ゲームに多様性はいらない?ポリコレがうざい・つまらないと言われる理由

ポリコレ

最近、ゲーム業界では『多様性DEI/Diversity, Equity & Inclusion)』が大きなテーマとなっています。

人種や国籍、障がい、宗教などに対する様々な “差別表現” を避け、”中立的な表現を使う” ことを目的とした取り組み・対策のことを指す『ポリコレ』という言葉も浸透しました。

ゲーム好きの人なら、一度は、『ポリコレ』『DEI』といったワードを聞いたことがあるという人が多いのではないでしょうか。

多様性』への取り組みというと、良いことのように聞こえます。

でも、多様性を気にするあまり、日本の戦国時代を舞台にしたゲームの主人公を黒人に設定したり、もともと美人だった主人公のキャラクターを過度に劣悪に描いたり、ゲーム後半で不可解な同性愛設定を登場させたり…など、ゲームが面白くなくなってしまうと指摘する声も増えている状況です。

X(旧Twitter)などのSNSでは、「ポリコレがうざい」「ゲームに多様性はいらない」といったコメントが多く見られるようになってきました。

そこで今回は、ゲームにおいて『多様性(DEI)』や『ポリコレ』がいらないと言われる理由や、『多様性(DEI)』や『ポリコレ』がゲームをつまらなくさせてしまう要因などについてお伝えします。

ゲームに多様性はいらない? ポリコレはいつから?

ゲーム業界はここ数年、『多様性DEI/Diversity, Equity & Inclusion)』の実現に向けて大きな進化を遂げています。

以前は、”プレイヤーの多様な背景・文化を反映” したキャラクター・ストーリーが少なく、多くの作品が “特定の人種や性別” に偏っていました。

たとえば、バトル系ゲームの主人公は男性が多く、ヒロインで登場する女性は白人で美人のキャラが多いなど、業界全体として、キャラクター設定やストーリー設計に、一定の偏りはあったんですね。

でも、2010年代後半〜2020年代にかけて、人種・国籍・障がい・宗教などに対する “差別表現” を避け、”中立的な表現を使う” ことを目的とした『ポリコレ』という取り組み・対策が、欧米のゲームを中心に反映されるようになります。

多様性を取り入れたゲームの事例

下記は、『多様性DEI/Diversity, Equity & Inclusion)』の実現、『ポリコレ』の考え方を取り入れたゲームの一例です。

「多様性を重視した」と言っても、各ゲームごとに多様性の取り入れ方は違っています。

ゲームタイトル 発売年 取り入れた多様性の特徴
Life is Strange
(ライフ イズ ストレンジ)
2015年 社会問題や個人のアイデンティティをテーマにしたストーリーが展開。多様性を意識した設計
Assassin’s Creed: Odyssey(アサシン クリード オデッセイ) 2018年 性別選択と、同性間の恋愛を含むロマンスオプションがある
The Last of Us Part II
(ザ・ラスト・オブ・アス パートII)
2020年 LGBTQ+のキャラクターが主要な役割を果たし、個別のストーリーが深く描かれる
Overwatch2
(オーバーウォッチ2)
2022年 異なる人種、性別、能力を持つキャラクターが登場。多様性を支持するバックストーリー
Horizon Forbidden West
(ホライゾン フォビドゥン ウェスト)
2022年 主人公アーロイの容姿が可愛くないと炎上。DLC(ダウンロードコンテンツ)で配信された女性の新キャラとアーロイとの 女性同士のキスシーン が登場したことで再炎上
Assassin’s Creed Shadows
(アサシン クリード シャドウズ)
2025年 日本の安土桃山時代を舞台にしたゲームなのに、黒人の弥助を主人公にし、「史実に忠実なゲーム」とPRして炎上

多様性やポリコレを重視したあまり、炎上してしまうゲームがある一方で、『Overwatch2(オーバーウォッチ2)』は、シューティングゲームとして多くのストリーマーから評価されているゲームもあります。

結局は、ゲームそのものに多様性がいらないとされるのではなく、過度な多様性(DEI)・ポリコレ重視” によって、いらない要素が追加されたり、不自然なビジュアル・ストーリーになったりと、ゲームの魅力が損なわれていると感じられる作品に対して、批判の声が集まっていると言えます。

多様性がいらないとされる理由

ゲームに多様性がいらないとされる理由は、おもに “ゲームデザイン” や “プレイヤー体験” における問題点に起因しています。

おもな理由は、下記の2つです。

理由1.「ゲーム性」に影響を与えるから

多様性DEI)』や『ポリコレ』の理念を取り入れると、より “広範なプレイヤー層” にゲームの魅力を届けられると言われています。

でも一方で、“過度な配慮” が、”ゲームのストーリー性” や “キャラクターの個性” を損なう可能性もあるのです。

たとえば、”歴史的背景” を重視したゲームに、”現代の価値観を無理に適用” すると、リアリティや没入感が失われてしまいます。

プレイヤーが ゲーム に求めているのは、”面白さ” や “エンターテインメント” です。

ポリコレが優先されすぎると、”ゲームの本質的な楽しさ” が犠牲になるのではと危惧されているんですね。

理由2. ストーリーの「一貫性」が失われるから

ゲームに多様性がいらないとされる理由として、“ストーリーの一貫性が失われる” という点も指摘されるポイントです。

過去に、「過度なポリコレ」として炎上したゲームの多くは、“多様性の要素” が “物語の核心と直接関係のない” ケースが多く、プレイヤーが不自然に感じ、突然、ゲームの世界観から引き離されてしまったことに対する不満・批判の声が多い傾向があります。

プレイヤーは、”リアル” で “魅力的” なキャラクターや、深いストーリーに感情移入します。

突如として始まる、多様性・ポリコレのための “薄い表現” は、逆に「そんな要素はいらない」という反発の声を引き起こす要因になってきたのです。

多様性とゲーム業界の方向性に注目

このように、ゲームにおける『多様性DEI)』や『ポリコレの取り入れ方に関しては、さまざまな意見があります。

過去に、”過度なポリコレ” と思われるキャラクター設計・ストーリー展開に不自然さやつまらなさを感じたユーザーからは、「ゲームに多様性・ポリコレはいらない」という意見も出ていて、今後、どのように共存をしていくのか注目が集まっています。

たびたび批判の的になる『多様性DEI)』や『ポリコレ』ですが、考え方や取り組みを進めること自体に非難の声を上げるプレイヤーは少なく、あくまで “過度” な演出により、ゲームの面白さ・世界観が壊れてしまうことに対する反発が多いのが実情です。

多様性・ポリコレの要素をどう取り入れるかは、ゲーム開発者たちの大きな課題となっていくでしょう。

今後のゲーム業界の流れにも、注目です!

 

rakuraku-売り切れごめんwifi