UQモバイルの料金値上げとWiMAXへの影響は?各社の動向を解説

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高速インターネット通信サービスは、私たちの生活において不可欠なインフラとなっています。そんな中、楽天モバイルのAST SpaceMobileやKDDIのau Starlink Directといった新たな衛星通信サービスが注目を集め、一方で既存のUQ mobileやWiMAX+5Gといったサービスでは料金改定の動きが見られます。特に、UQ mobileでは2025年に料金プランが大きく変化し、WiMAX+5Gサービスも値上げが発表されました。今回は、UQ mobileとWiMAXの最新の料金改定について、その詳細と背景、そして私たちの通信環境に与える影響について詳しく解説していきます。

UQ mobileとは?その特徴と強み

UQ mobileは、KDDIが提供する格安スマートフォンサービスです。元々はMVNO(仮想移動体通信事業者)として運営されていましたが、2020年10月1日からはauと同じKDDIの直接的な運営となり、auの安定した高品質な回線をお得な料金で利用できる点が大きな強みです。データ繰り越しサービスや、速度制限後も最大1Mbpsの通信速度が維持されるなど、利便性の高い特徴を持っています。また、auの通信回線は繋がりやすさで高い評価を得ています。

UQ mobileの料金改定:2025年6月の新プランと11月の値上げ

UQ mobileの料金プランは2025年に大きく改定されました。ここでは、2025年6月に導入された新プランと、2025年11月に予定されている既存プランの値上げについて分けて見ていきましょう。

2025年6月:新プラン「コミコミプランバリュー」「トクトクプラン2」の登場と「改悪」の声

UQ mobile コミコミプランバリュー、トクトクプラン2

(出典:UQ mobile

2025年6月より、UQ mobileの主要料金プランは「コミコミプランバリュー」と「トクトクプラン2」の2つに集約されました。

コミコミプランバリュー

コミコミプランバリューは、月間データ容量が35GBで、10分以内の国内通話かけ放題が含まれています。月額料金は3,828円となり、以前の「コミコミプランプラス」よりもデータ容量は増えたものの、料金は値上がりしています。このプランには、月額548円相当の「Pontaパス」や、対象サービスの利用でPontaポイントが還元される「サブスクプラスポイント」が含まれます。

トクトクプラン2

トクトクプラン2は、データ使用量に応じて料金が変わる2段階性のプランです。割引適用時は5GBまで月額1,628円、30GBまで月額2,728円となります。しかし、割引が適用されない場合、5GBまでで月額2,948円、30GBまでで月額4,048円となり、特に小容量帯では旧「ミニミニプラン」(4GBまで1,078円)と比較して大幅な値上げとなっています。

この新プラン導入に伴い、小容量ユーザーに人気だった「ミニミニプラン」が廃止され、データ消費を抑える「節約モード」も姿を消しました。これにより、特に少量のデータしか使わないユーザーにとっては、実質的な「改悪」と受け止められています。新プランは、対面サポートやau経済圏のサービスを活用するユーザーを優遇する設計となっており、料金の安さだけを求める格安SIMとは異なる立ち位置を明確にしました。

2025年11月:既存プランの月額料金改定とデータ増量

2025年11月1日(土)UQ mobileの料金プランが変わります。

(出典:UQ mobile

UQ mobileは、物価高騰に伴う各種費用の上昇を受け、2025年11月1日から既存の料金プランの月額料金を改定すると発表しました。この改定は手続き不要で、現在対象プランを利用中のお客さまに自動的に適用されます。

  • 「コミコミプラン+」「コミコミプラン」「トクトクプラン」「くりこしプランM +5G」「くりこしプランL +5G」は、月額料金が220円値上げされ、月間データ容量が2GB増量されます。
  • 「ミニミニプラン」「くりこしプランS +5G」は、月額料金が110円値上げされ、月間データ容量が1GB増量されます。
  • なお、2025年6月から提供されている新プラン「コミコミプランバリュー」と「トクトクプラン2」は今回の値上げの対象外です。

今回の値上げは、新プランの導入によって上がった料金水準に、既存プランも合わせていくような印象を与えます。

料金だけでなくサービス内容も変化?

