ペロブスカイト太陽電池の実用化はいつ?メリット・デメリット

太陽光パネル

EXPO 2025 大阪・関西万博でも注目を集める、次世代の太陽電池『ペロブスカイト太陽電池』。

東京都が、2040年までに年間電力消費量 “55万世帯分” の設置を目指すと発表するなど、注目を集めています。

再生可能な次世代のエネルギーとして、TVなどのメディアでも特集が組まれることも増えてきたので、気になっている人も多いでしょう。

そこで今回は、今注目の再生可能エネルギー『ペロブスカイト太陽電池とは何か実用化はいつなのか、メリット・デメリットなどについてお伝えします。

ペロブスカイト太陽電池とは?特徴

ペロブスカイト太陽電池

(出典:経済産業省

ペロブスカイト太陽電池とは、”ペロブスカイト構造” と呼ばれる結晶構造の材料を使った、”次世代型の太陽電池” のことを指します。

2009年に、桐蔭横浜大学の宮坂力(みやさか つとむ)特任教授が完成させ論文で発表した “日本発” の技術で、「薄くて、軽くて、柔軟」といった、従来のシリコン系太陽電池にはない特性を持っています。

驚くことに、『ペロブスカイト太陽電池』は “塗布” もできるので、今までにない太陽電池の使い方ができるんですね!

ペロブスカイト太陽電池 シリコン型

(出典:経済産業省

従来の “シリコン系太陽電池” には、”耐久性に優れて” いて、太陽光のエネルギーを電力に変換できる割合が高い、すなわち、”変換効率が高い” というメリットがありました。

ただ、”シリコン系太陽電池” の設置には、”平らで広い場所” が必要というデメリットがあり、国土の大部分が山地の日本では導入しづらいという実情があったのです。

次世代の太陽電池である『ペロブスカイト太陽電池』は、”薄くて、軽く、建物の壁面や窓にも取り付け可能” なので、都市部でも導入することができ、日本の地理にも適しています。

ペロブスカイト太陽電池の活用・実用化が、”日本での太陽光発電の普及拡大への鍵” と言われているのです。

ペロブスカイト太陽電池』には、”軽くて形状が変えられる” という特徴のほか、”製造コストが安い“、”低温で製造できる” といった特徴もあります。

2009年に発表されて以降、開発が進み、近年は “発電効率も向上” していて、実用化に大きな期待が寄せられています。

EXPO 2025 大阪・関西万博 でも、会場のさまざまな場所に『ペロブスカイト太陽電池』が設置されていて話題になりました。

低コストで高性能な “新しい再生可能エネルギー” として、開発が進んでいるんですね!

ペロブスカイト太陽電池の実用化はいつ?

