mocopi(モコピ)とは?特徴・メリット・活用事例。UEFN対応でフォートナイトにも利用可能に!

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sony mocopi 取材

ソニーが開発するモバイルモーションキャプチャー『mocopi®モコピ)』。

VTuber大手事務所 “ホロライブプロダクション” 所属者など、多くの人気VTuberが配信に利用していることでも注目を集める、全身のトラッキングが可能なモバイルモーションキャプチャーです。

2024年8月には、国内最大のゲーム開発者向けの技術交流イベント『CEDEC2024』で、ビジュアルアーツ部門の優秀賞を受賞するなど、”優れた技術” と “手軽さ” に注目が集まっています。

今回は、そんな今話題の『mocopiモコピ)』について、特徴メリット活用事例どんな使い方ができるのかなど、詳細をソニーの mocopiチーム相見さんと菊地さんにお話を伺ってきました。

mocopi(モコピ) とは?

mocopi sony

『mocopiモコピ)』とはソニーが開発・販売する、小型・軽量のモバイルモーションキャプチャーです。

“直径3.2cm、重さ8g” の小型センサーを、頭・腰・左右の手首・左右の足首の “計6ヵ所” に装着することで、全身の動きをトラッキングすることができます。

mocopiを装着することで、自分の動きに合わせて “アバターをリアルタイムで動かす” ことができるので、VTuberとしてライブ配信を行なったり、アニメ・ゲーム・映画の制作時に3D動作の確認や調整に使ったりと、さまざまな場面で活用されています。

mocopi レイノスちゃん

↑ 上記は、mocopi公式アバターの “RAYNOSレイノスちゃん” です。かわいいですよね!

現状、mocopiでは、あらかじめ、上記のほか、”mini RAYNOSちゃん“、シンプルな黒い人影の “HUMAN” の3種類のアバターが用意されています。

また、3Dキャラクターのための投稿・共有プラットフォーム『VRoid Hub』など “外部アバターサービスと連携” することで、オリジナルのアバターを読み込むことも可能です。

RAYNOSちゃんを使ってモーションキャプチャーの動きを楽しんだり、シンプルなHUMANを使ってCG制作時の動作確認をしたり、オリジナルアバターでVTuberとして活動したりなど、多様な使い方ができます。

mocopi(モコピ) の5つの特徴・メリット

数々のモーションキャプチャー装置の中で、いま、『mocopiモコピ)』が人気を集めているのは、下記のような5つの特徴・メリットがあるからです。

特徴1. 小型・軽量センサーが実現する “軽装備”

mocopi センサー

mocopiモコピ)』の6つのセンサーは、直径 “3.2cm”、重さが “8g” という500円玉程度の小型サイズです。

専用のバンドやクリップで装着できるのですが、あまりにも軽いので、「付けていることを忘れて外出してしまった」というユーザーもいるほど、身体への負担が少なくなっています。

実際に私も手に持ってみたのですが、いつも付けている腕時計以上に軽くて、「こんなに小さな装置で、きちんと人の動作をトラッキングできるんだ!」と感動しました。

mocopiモコピ)』では、6つのセンサーを、頭・腰・左右の手首・左右の足首の “計6ヵ所” に装着することで、全身の動きを記録・分析します。

モーションキャプチャー用の専用スーツは不要なので、「思い立ったときに、サクッと手軽に使えて便利」「気負いなくモーションキャプチャーを使える」と好評です。

見た目もカラフルでおしゃれな印象なので、ファッションに溶け込ませやすい点もmocopiならではのメリットでしょう。

特徴2. 屋内でも屋外 “どこでも利用できる” 利便性

mocopi 外

mocopiモコピ)』は、先述の通り、”6つのセンサー” と接続する “スマホ” があれば、どこでも利用できるので、屋外でも手軽に利用できるというメリットがあります。

これまでのモーションキャプチャーは、① 装置が大きいことや、② 複数台のカメラを設置して記録を取る必要があること などの理由から、”スタジオでの撮影” が前提となる場合が多く、スタジオの設置費用・レンタル費用がかかるほか、屋外での動きを取りたい場合は、グリーンバックで撮影して背景をあとで合成するといった方法でしか利用が難しいという状況がありました。

その点、mocopi は、小型軽量センサーのみでモーションキャプチャーができるソニー独自の新技術『モバイルモーションキャプチャー』を採用しているので、屋内・屋外どこでも普段着のままで、人の動作をデジタル化してCGキャラクターに反映することができます。

mocopi ar背景

さらに、スマートフォンのリアカメラで映した映像を背景にできる “AR背景モード” を使えば、現実空間にアバターを合成した動画を作ることができるので、VTuber が mocopi を使って旅行Vlog映像を撮影し、「新大久保に来ました!」などと、リアル感のある映像をファンに届けることもできます。

mocopi は小型なので、帽子をかぶって頭のセンサーをわかりづらくすれば、周囲にモーションキャプチャーの撮影していることを気づかれないというメリットも。

顔バレしたくない VTuber でも、周囲にバレずに安心して撮影できる点は、mocopi ならではのメリットだと言えるでしょう。

このように、mocopi は、モーションキャプチャーの可能性・活用の幅を広げてくれる存在なんですね!

