生成AIパスポートの難易度は?合格率や勉強時間などから難しさを解説

生成AIパスポートは、話題のChatGPTなど生成AIの基本的な知識を習得できる資格試験です。気軽に受験できる初級の試験なので、AIに興味のある方、生成AIのスキルをキャリアに生かしたい方などは、受験を検討してみましょう。

この記事では、そんな生成AIパスポートの難易度について、試験内容や合格率、勉強時間などを踏まえて解説します。おすすめの勉強法も紹介するのでぜひ参考にしてください。

生成AIパスポートとは

AIイメージ

生成AIパスポートとは、生成AIについての基本的な知識やスキルの習得を確かめる認定試験および民間資格です。一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が運営しています。

生成AIパスポートでは、文章生成AIのChatGPTなどを用いたコンテンツ作成の方法や事例などに関する出題がなされます。そのほか、個人情報や著作権、商用利用など、企業のコンプライアンスに関わる注意点も学習可能です。

生成AIパスポートは、キャリアアップや転職を有利に進めたい人、生成AIをビジネスに活用したい人などに向いています。

生成AIパスポートがおすすめである人の特徴

  • ChatGPTを勉強したい
  • キャリアアップのための資格が欲しい
  • エンジニア職に転職したい
  • 生成AIを業務効率化に生かしたい
  • 新しいアイデアを生み出したい
  • AIを使ってコンテンツ制作がしてみたい
  • 生成AIを扱える人材を社内で育成したい

生成AIパスポートの基本情報

名称 生成AIパスポート試験
試験形式 オンライン(IBT方式※)
出題形式 四肢択一式
試験時間 60分
問題数 60問
出題内容 1. AI(人工知能)

2. 生成AI(ジェネレーティブAI)

3. 現在䛾生成AI(ジェネレーティブAI)の動向

4. 情報リテラシー・基本理念とAI社会原則

5. テキスト生成AI䛾プロンプト制作と実例

受験費用 11,000円(税込)
受験資格 なし(学歴、年齢、実務経験などを問わず誰でも)

※IBT:「Internet Based Testing」の略。インターネット上の試験やeラーニングのこと。

生成AIパスポートの難易度は易しめ

総合的に判断して、生成AIパスポートの難易度はかなり易しめです。試験内容は基本的であり、合格率も非常に高いため、生成AIの初心者を含めて問題なく合格できる試験といえるでしょう。

他のIT系資格に比べて合格に必要な勉強時間・期間も短いので、短期間で手軽に取得できる資格をお探しの方にもおすすめです。

生成AIパスポート試験は自宅でオンライン受験できるため、仕事が忙しい方はもちろん、育児や家事のある方もチャレンジできます。試験時間は60分、問題数60問とコンパクトな試験なので、気軽に挑戦してみましょう。

G検定との難易度比較

同じAI関連の資格であるG検定と比較しても、生成AIパスポートの難易度は低いです。G検定と生成AIパスポートの両方を受験する場合は、まず生成AIパスポートから受けると学習がスムーズでしょう。

・生成AIパスポートとG検定の比較

生成AIパスポート G検定
難易度 かなり易しめ 易しめ
受験資格 制限なし 制限なし
試験内容 AI・生成AI ディープラーニング・AI・機械学習・数理統計
試験形式 オンライン(IBT方式) オンライン実施(自宅受験)
出題形式 四肢選択式 多肢選択式
試験時間 60分 120分
問題数 60問 200問
合格率 約75% 約65%
勉強時間 10時間/2週間 30〜40時間/1ヵ月

ちなみにG検定(ジェネラリスト検定)とは、AI開発に欠かせないディープラーニングの基礎知識や活用スキルを問う検定試験・民間資格です。一般社団法人日本ディープラーニング協会が運営する試験です。

G検定に合格することで事業に活かせるディープラーニングの能力や知識を習得、証明できます。ChatGPTほか生成AIのスキルが学べる生成AIパスポートと合わせて取得すれば、AI・生成AI関連の基礎知識をがっちり固められるでしょう。

