スマートロックは本当に安全?知っておきたい危険性と対策

近年、スマートフォンで手軽に解錠・施錠できるスマートロックが普及しています。物理的な鍵を持ち歩く必要がなく、スマホ一つで家のカギを開け閉めできる利便性から、一人暮らしの女性や共働き世帯を中心に人気が高まっています。

しかし、その利便性と引き換えに、スマートロックはセキュリティ面での懸念も浮上しています。スマートロックは、従来の物理的な鍵とは異なる仕組みで動作するため、新たなセキュリティリスクが存在するのです。この記事では、スマートロックの導入を検討する上で知っておくべき危険性と、安心して利用するための対策について詳しく解説します。

スマートロックの危険性とは

スマーフォンを操作する様子

スマートロックの利用には以下のような危険性が潜んでいます。

ハッキングのリスク:あなたの家が狙われる!?

スマートロックは、インターネットやBluetoothなどの無線通信を利用して操作するため、サイバー攻撃の標的となる可能性があります。悪意のあるハッカーによって、スマートロックのシステムに侵入され、不正に解錠される恐れがあり、またスマートフォンに保存されている個人情報やスマートロックの操作履歴などが盗み取られるかもしれないので注意が必要です。

とくにBluetooth接続型のスマートロックやクラウドの管理システムに脆弱性があると標的になりやすいといわれています。

ハッキングの具体的な手口

  • ブルートフォース攻撃(総当たり攻撃): パスワードを一つずつ試していく方法で、単純なパスワードを設定している場合、比較的簡単に突破されてしまいます。
  • リプレイ攻撃: スマートロックとスマートフォン間の通信を傍受し、記録した通信データを再送信することで、不正に解錠を試みる攻撃です。
  • 中間者攻撃(MITM攻撃): スマートロックとスマートフォン間の通信経路に侵入し、通信内容を盗聴したり、改ざんしたりする攻撃です。
  • 脆弱性攻撃: スマートロックのソフトウェアやファームウェアの脆弱性を突いて、不正に解錠を試みる攻撃です。メーカーがセキュリティアップデートを提供していない古い製品は特に注意が必要です。

通信障害のリスク:もしもスマホが圏外になったら…?

スマートロックは、スマートフォンとのWi-FiやBluetooth通信によって解錠・施錠を行います。そのため、通信環境が悪かったり、システムに障害が発生したりすると、ドアが開かなくなる可能性があります。外出中にネットワーク障害などが発生した場合、家に入れなくなるという事態も考えられます。

通信障害は、スマートロックのサーバーの問題、スマートフォンの電波状況、あるいは一時的なネットワークの不具合など、様々な要因で発生する可能性があります。

特に、Wi-Fi接続のスマートロックは、自宅のWi-Fi環境に依存するので注意が必要です。Wi-Fiルーターの故障や停電などでWi-Fiが利用できなくなると、スマートロックも使用できなくなる可能性があります。

電池切れのリスク:外出中に電池が切れたら…

スマートロックは電池で動作するため、電池切れになると機能しなくなります。電池が切れると普通の鍵のように使えなくなり、締め出されてしまう可能性があります。特に、外出中に電池が切れた場合は、大変な不便を強いられることになります。

電池切れの対策としては、定期的な電池交換はもちろん、電池残量低下を通知する機能があるスマートロックを選ぶことも有効です。また、一部のスマートロックには、外部から給電できる緊急用の端子が搭載されているものもあります。

オートロックによる締め出しリスク:うっかり鍵を忘れて…

オートロック機能は、鍵の閉め忘れを防ぐ便利な機能ですが、同時に締め出されるリスクも伴います。スマートフォンや鍵を持たずに部屋を出てしまい、オートロックが作動すると、家に入ることができなくなります。外出中にスマホの充電が切れたり、紛失したりした場合も同様です。

オートロックによる締め出しを防ぐためには、暗証番号や指紋認証など、複数の解錠オプションを用意しておくことが有効。またオートロックまでの時間を長めに設定したり、特定の時間帯はオートロックを無効にしたり、オートロックの設定を見直すのも良いでしょう。

物理的な破損のリスク:スマートロックが壊れたら…?

スマートロック本体が物理的に破壊されると、正常に動作しなくなる可能性があります。賃貸物件でよく使われる両面テープ型のスマートロックは、テープの粘着が弱まって落下してしまうこともあり、注意が必要です。また、火災や水害などの災害時にも、スマートロックが正常に動作するとは限りません。

物理的な破壊を防ぐためには、堅牢な設計のスマートロックを選ぶことが重要です。金属製の筐体や、耐衝撃性・耐水性に優れた素材で作られた製品を選ぶようにしましょう。また、設置場所も考慮し、落下や衝撃を受けにくい場所に設置することも大切です。

スマートロックの危険性に備える対策

スマートロックの危険性を軽減するための対策として、以下のポイントが挙げられます。

セキュリティ性の高い製品を選ぶ

セキュリティ対策として、多要素認証に対応しているか、自動ロック機能や不正アクセス検知機能が搭載されているか、こまめなファームウェアアップデートが行われているかなどを確認しましょう。信頼できるメーカーの製品を選び、セキュリティに関する情報公開や第三者機関による評価などを参考に、安全性が確認されている製品を選ぶことも重要です。

