ポールシフトとは?次はいつ?何が起こる?前兆や頻度は?

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最近SNSを中心に、”ポールシフトで地球の磁極が逆になる”、”ポールシフトが起きると文明が終わる” という都市伝説が話題になっています。

「ポールシフトとは一体何なのか?」「本当に起きるのか? 起きたらどうなるのか?」など、疑問に思っている人もいるでしょう。

じつは『ポールシフト』は、地球の歴史の中で何度も起きてきた自然のサイクルの1つで、今の私たちの時代にも “前兆” のような動きが見られているのです。

この記事では、今話題の『ポールシフトとは何かや、どれくらいの頻度で起きているのか、次はいつ起こるのか、何が起こるのかなどをお伝えします。

ポールシフトとは?

ポールシフト イメージ

ポールシフトとは、地球の “磁極N極S極が入れ替わる現象” のことを指します。

現在、方位磁石のN極が指す “北” は地磁気のS極ですが、ポールシフトが起こり、磁極が逆転すると、N極が南を指すようになります。

すなわち、”地球全体の磁場がひっくり返る” 可能性があるのです!

『ポールシフト』は、単なるオカルト的な現象ではなく、実際に、地球の歴史上何度も起こってきた “地球内部の物理現象” で、今後起こりうる可能性も十分にある現象なんですね。

地軸の移動とは別物

なお、地球の磁場である “地磁気(ちじき)” が “反転” する『ポールシフト』ですが、地球の回転軸が変わる “地軸のシフト” とは別物です。

⚫︎ ポールシフト:地磁気の “反転” (地球内部のダイナミズム)
⚫︎ 地軸の移動:天文学的な現象(極運動)

一部、地軸の移動・ずれのことを「ポールシフト」と言っている人もいるので、内容を混同しないよう注意してください。

ポールシフトはなぜ起こる?

ポールシフト』が起こる原因は、現在のところ “不明” です。

ただ、”地磁気” は、地球内部にある、鉄とニッケルが液体状で存在する領域 “外核” が、”対流運動” を起こすことでが発生していて、この流れに乱れが生じると、”磁場の向きが不安定” になり、最終的に “逆転” することがあります。

外核の対流運動による磁場の逆転は、自然な地球の活動の一部と考えられていて、過去の地層や海底の磁気記録にもその痕跡が残されていることから、不可思議な都市伝説ではなく、現実に起こりうる自然現象と捉える人は少なくありません。

ポールシフトの頻度と周期は? どれくらいの間隔で起きている?

地球

専門家の調査によると、『ポールシフト』は、過去、約1億6000万年の間に、”100回以上” 起きていると言います。

地層や海底に残る磁気の痕跡の調査から、”ポールシフトは、20万~50万年ごとに起きていることが多い” とされていて、20万年に1回など、短期周期ではないのの、”珍しいことではない” というのが専門家の見解です。

ただ、”ポールシフトが起こる頻度” にはバラつきがあり、”100万年以上起きなかった時期もある” ので、正確な間隔の算出は難しいのが現状なんですね。

今はポールシフトが起きる時期なのか?

現在は、前回のポールシフトからすでに78万年以上経っている” ので、「そろそろ起きてもおかしくない」と考える科学者もいます。

とはいえ、ポールシフトは突然起きるわけではなく、”何千年もかけてゆっくり進む” のが一般的。

そのため、「明日いきなりポールシフトが起きて、コンパスが南を指す…」といったことはないので、安心してください。

次のポールシフトはいつ?

次のポールシフトがいつ起こるのか?」は、世界中の関心事ですが、具体的な時期についてはわかっていません

ただ、科学者たちの間では「今、地球の磁場に気になる動きがある」という指摘が増えているのは事実です。

たとえば、地磁気の “強さ” が、ここ100年で “約10%弱くなっている” というデータがあり、とくに “南大西洋異常帯(SAA)” と呼ばれる、南米〜アフリカの間では、”磁場が異常に弱く” なっていて、”人工衛星の故障原因” にもなっています。

磁場の弱まり” は、過去のポールシフトが始まる前にも観測されていたことがあるので、「ポールシフトは前兆なのでは?」と指摘する人もいるんですね。

ポールシフトの前兆とは? 何かサインはある?

ポールシフト』は、”何千年もかけてゆっくり進む” ケースが多いので、実際に起きる前に、いくつかの前兆があると考えられています。

下記は、過去の研究や現在の観測から、ポールシフトが近づくと見られるいくつかの “サイン” と考えられている事象です。

前兆1. 地磁気が弱まる

ポールシフト』のもっとも代表的な “前兆” が、”地磁気(=地球の磁場)の弱まり” です。

現在、南米〜アフリカの間では、磁場が世界でも特に弱くなっていて、人工衛星や宇宙ステーションが上空を通過するときに、通信機器の誤作動や電子機器の不具合が起きやすいことが知られています。

こうした磁場の異常は、過去のポールシフトの直前にも見られていたため、”ポールシフトが起きる前兆” と指摘する声もあります。

前兆2. 磁極の位置のズレ

ポールシフト』の “前兆” として、もうひとつ注目されているのが、”磁極の位置のズレ” です。

かつて、”カナダ北部” にあった磁北極は、ここ数十年で “ロシアの方向” に “毎年50km以上のペースで移動している” ことがわかっています。

この磁北極の移動スピードは、過去と比べてかなり速く、「異常だ」と指摘されているんですね。

磁北極の “ウロウロ” も、ポールシフト前の特徴と一致している可能性があり、「もうすぐポールシフトが起こる説」の根拠の1つとして用いられています。

前兆3. 磁場の乱れ

磁場の乱れ” も、『ポールシフト』の “前兆” として考えられることがある事象の1つです。

地球全体の “磁場が不安定” になると、磁力線があちこちでグラグラと乱れるようになります。

特定の場所での “磁気の向き” や “強さ” が時間とともに大きく変化するので、”航海用の磁気コンパスが場所によってズレたり”、”地下鉄などで磁場が乱れて誤作動が増えたり…” といった、”小さな異変” が報告されやすくなるんですね。