生成AIパスポートの試験内容

生成AIパスポートでは、AI・生成AIの基礎知識や現在の動向、取り扱いの注意点、実践的な活用スキルについて問われます。

専門的ではあるものの、基本的な内容が中心なので、試験内容の難易度はそれほど高くないといえます。その上、出題形式が四肢択一式なので、十分に勉強して臨めば、大半の問題には問題なく正答できるでしょう。

生成AIパスポートの試験内容(シラバス)は以下の通りです。

生成AIパスポートのシラバス

大項目 中項目 内容
第1章

AI(人工知能)

AI(人工知能)の定義 AIの定義をはじめ、AIの基本的な概要を理解
AIに知能をもたらす仕組み AIが機能するための要素とその仕組みを理解
AIの種類 実際に生活で利用されるAIの種類を理解
AIの歴史 AIの誕生から現在までの歴史を学習
シンギュラリティ(技術的特異点) シンギュラリティーの基本的な概念を学習
第2章

生成AI(ジェネレーティブAI)

生成AI(ジェネレーティブAI)と䛿 現在までに登場した生成モデルの種類と手法を学習
ChatGPT テキスト生成AI「ChatGPT」の仕組みや歴史、性能を学習、理解
第3章

現在の生成AI(ジェネレーティブAI)の動向

生成AIが出来ることと主なサービス 生成AIの活用で実現できる生成物を理解
ディープフェイク(深層偽造)技術 ディープフェイク(深層偽造)の危険性を理解
第4章

情報リテラシー・基本理念とAI社会原則

インターネットリテラシー インターネットを適切に利用するために必要のあるスキルを理解
セキュリティとプライバシー インターネット利用に潜むリスクや危険性を理解した上で、生成AIの利活用に生かす
個人情報保護の観点 生成AIに関連する個人情報の取り扱いの注意点を学習
制作物に関わる権利 生成AIに関する法律、AI生成物を生成した人間の権利や責任の所在を学習
AIを取り巻く理念と原則・ガイドライン 日本におけるAI活用に関する社会的な指針(ガイドライン)や遵守すべきAI社会原則を理解
第5章

テキスト生成AIのプロンプト制作と実例

LMとLLM 大規模言語モデルについて理解
プロンプティングの基礎 プロンプトの基礎知識を学習
LLMプロンプティング䛾実践 テキスト生成AIにおける基礎的なプロンプティング技法を学習
テキスト生成AIを用いたビジネス応用 生成AI䛾ビジネス応用を学習
テキスト生成AIの不得意なこと テキスト生成AIの不得意なことについて学習

 

生成AIパスポートの合格率

過去に実施された生成パスポート試験の合格率は75%前後です。

受験資格がなく、誰でも受験できる試験で4人中3人が合格していることになるので、難易度は決して高くないといえます。むしろ生成AIパスポートは簡単と言っても差し支えないでしょう。

生成AIパスポート試験の合格率(過去2回)

合格率 受験者数 合格者数
2023年 第1回 73.71% 1,031名 760名
2024年 第1回 75.08% 1,613名 1,211名


生成AIパスポートの勉強時間

生成AIパスポート試験の合格に必要な勉強時間は約10時間、勉強期間にして2週間ほどと言われています。

平日1日1時間の勉強を2週間継続するだけで合格できる計算になるため、やはり生成AIパスポートの難易度は易しいといえます。

実際、他のIT系資格と比較しても、生成AIパスポートの勉強時間は短めです。よって、合格しやすいIT系資格を探しの方にも、生成AIパスポートはおすすめです。

生成AIパスポートとその他IT系資格の勉強時間(目安)

試験 勉強時間 勉強期間
生成AIパスポート試験 10時間 2週間
G検定(ジェネラリスト検定) 30〜40時間 1ヵ月
ITパスポート試験 100〜150時間 1ヵ月半〜2ヶ月
基本情報技術者試験 200時間 2ヶ月半〜3ヶ月
P検 – ICTプロフィシエンシー検定試験 3級 70時間 1ヵ月半〜2ヶ月
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS) 20〜30時間 1ヵ月
日商PC検定試験 30〜60時間 1ヵ月〜1ヵ月半