例えば、AkerunCANDY HOUSEなどのスマートロックは、堅牢なセキュリティ対策が施されており、安心して利用できます。

パスワードを定期的に変更する

推測されにくい複雑なパスワードを設定し、定期的に変更することで、セキュリティを強化できます。パスワードを使い回したり、簡単なパスワードを設定したりするのは避けましょう。また、パスワードの漏洩を防ぐために、安全な方法でパスワードを管理することも大切です。

スマートフォンのセキュリティ対策

スマートロックはスマートフォンと連携して動作するため、スマートフォンのセキュリティ対策も重要です。万が一、スマートフォンが盗難・紛失した場合にスマートロックを不正に操作されないよう、OSやアプリを常に最新の状態に保ち、セキュリティソフトを導入しましょう。また、スマートロックのアプリにパスワードを設定し、画面ロックを設定しておくことも大切です。

電池残量をこまめに確認する

電池切れによるトラブルを防ぐため、スマートロックの電池残量をこまめに確認し、必要に応じて交換しましょう。多くのスマートロックは、電池残量が少なくなるとスマートフォンに通知する機能を備えています。

複数の解錠オプションを確保しておく

スマートフォンが手元になくても解錠できるように、暗証番号や指紋認証、物理キーなど、他の解錠方法も使えると便利です。万が一スマートフォンを紛失したり、電池切れになったりした場合でも、家に入ることができます。

物理的なセキュリティ対策も併用する

スマートロックだけでなく、補助錠や防犯カメラなど、他のセキュリティ対策も併用することで、より強固なセキュリティ対策を実現できます。特に、賃貸住宅などでスマートロックの取り付けに制限がある場合は、補助錠の併用が有効です。窓の防犯対策や、センサーライトの設置なども検討しましょう。

スマートロックの安全性が高いといえる理由

ここまでスマートロックの危険性を紹介してきましたが、過度に心配する必要はありません。以下のような理由から、基本的にスマートロックは安全です。

強固なAES暗号が採用されている

多くのスマートロックは、Bluetooth通信において強固なAES暗号化を採用しており、アプリのコードも難読化されているため、セキュリティ対策が施されています。AES暗号は、米国政府も採用している高度な暗号化技術であり、解読が非常に困難であることから、スマートロックの通信データの安全性を確保しています。

スマートロックのハッキングはコスパが悪い

スマートロックのハッキングは、技術的には可能かもしれませんが、実際にはあまり行われていません。その理由の一つとして、実行のコスパがあまり良くないからです。

空き巣は、一般的に無施錠や鍵の閉め忘れを狙うことが多く、玄関の前で長くとどまることを好みません。スマートロックをハッキングするよりも、他の侵入経路を探す方が効率的であると考えられます。

またBluetooth型のスマートロックをハッキングするには、スマホで通電する瞬間に近くにいないといけません。不審な動きに気づかれる可能性があり、攻撃者にとってリスクが高いといえます。

加えて、ピッキングによって不正に解錠されるリスクは、スマートロックも従来型の鍵でも変わりません。

安全性の高いスマートロックの特徴

安全性を考えてスマートロックを選ぶ際は、以下のポイントを意識しましょう。

堅牢な設計

安全性の高いスマートロックは、堅牢な設計が重要です。耐衝撃性や耐水性に優れた素材を使用し、物理的な破壊に対して強い設計になっているものを選びましょう。例えば、金属製の筐体や、IP65以上の防水・防塵性能を備えた製品は、外部からの衝撃や水濡れに強く、安心して利用できます。

また、スマートロックは、玄関ドアという家の入り口を守る重要な役割を担っているため、物理的な強度も重要な要素です。頑丈な素材で作られているだけでなく、ピッキング対策として不正な解錠を防ぐための工夫が施されているかどうかも確認しましょう。例えば、サムターン回し対策として、サムターンを覆うカバーや、サムターンをロックする機構が搭載されている製品もあります。

高度な暗号化技術

スマートロックは、無線通信を利用して鍵の開け閉めを行うため、通信データが盗聴・改ざんされるリスクがあります。安全性の高いスマートロックは、AES256bit暗号化などの強固な暗号化方式を採用しており、通信データの安全性を確保しています。

暗号化技術は、スマートロックのセキュリティにおいて非常に重要な要素です。データの暗号化だけでなく、通信経路の暗号化も考慮されている製品を選びましょう。また、暗号化方式が古く、脆弱性が指摘されているものは避けるべきです。

信頼性の高いメーカー

スマートロックは、セキュリティに関わる製品であるため、信頼性の高いメーカーの製品を選ぶことが重要です。長年の実績があり、セキュリティ対策に力を入れているメーカーの製品を選びましょう。セキュリティに関する情報公開や第三者機関による評価などを参考に、安全性が確認されている製品を選ぶことも重要です。例えば、SwitchBotやQrio、SADIOT LOCK、法人向けはAkerunなどが有名です。