ペロブスカイト太陽電池』の実用化はいつからになるか、気になっている人も多いでしょう。

一部の企業では、今年(2025年)には実用が本格化すると見込まれています。

政府も、2030年の社会実装に向けて取り組みを後押ししていて “次世代型太陽電池の開発プロジェクト” が立ち上げられています。

政府の支援を通じて、多くの企業・研究機関がペロブスカイト太陽電池の開発を進めていて、積水化学工業東芝などが、商用化を目指してすでに実証実験を開始しています。

日本は、とくに “フィルム型” のペロブスカイト太陽電池の開発で世界をリードしていて、今後数年で市場投入が進むという予想です。

ペロブスカイト太陽電池のメリット

ペロブスカイト太陽電池』のおもなメリットは、下記の通りです。

    メリット1. 製造コストが安い

    ペロブスカイト太陽電池』を活用するメリットとして、”製造コストの低さ” は大きな要素です。

    従来の太陽電池は、”高温処理” や “真空装置” が必要で、設備投資や材料費など莫大な費用が必要でした。

    一方、『ペロブスカイト太陽電池』は、”低温・常圧で製造” しているので、設備コスト削減が可能です。

    ペロブスカイト太陽電池の製造で使用する “原料も安価” で、従来の太陽電池の “約20分の1” だと言われています。

    工程も短く量産化できる点もメリットで、 “低コストでの太陽エネルギー利用が可能” という点は、大きな強みです。

    メリット2. 変換効率が高い

    ペロブスカイト太陽電池』のメリットとして、”変換効率の高さ” もポイントの1つです。

    ペロブスカイト太陽電池の “太陽光を電気に変える効率” は、短期間で飛躍的に向上していて、既存の太陽電池よりも上回る水準に達しています。

    また、ペロブスカイト太陽電池の製造で使用されている材料は、光を吸収しやすく “少ない光でもしっかり発電できる” という特性があります。

    少ない光で発電できることで、これまで太陽光発電に不向きとされていた “屋内” や “曇りの日” でも安定した発電が可能になります。

    さらに、変換効率が高い場合、”設置面積を抑えながら十分な電力を得られる” ようになるので、『ペロブスカイト太陽電池』を活用するメリットは大きいのです。

    メリット3. 設置場所に困らない

    ペロブスカイト太陽電池』のメリットとして、”設置場所に困らない” という点は、やはり欠かせないポイントです。

    ペロブスカイト太陽電池は、”軽量” で “形状が変えられる素材” を使用しているので、設置場所の自由度が高いです。

    窓や壁、ビルの外装、車の屋根に設置が可能なので、従来の太陽電池より狭いスペースでの発電や建物との一体化がしやすく、都市部や狭小地での活用も期待されています。

    ペロブスカイト太陽電池の実用化が進めば、広大な平らな土地が少ない日本でも、太陽電池を活用したエネルギーの確保ができるようになるのは大きなメリットです。

    ペロブスカイト太陽電池のデメリット

    メリットの多い『ペロブスカイト太陽電池』ですが、下記のようなデメリットもあります。

      デメリット1. 耐久性が短い

      ペロブスカイト太陽電池』のデメリットとして、”耐久性が短い” という点は課題になっています。

      ペロブスカイト太陽電池は、湿気や熱、紫外線に弱く、”長期間の使用で性能が劣化しやすい” という特徴があります。

      従来の太陽電池が “20年以上の耐用年数” を誇るのに対して、ペロブスカイト太陽電池の耐用年数は、数年程度です。

      ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けて、”耐久性を高める” 点は必要不可欠な要素と言われています。

      デメリット2. 有害物質である鉛が含まれる

      ペロブスカイト太陽電池』のデメリットとして、少量ではあるものの、原料に有害物質である “鉛” を含んでいる点は懸念点です。

      ペロブスカイト太陽電池では、”高効率な発電性能” を得るために “鉛” が使用される場合が多く、使用中や廃棄時の “環境への影響” が懸念されています。

      とくに、雨水や破損によって鉛が流出すると、土壌や水質に支障をきたすので、環境や人体への影響が心配されているんですね。

      現在は、リスク回避のため、”安全な封止技術” や “鉛を使わない代替材料” の研究が進められていて、今後、ペロブスカイト太陽電池が実用化される中で、どのように改善されていくのか注目されています。

      デメリット3. 発電性能が安定しない

      ペロブスカイト太陽電池』のデメリット、さいごの3つ目は、”発電性能が環境条件によって安定しにくい” という点です。

      ペロブスカイト太陽電池は、湿度や温度、光の強さに影響されやすく、外気の変化により、発電効率が落ちる場合があります。

      とくに、日本のように高温多湿な気候では、”素材の分解や劣化” が進みやすく、”長期的な性能維持” をどう実現するかが課題です。

      “製造の均一性” にも難しさがあり、量産を行ったときに性能差が出るのも問題点だと言われています。

      ペロブスカイト太陽電池』には、たくさんのメリットがあるので、どのようにデメリット懸念点を解消していくかが、実用化を進める上でポイントとなっていくでしょう。

      ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた動きに注目しよう!

      このように、『ペロブスカイト太陽電池』は、今までの太陽光発電の常識を覆す、新たな技術 “次世代の再生可能なエネルギー” として注目を集めています。

      軽くて柔らかく、設置場所を選ばないなど、ペロブスカイト太陽電池ならではの利点があり、”実用化” と “販売” に向けた動きが加速中です。

      太陽光電池の導入を検討している人は、今後の『ペロブスカイト太陽電池』の動向に注目していきましょう!

       

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