 

生成AIパスポートの勉強方法

生成AIパスポートに合格するためにおすすめの勉強法は以下の通りです。

公式テキストを繰り返し読む【必須】

生成AIパスポート試験は簡単な4択の試験なので、公式テキストの内容が十分に頭に入っていれば、基本的には合格できます。よって、試験勉強で最も重要なのは、公式テキストの読み込みです。

知識は繰り返し学習によって定着するため、公式テキストは何度も反復して読むのがおすすめ。試験勉強期間を2週間とすれば、最低でも5周は繰り返し読むのが良いでしょう。

なお、公式テキストは書籍だけでなく、Kindle本・楽天Kobo版も販売されています。通勤・通学中をはじめ、スキマ時間で学習することを想定するなら、電子書籍を購入してスマホやタブレットなどのデバイスで読むのも効率的です。

サンプル問題には目を通しておく

生成AIパスポート試験の公式サイトではサンプル問題が公開されています。公式テキストをある程度読み込んだら、このサンプル問題に目を通し、試験問題の雰囲気を体感しておきましょう。

出題の雰囲気がわかったら、再度公式テキストに戻り、試験問題を予想・想定しながら内容を追っていくのがおすすめです。

不安なら問題集・模擬問題も解く

難易度や出題形式を考えると、生成AIパスポート試験の勉強において問題演習は必須ではありません。公式テキストの内容が十分に理解できており、試験問題を見て正誤が判断できる状態であれば、問題なく合格できるでしょう。

実際、ネットで公開されている合格体験を見れば、公式サイトテキストの読み込みだけで合格している方が多い印象です。そのため、特に受験勉強や資格試験などに慣れている方、テストが得意な方であれば、問題演習は必要ないでしょう。

一方、問題を解かないと不安だ、合格に万全を期したいと言う場合には、主催団体が公認している「生成AIパスポート テキスト&問題集」でアウトプットをするのもおすすめ。ついている各出題範囲の模擬問題までやれば、かなり合格に近づくはずです。

ただし、公式テキストの読み込みが不十分であれば、いくら問題集をやっても意味がありません。よって、勉強時間が限られている場合は、問題演習よりテキストのほうを優先させましょう。

スキマ時間にAIクイズアプリもおすすめ

問題集を買うほどではないが、軽く練習しておきたい場合には公式がリリースしている「AIクイズ アプリ」を使うのもおすすめです。スマホやタブレットで手軽に問題が解けるので、すきま時間に復習がてらやってみると良いでしょう。

ちなみにAIクイズアプリは、生成AIに公式テキストを学習させて作成されているとのこと。実際のAI生成物を見ることで、より一層試験内容の理解が深まることもあるかもしれません。

生成aiパスポート テキスト&問題集
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生成AIパスポートのスケジュール

今後の生成AIパスポート試験のスケジュールは以下の通りです。受験期間の直前まで申し込みを受け付けているので、思い立ったらぜひチャレンジしてみてください。

申込期間 受験期間
第1回 10月1日0:00〜1月31日23:59 2月1日0:00〜2月29日23:59
第2回 2月1日0:00〜5月31日23:59 6月1日0:00〜6月30日23:59
第3回 6月1日0:00〜9月30日23:59 10月1日0:00〜10月31日23:59

 

生成AIパスポートは簡単!ぜひチャレンジを

生成AIパスポート試験の難易度はかなり易しめです。試験問題は基本的な内容で、合格率は約75%もあります。公式テキストを繰り返し読み込んで内容を理解していれば、問題なく合格できるでしょう。

ChatGPTなどを生成AIに興味のある方、IT系の資格を取ってみたい方は、ぜひ生成AIパスポート試験に挑戦してみてください。

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