信頼できるメーカーは、セキュリティに関する情報を積極的に公開しており、脆弱性が見つかった場合にも迅速に対応してくれます。また、ユーザーサポート体制が充実していることも、安心して製品を利用できるポイントです。

充実したサポート体制

万が一トラブルが発生した場合でも、迅速に対応してくれるサポート体制が整っていることも重要です。電話やメール、チャットなど、複数の問い合わせ方法があると安心です。また、製品の保証期間や修理対応についても確認しておきましょう。

スマートロックは、私たちの生活に密接に関わる製品であるため、トラブルが発生した際の対応が迅速かつ丁寧であることが求められます。サポート体制が充実しているメーカーであれば、安心して製品を利用することができます。

複数の解錠方式に対応

スマートフォンだけでなく、ICカードや物理キー、生体認証など、複数の解錠方法に対応していることで、利便性とセキュリティを高めることができます。例えば、スマートフォンを紛失した場合でも、指紋認証や暗証番号で解錠できる製品を選ぶと良いでしょう。

複数の解錠方式に対応しているスマートロックは、万が一のトラブル時にも柔軟に対応できるため、利便性が高いです。例えば、スマートフォンを紛失した場合でも、他の方法で解錠できるため、締め出される心配がありません。また、家族や友人など、複数人で利用する場合にも、それぞれのライフスタイルに合わせた解錠方法を選択できます。

履歴管理機能

過去の解錠・施錠履歴を記録・確認できる機能があると、不正アクセスの早期発見や、家族の帰宅確認などに役立ちます。誰がいつ解錠・施錠したのかを確認できるため、セキュリティ管理を徹底することができます。

履歴管理機能は、スマートロックのセキュリティを高めるだけでなく、家族の見守りや、不審な行動の早期発見にも役立ちます。例えば、子供が帰宅した時間や、誰かが不正に解錠しようとした形跡などを確認することができます。

安全性の高いスマートロックおすすめ3選

ここでは、安全性の高いスマートロックを3つ紹介します。

1.SwitchBot ロック Pro

SwitchBot ロック Pro

(出典:PR TIMES

SwitchBot ロック Proは、防犯対策に優れたスマートロックの一つ。スマホアプリから遠隔でいつでもドアやロックの状態をチェックできます。指紋認証パッドに銀行並みのセキュリティ性能を誇るAES128ビットの暗号化アルゴリズムが採用されていることも魅力です。

また指紋認証ほか15種類の解錠方式に対応しており、締め出しのリスクが少ないこともメリット。さらに電池の寿命が9〜12ヶ月と長いことに加え、予備のサブバッテリーも搭載されているため、電池切れによるトラブルの危険性も少ないといえます。

SwitchBotスマートロック
created by Rinker

2.SADIOT LOCK 2

SADIOT LOCK 2

(出典:PR TIMES

SADIOT LOCK 2は、セキュリティ対策を重視するスマートロックの一つです。独自のクラウドシステムにより、ユーザの個人情報の徹底した管理やなりすまし防止などに取り組んでいます

また本体はもちろん、オプションの周辺パーツにもセキュリティチップが搭載されており、ハッキングへの防御性が高いことも魅力です。そのほか、電波強度にこだわって作られており、接続不良のリスクが少ないというメリットもあります。

SADIOT LOCK 2
created by Rinker

3.Akerun Pro

Akerun Pro

(出典:PR TIMES

Akerun Proは、企業向けのスマートロックです。高いセキュリティ性能と堅牢性を備えており、オフィスや店舗などに安心して設置できます。スマートフォンアプリやICカードで解錠できるだけでなく、顔認証や指紋認証にも対応しています。

Akerun Proは、堅牢なクラウド環境でデータを管理し、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証とPマークを取得するのにもおすすめです。不正アクセス検知機能や遠隔ロック機能など、高度なセキュリティ対策を備えており、業務レベルのセキュリティニーズに応えます。

スマートロックの危険性に備えよう

スマートロックは、生活を便利にする一方で、セキュリティ面でのリスクも存在します。しかし、安全性の高い製品を選び、適切な対策を講じることで、安心して利用することができます。スマートロックの導入を検討する際は、この記事で紹介したポイントを参考に、安全性と利便性のバランスを考慮して製品を選びましょう。

また、スマートロックの利用にあたっては、以下の点にも注意が必要です。

  • 利用規約をよく確認する: スマートロックの利用規約には、セキュリティに関する重要な情報が記載されている場合があります。必ず利用規約をよく確認し、理解した上で利用しましょう。
  • 個人情報の取り扱い: スマートロックは、解錠・施錠の履歴などの個人情報を収集する場合があります。個人情報の取り扱いについてもしっかりと確認し、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
  • 定期的なメンテナンス: スマートロックは、定期的なメンテナンスが必要です。電池交換やソフトウェアのアップデートなど、メーカーの指示に従ってメンテナンスを行いましょう。

スマートロックは、正しく利用すれば、私たちの生活をより便利で安全なものにしてくれるでしょう。この記事を参考に、安全なスマートロック選びと、適切なセキュリティ対策を実践してください。


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