確定的な前兆とは言えないものの、ポールシフトの前兆・予兆と注目されています。

 

上記の3点以外でも、ポールシフトの前兆・予兆として、”環境の激変” や、”地震・火山噴火” の増加などがあげられることもあり、異常気象や災害が頻発すると、SNSで「ポールシフトが起きるのでは…」という不安の声があがることが少なくありません。

ただ、上記の3点と比べると、前兆としての “科学的な根拠は少ない” 都市伝説と言う専門家もいます。

先述の通り、ポールシフトは次にいつ起きるのか、具体的な日時を予想することは難しいので、過度に不安を煽る声に翻弄されすぎないよう注意してください。

ポールシフトが起こると何が起こるのか?

「ポールシフトが起きたら、地球はどうなってしまうのか…」と、怖いイメージを持っている人は多いでしょう。

インターネット上では、「文明崩壊」「地震や津波が頻発する」といった極端な話も出ていますが、科学的にはそういった “終末的な大災害” が起こるとは考えられていません。

実際に、『ポールシフト』が起きた場合に想定される影響として、下記の4つが考えられます。

影響1. 日常生活で一番影響が出るのは「通信」と「衛星」

“地球の磁場” は、太陽から降り注ぐ有害な放射線(太陽風や宇宙線)をブロックする “バリアのような役割” を果たしています。

ポールシフトによって磁場が弱くなると、このバリア機能も一時的に低下し、人工衛星や通信機器が太陽活動の影響を受けやすくなる可能性があります。

< ポールシフトで磁場が弱くなることで起こりうるトラブル >

⚫︎ GPSが不安定になる
⚫︎ 航空機の通信障害が増える
⚫︎ 衛星が故障しやすくなる など。

とくに、”宇宙空間” や高高度を飛ぶ “航空機”、”人工衛星”、”軍事・通信インフラ” などには注意が必要です。

影響2.「コンパス」や「航海」の仕組みが変わる可能性あり

“方位磁石(コンパス)” は、地球の磁場をもとに方向を示しているので、ポールシフトで磁極が入れ替わると、「北」が「南」に、「南」が「北」に変わってしまいます。

ポールシフト』によって、”ナビゲーションシステムの調整が必要” になる可能性があるんですね。

ただ、『ポールシフト』は、何十年〜何千年かけてゆっくり変わるので、技術的には十分対応可能だと言えるでしょう。

影響3.「オーロラ」が見える地域が変わる

オーロラ

ポールシフト』で、”磁場が変化” することで、”オーロラが出現する場所(オーロラ帯)が変わる” と考えられています。

現在は、”北極圏” や “南極圏” で見られるオーロラが、”もっと南(または北)の地域” で見られるようになる可能性があるんですね。

オーロラ好きの人にとっては、少し楽しみな変化かもしれません。

影響4.「動物」の移動パターンが変わる可能性

“渡り鳥” や “クジラ” など、一部の動物は、”地球の磁場を頼りに移動の方向を判断” していることがわかっています。

ポールシフト』で、”磁極が変化” すると、磁場を頼りに移動する方向を決めていた動物たちの移動パターンに、混乱が生じる可能性があるんですね。

ただ、”過去のポールシフトでも動物は絶滅していない” ので、一時的な混乱にはなっても、最終的には環境に適応していくだろうと予想されています。

補足:地球規模の災害は起こらない

一部で、「ポールシフト=地震・津波・火山噴火の連発」といった説が流れていますが、これらは科学的な根拠がない “都市伝説” のようなものと考えられています。

ポールシフトはあくまで地磁気の反転で、“地殻変動” や “気候変動” との直接的な関係は確認されていません

過度に不安を煽る声に、振り回されることがないように、気をつけておくと良いでしょう。

ポールシフトは「いつか起きる自然現象」

このように、『ポールシフト』という言葉を聞くと、どこかSF映画のような “地球の危機” を想像してしまいがちです。

しかし、実際には、『ポールシフトは地球が何十万年という長い時間の中で繰り返してきた、ごく自然な現象のひとつにすぎません。

たしかに、現代の私たちが生きているスパンでポールシフトが起こる可能性が高いとは言えないものの、”地磁気の変化” や “磁極の移動” といった、”ポールシフトの前兆” のような動きは観測され始めているのは事実です。

でも、ポールシフトが直ちに地球規模の災害をもたらすというわけではなく、起こったとしてもゆっくりと進行し、私たちがその変化に対応していく時間は十分にあると考えられています。

重要なのは、恐れることではなく、科学的に正しい情報を知っておくこと。そして、変化に対する柔軟な思考を持つことです。

ポールシフトを通して、地球や科学について改めて関心を持つことは、未来を生きる私たちにとって大切な備えのひとつかもしれません。

「心配で夜眠れそうにない…」という人は、この機会に、科学的な根拠に基づいたポールシフトの文献・論文を読んでみると良いでしょう。

 

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