較して、競争力のある魅力的な価格設定になることが期待されています。

日本から購入したい場合は、AliExpressなどの越境ECサイトを利用するか、個人輸入を行う必要があります。ただし、輸送費や関税、また後述するサポート面の不安があるため、購入にはある程度のハードルが伴います。

NVIDIA、AMDとの違いは?スペックを比較!

LX 7G106は、NVIDIAの「GeForce RTX 4060」と同等かそれを上回る基礎演算能力を持ち、大容量の12GB VRAMを搭載している点が最大の強みです。

実際にどのクラスの製品と競合するのか、NVIDIAおよびAMDのミドルレンジGPUとスペックを比較してみましょう。

スペックLisuan Tech LX 7G106NVIDIA RTX 4060NVIDIA RTX 5060AMD Radeon RX 9060 XT
メモリ容量 (VRAM)12GB GDDR68GB GDDR68GB GDDR716GB GDDR6
メモリバス幅192-bit128-bit128-bit128-bit
演算性能 (FP32)最大24.0 TFLOPs約15.0 TFLOPs約18.0〜20.0 TFLOPs約25.6 TFLOPs
TMU / ROP192 / 9696 / 4896 / 48(推定)未公開
製造プロセスTSMC 6nmTSMC 5nm (4N)TSMC 4nmTSMC 4nm
アップスケーリングNRSSDLSS 3DLSS 4.5FSR 4
ハードウェアレイトレ非対応対応対応対応

(表の数値は2026年時点の公式発表および報道ベースのデータです)

メリット・デメリットの対比

  • LX 7G106のメリット:
    • VRAMとバス幅の余裕:
      近年のゲームはVRAM消費が激しくなっています。RTX 4060/5060の8GB・128-bitに対し、LX 7G106は12GB・192-bitの帯域を備えており、高画質設定時のボトルネックが発生しにくい構造です。
    • 高い基礎演算性能:
      24 TFLOPsという数値は、単純な演算能力においてRTX 4060を大きく引き離し、最新のRX 9060 XTに迫る水準です。
  • LX 7G106のデメリット:
    • ソフトウェアの成熟度:
      NVIDIAのDLSSやAMDのFSRは長年の開発により対応ゲームが多く、画質も洗練されています。Lisuan Techの「NRSS」が実際のゲームでどこまで美しくフレームを生成できるかは、未知数です。
    • レイトレーシング非対応:
      前述の通り、リアルな光の表現を楽しむハードウェア処理には対応していません。

ベンチマークソフト「Geekbench 6 OpenCL」の初期テスト結果では、LX 7G106が111,290点を記録し、RTX 4060を約10%上回るスコアを叩き出しています。物理的なハードウェアのポテンシャルは、世界市場のメインストリームと十分に戦える位置にあります。

中国製GPUに危険性はある?

新しいメーカーのGPUを導入する際、最も注意すべき危険性は、セキュリティリスクよりも「ドライバの不安定さによるゲームのクラッシュや不具合」です。

一部のユーザーの間では、中国製のハードウェアに対して「怪しい通信端末が内蔵されているのではないか」「スパイウェアが仕込まれているのでは」といったセキュリティ面の不安が噂されることがあります。しかし、現時点でLisuan Techの製品に関して、そのような悪意のあるバックドアが存在するという具体的な報告は一切ありません。

私たちが真に警戒すべきは、グラフィックスドライバの成熟度です。

GPUの開発において、チップそのもの(ハードウェア)を作るのは全体の半分にすぎません。残りの半分は、OSやゲームとGPUを連携させるソフトウェア(ドライバ)の最適化です。あの巨大企業であるIntelでさえ、自社製GPU「Arc」シリーズの発売当初は、古いゲームが起動しない、極端にフレームレートが落ちるといったドライバの不具合に長期間悩まされました。

Lisuan TechはDirectX 12に完全対応していると謳っていますが、星の数ほどあるPCゲームすべてでバグなく動作するかどうかは、実際にユーザーが使い始めてみないと分かりません。特定のゲームで画面にノイズ(アーティファクト)が走る、突然ゲームが強制終了するといったトラブルは、新規参入メーカーの初期ロットには付き物です。

ゲーム以外の用途は?Windows on Armでも使える?

Snapdragon Qualcomm

LX 7G106はゲーミング用途だけでなく、AI(大規模言語モデル)のローカル実行や、次世代のPC規格である「Windows on Arm」環境での活用という、非常に先進的な用途を持っています。

1. Windows on Armへの対応

現在、PC市場では電力効率に優れたArmベースのCPU(Snapdragon Xシリーズなど)を搭載した「Windows on Arm」デバイスが普及し始めています。驚くべきことに、LX 7G106はこのWindows on Armをネイティブでサポートする世界初のディスクリートGPU(独立型グラボ)プラットフォームの一つになる可能性を秘めています。NVIDIAやAMDがまだArm環境での外付けGPU対応に本格的に踏み込めていない中、Armベースのシステムで強力なグラフィック性能を構築できる点は、大きなアドバンテージです。

2. 生成AI(LLM)のローカル実行

近年、ChatGPTのようなAIをクラウド経由ではなく、自分のPC上で動かすローカルLLMが流行しています。AIを動かすにはGPUのVRAM容量が何よりも重要です。 LX 7G106の「12GB」というVRAM容量は、Llama 3.1(8Bモデル)などの高精度な言語モデルをローカルでサクサク動かすのに十分なスペックです。Lisuan Techはプロ向けモデルとしてVRAM 24GBを搭載した「LX Pro」なども用意しており、AI推論やクラウドレンダリング、デジタルツインといった産業用途も強力にカバーしています。

次世代GPU選びで失敗しないために

GPU市場における寡占状態を打破する存在として登場した「Lisuan Tech LX 7G106」。ここまでの要点を振り返ります。

  • 中国Lisuan Techがゼロから設計したミドルレンジ向けGPU。
  • 12GBのVRAMを搭載し、RTX 4060を上回る基礎演算性能を持つ。
  • サイバーパンク2077など重いゲームがネイティブで動作。独自AI超解像「NRSS」搭載。
  • Windows on Armへの対応や、AIのローカル実行にも適している。
  • ドライバの安定性や、レイトレーシング非対応という懸念点もある。

たとえ価格が非常に安く魅力的であったとしても、発売直後に即座に飛びつくのはリスクが伴います。ハードウェアのスペックがいかに高くても、ソフトウェアの最適化が追いついていなければ、本来の性能を発揮できないからです。

まずは2026年6月18日の発売以降、世界中のテックメディアや自作PCユーザーが公開する実際のベンチマーク結果や、詳細なプレイレビューを確認してください。お気に入りのゲームがエラーなく快適に動くことが証明されてから購入を検討するのが、後悔しないGPU選びの鉄則です。

長らく変化の乏しかったGPU市場に投じられた強力な一石。この中国発のチャレンジャーが、今後のグラフィックボードの価格競争に火をつけ、私たちPCゲーマーにとってより良い環境をもたらしてくれることを期待して待ちましょう。