特徴3. “スマホアプリ” だけでも使える気軽さ

mocopi appstore

mocopiモコピ)』の特徴の3つ目は、”スマホだけでも使える” という点です。

もともと mocopi は、モーションキャプチャーの技術を、一部の技術者・企業だけでなく、一般の人々が使えるようにしようという目的で開発された製品なので、大きな装置やPCを必要としません。

現在は、ユーザーからのリクエストもあり、PCアプリケーションもリリースされ、PCとの接続も可能になっていますが、スマホアプリとの連携のみで使えるので、「PCは持っていない」「スマホで手軽にVTuberとしての活動を始めたい」という人でも安心です。

iOSiPhone)・Android両方に対応しているのもうれしいポイントですよね。

アプリは、”シンプルで使いやすい操作性” になっているので、「機械が苦手…」という初心者でも苦労せず使えると評判です。

> AppStote「mocopi」アプリ ダウンロードページはこちら(iPhone用)

> GooglePlayストア「mocopi」アプリ ダウンロードページはこちら(Android用)

特徴4. 多様な “ゲームプラットフォーム・メタバースとの連携”

mocopiモコピ)』の特徴・メリットとして、多様な “ゲームプラットフォーム・メタバースとの連携できる” という点は、欠かせないポイントです。

下記は、mocopi で動作確認ができている連携可能な外部システム・プラットフォームの一例なのですが、さまざまな外部ソフト・プラットフォームに対応しているのがわかります。

< mocopi と連携可能な外部システム・プラットフォーム例>

VRChat
VRoid Hub
Virtual Motion Capture
Unity
MotionBuilder
Unreal Engine
Maya
VirtualCast(Quest版にも対応)
Animaze by FaceRig  など

日々、動作確認済みシステム・プラットフォームの数が増えているので、自分の考えている用途・プラットフォームで使えるか、確認してみると良いでしょう。

特徴5. 個人・初心者でも購入しやすい “料金設定”

mocopi>モコピ)』の特徴・メリット、さいごの5つ目は、個人初心者でも購入しやすい “料金・価格設定” です。

mocopi の販売価格は、49,500円(税込)。

5万円以下という個人・初心者でも手が出しやすい価格帯で購入することができます。

mocopi sony store

従来のモーションキャプチャーの装置は、100万円以上するものも多く、個人ではなかなか購入できませんでした。

スタジオで機材ごとレンタルしようとしても、2時間で3万円〜10万円ほどかかるので、予算の関係で利用を躊躇している人も少なくないでしょう。

その点、mocopi は “5万円以下” で購入でき、どこでも利用できるので、撮影の度にスタジオを借りる必要がありません。

高性能ながら、個人でも手が出しやすい価格帯でコスパが良いという点は、mocopi ならではのメリットです。

> ソニーストア「mocopi」購入ページはこちら

mocopiの活用事例・どんな使い方ができる?

今回、モバイルモーションキャプチャー『mocopiモコピ)』の活用方法について、実際にデモを見せていただきながら、ソニーの mocopiチーム 相見さんと菊地さんにお話を伺ってきました。

sony mocopi 取材

▲ ソニー mocopi チーム代表の相見さん

2023年1月に発売された、モバイルモーションキャプチャー『mocopiモコピ)』。

当初は、VTuber用途での利用をメインに開発・販売が進んでいましたが、最近は、”メタバース空間” でのコミュニケーションツールとしての活用や、”アニメなど映像制作の現場” での活用も進んでいるそうです。

mocopi チーム代表 相見さん(以下、相見さん)mocopi は、もともと入っているアバター(RAYNOSちゃん)も、Vtuverのようなアバターだったので、VTuber用途で使われることが多いのですが、もう2つ大きな使い方があります。

1つは、VRChatcluster などの仮想空間でコミュニケーションを取るソーシャルサービスでの利用です。

それらの仮想空間では、基本的には、ヘッドマウントディスプレイを被って、上半身の動きで自分を表現します。下半身で何かを表現したい時、たとえば足を上げたい時は、コントローラーでジャンプボタンを押して自分を表現するというのが、一般的でした。