料金の値上げやデータ容量の増量だけでなく、UQ mobileのサービス内容にも変化が見られます。

  • 改定後は、通常月額1,650円の「au Starlink Direct専用プラン」を月額550円で利用できるようになります
  • 「au PAY カードお支払い割」の割引額が以前の187円から220円に引き上げられ、au経済圏の利用がより重要視されるようになりました。

au Starlink Direct専用プランとは?衛星通信の可能性

au Starlink Direct 登場

(出典:au

au Starlink Direct」は、KDDIとスペースX社が共同で提供する衛星通信サービスです。このサービスにより、au 5G/4G LTEの電波が届かない場所でも、屋外で空が見える状況であれば、スマートフォンと直接衛星が通信できるようになります。

現状では、テキストメッセージの送受信、現在地の位置情報共有、AndroidスマートフォンでのGoogle Geminiによる調べ物、緊急地震速報や津波警報、国民保護情報(Jアラート)の受信などが可能です。音声通話や画像、動画の送受信はできません。ただし、KDDIは2025年夏以降にデータ通信への対応を予定しており、将来的には音声通話も可能になる見込みです。

対応機種はiPhone 14シリーズ以降、Google Pixel 9シリーズ、一部のGalaxyやXperia、AQUOSなどの比較的新しい機種に限定されています。UQ mobileユーザーは、2025年11月1日からすべての料金プランで、この「au Starlink Direct専用プラン」を通常料金の1,650円から割引された月額550円で利用できるようになります。これは、登山や海上など電波が届きにくい場所での連絡手段として、大きなメリットをもたらすでしょう。

WiMAX+5Gも値上げへ?各プロバイダへの影響は?

2025年12月1日(月)よりUQ WiMAXの料金プランが変わります。

(出典:UQ WiMAX

UQコミュニケーションズは、UQ mobileと同様に物価高騰に伴う各種費用の増加を受け、2025年12月1日からWiMAX +5GサービスとWiMAX 2+サービスの月額料金を改定すると発表しました。

  • WiMAX +5Gの主な料金プラン(ギガ放題プラスS、ギガ放題プラス モバイルルータープラン、ギガ放題プラス ホームルータープランなど)は、月額330円の値上げとなります。
  • WiMAX 2+の「ギガ放題」プランも同様に月額330円の値上げです。
  • 2025年8月31日以前に申し込みされた方には、「WiMAX +5G割」の割引額が増額される措置が取られます。

WiMAX+5Gは、au 5G・au 4G LTE・WiMAX2+の3回線に対応し、月間のデータ容量が無制限で利用できる高速インターネットサービスとして人気があります。特に、最新ルーターの「Speed Wi-Fi DOCK 5G 01」は、付属のドックを使用することで有線接続が可能になり、光回線に匹敵する速度(下り最大430Mbps、上り最大100Mbps)を記録しています。

WiMAX+5Gは多くのプロバイダから提供されていますが、その中でも「売り切れごめんWi-Fi」は、月間データ容量が無制限で利用でき、通常27,720円かかるWiMAX+5Gの人気最新端末が0円で利用できることから、業界最安級と謳われています。レンタルサービスであるため契約期間中も端末が無料で利用可能であり、工事不要で最短翌日から利用開始できるという手軽さも魅力です。また、「縛りなしプラン」を選べば契約解除手数料がかからないため、利用期間を気にせず契約したいユーザーにも適しています。下り最大4.2Gbpsの高速通信で動画視聴やオンラインゲームも快適に楽しめるため、快適なインターネット環境を求める方にとって注目すべき選択肢となるでしょう。

> 売り切れごめんWi-Fi 公式サイトはこちら

UQコミュニケーションズが直接値上げを発表しましたが、他のWiMAX+5Gプロバイダも同様に料金を改定する可能性が高いと考えられます。現時点では個別の発表はありませんが、物価高騰を理由とした通信料金の値上げは業界全体の傾向となっています。

通信料金の現状と今後の動向

今回のUQ mobileやWiMAXの料金改定は、昨今の物価高騰を考えると避けられない流れなのかもしれません。しかし、UQ mobileがミニミニプランの廃止や節約モードの終了、新プランの高価格化によって、かつての「格安スマホ」という印象から遠ざかりつつあることは否めません。

UQ mobileやUQ WiMAXに限らず、NTTドコモやソフトバンクなど、他の主要キャリアも料金プランや事務手数料の値上げを実施、または発表しています。この傾向は今後も続き、まだ値上げを発表していない事業者も同様の動きを見せる可能性が高いでしょう。

ユーザーにとっては、通信費の負担が増えることになりますが、その一方で、au Starlink Directのような新たなサービスが提供されたり、WiMAX+5Gの通信品質が向上したりするなど、提供される価値も変化しています。今後は、単純な料金の安さだけでなく、自身がどのようなサービスを必要としているのか、そしてそのサービスが提供する付加価値が料金に見合うものなのかを総合的に判断することが重要になるでしょう。

rakuraku-売り切れごめんwifi