でも、mocopi を使えば、全身のトラキングが可能なので、かんたんに身体全体を使って自分を表現できます。

相見さんもう1つは、最近、我々が力を入れている、アニメやゲームなど “制作者用途” での mocopi の活用です。

mocopi は、誰でもかんたんに、すぐセットアップして使えるので、当初は、コンシューマーユース(一般家庭での利用)を想定して、カジュアルに使える点を研ぎ澄ましていこうとしていました。でも、実際に使っていただく中で、我々自身も気づいていなかった需要として、アニメ・ゲームなどの制作現場で、mocopi を使いたいという声を多くいただくようになりました。

スタジオを借りて全身スーツを装着して撮影するような、本格的なモーションキャプチャーを使用する制作現場では、スタジオをレンタルしたり、スタジオを自社で作ったりすると、膨大な予算が必要になります。そのため、本番前には、絵コンテを書くなどの作業をして、実際の動作を想像しながら制作を進めるのですが、そこに mocopi のような手軽に使えて実際の動作を確認できるツールがあると、事前に、詳細な動きを確認することができます。

「事前制作が楽になる」「試行錯誤ツールとして使い勝手が良い」という評価をいただいて、徐々に、mocopi の業界での認知度も上がって、導入してくださる制作者・制作現場が増えつつあります。

先日も、アニメ『俺だけレベルアップな件』の制作現場で、mocopi を活用して、群衆シーンのCGアニメーションを作成いただいた件を取材していただいたのですが、我々でも想定していなかった色々な使い方をしていただけていているのは、ありがたいですね。

mocopi チーム 菊地さん(以下、菊地さん)mocopi は、思い立ったらすぐモーション撮影ができるので、やってみたい動きをデスク横ですぐ試せるというのが強みの1つだと思います。

VTuber 用途でも、mocopi の活用で多様なコンテンツが可能に

相見さんこれまでのモーションキャプチャーは、スタジオなど “特定の場所” でないとできなかったのですが、mocopi なら外ロケもかんたんにできます。長袖をきて頭のセンサーを帽子で隠せば、モーションキャプチャーを撮っていることを気づかれずに撮影できるので、顔バレが心配なVTuberさんでも、ご当地のランドマークの場所で「〇〇に来たよ!」というコンテンツを作るなど、これまでできなかった表現のコンテンツを制作できるのは mocopi の良さです。

プラグインで各種外部システムとの連携も可能。フォートナイトにも

相見さんmocopi で記録したデータは、ソニーの機材だけで利用できるようにするのではなく、いろんな外部システム・ツールで活用できるプラグインを作成しています。最近だと、フォートナイトの開発者向けツール “Unreal Editor For Fortnite(UEFN)” で mocopi のモーションを使用してクリエイティブ制作ができるようになりました。

菊地さんフォートナイト空間に、mocopi のモーションで動くNPCやキャラクターを作り出すことができます。YouTubeに mocopi公式アバターの “RAYNOS(レイノス)ちゃん” が登場している動画も紹介しているので、見てみてください。

 

相見さん2024年6月には、Windows版PCアプリの提供も開始して、PC環境でも mocopi を活用できるようになりました。制作・開発の現場での mocopi の使いやすさが向上してきているので、今後、ますます色んな場面で mocopi を活用していただきたいです。

> mocopi 開発者向けページはこちら

mocopi(モコピ) はモーションキャプチャーの可能性を拡大するツール!

このように、今回取り上げたソニーが開発するモバイルモーションキャプチャー『mocopiモコピ)』は、大量の撮影機材や専用スタジオ、全身スーツなど、これまでモーションキャプチャーを利用するハードルを上げていた前提条件を不要とする、”手軽” で “便利” なツールです。

お話を聞いただけでも、いろんな活用方法・事例があったのですが、使い勝手が良いので、「まだ試されていない活用方法があるのでは?」とわくわくしました。

VTuber用途はもちろん、アニメ・ゲーム・映画などの制作現場、医療やロボット開発の現場など、さまざまな用途で応用できる製品なので、気になった人はぜひ使ってみてください。

> ソニー「mocopi」公式サイトはこちら

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製品情報

mocopi センサー

<センサー>

サイズ 32mm×11.6mm(センサー1個あたり)
質量 8g(センサー1個あたり)
測定方式 6DoF(加速度センサー 3DoF + 角速度センサー 3DoF)
充電方式 USB充電(充電ケース使用)
※ USBType-C® ケーブル対応
電池持続時間
(連続モーションキャプチャー使用時間)
最大約10時間
※ 使用環境等により変動
電源 Li-ion
充電時間 約1.5時間
防水/防塵 防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X)
通信方式 Bluetooth LE Ver.5.2
最大通信距離 10m
使用周波数帯域 2.4GHz帯
同梱物 センサー6個、ヘッドバンド、リストバンド2個、アンクルバンド2個、クリップ、充電ケース、取扱説明書

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