iPhoneのワイヤレス充電に便利な「MagSafe」とは?Androidで使う方法も紹介

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MagSafe(マグセーフ)は、iPhone内蔵のマグネットを利用して快適にワイヤレス充電やアクセサリ取り付けを実現できる規格です。ワイヤレス充電が安定する他、便利なアクセサリのバリエーションも増えて、スマホの利便性が大きく高まります。

今回はそんなMagSafeの概要を分かりやすく解説します。AndroidでMagSafeを使う方法も紹介するので、Androidユーザーもぜひ参考にしてください。

MagSafeとは

MagSafe(マグセーフ)とは、iPhone内部に搭載されたマグネットの磁力によってワイヤレス充電やアクセサリの取り付けができる規格のことです。2020年10月発表のiPhone 12/12 Proシリーズ以降のiPhoneに搭載されています。

MagSafe充電器では、従来のQi規格対応機種の2倍となる最大15WでのiPhoneの急速充電が可能。その際、充電器がバックパネルに磁石でピタッとひっつくため、充電位置がずれて充電効率が悪くなる心配もありません。

なお、MagSafeのデータ通信には13.56MHzの近距離無線通信規格・NFCが採用されています。よって、MagSafe搭載のiPhoneは、ワイヤレス充電器だけでなく、外付けカメラやモバイルプリンタ、コントローラーなど、さまざまな周辺機器とNFC通信で接続が可能です。

「MagSafe」は元々MacBookのコネクタ名称

ちなみに「MagSafe」という名称は、元来MacBookのマグネットコネクタに使われていました。こちらはMagSafe、MagSafe 2、MagSafe 3のバージョンがあり、MagSafe 3は現在もMacBook AirやMacBook Proのコネクタに採用されています。

とはいえ、MacBook版のMagSafeと今回紹介しているiPhone版のMagSafeは似て非なるものです。磁力を活用することは共通していますが、NFC通信やワイヤレス充電はiPhone版MagSafeに特有の性能です。

・MagSafeの歴史

MacBook版 iPhone版
2006年1月 MacWorld Conference and Expoにて「MagSafe 1」がお披露目
2012年6月 コネクタを薄型化した「MagSafe 2」が登場
2020年10月 「MagSafe for iPhone」がiPhone 12、iPhone 12 Proシリーズに搭載されると発表
2021年10月 「MagSafe 3」を搭載したMacBook Pro 14インチ/16インチモデルが登場

 

AndroidスマホでもMagSafeは利用可能!

MagSafeは、安定的かつ急速なワイヤレス充電を実現でき、かつユニークなアクセサリの数々も利用できるようになる魅力的なインターフェースです。できることなら、iPhoneユーザーだけでなく、AndroidユーザーもMagSafe機能を使いたいところでしょう。実はAndroidスマホもMagSafe化して使うことが可能です。

MagSafeは、ワイヤレス充電の国際標準規格であるQiおよびQi2との互換性があります。そのため、Qi・Qi2に対応したAndroidスマホなら、MagSafe対応充電器が使えます。同様の理由で、MagSafeに対応していないiPhone SE(第3世代)などのiPhone機種でも、MagSafe充電器が利用可能です。

ただし、AndroidスマホやiPhone SEなどにはマグネットが内蔵されていないため、MagSafe充電器を磁力で装着できません。 そのため、MagSafeワイヤレス充電を行うには、スマホケースやメタルリングなどでバックパネルに磁石を外付けする必要があります。

・MagSafe化できるAndroidスマホの例(Qi対応)

・Google Pixel 8a

・Google Pixel 8 Pro

・Google Pixel 8

・Google Pixel 7a

・Google Pixel Fold

・Galaxy S24 SC-51E

・Galaxy S24 Ultra SC-52E

・Galaxy Z Fold5 SC-55D

・Galaxy Z Flip5 SC-54D

・Galaxy S23 Ultra SC-52D

・Galaxy S23 SC-51D

・Galaxy Z Fold4 SC-55C

・Galaxy Z Flip4 SC-54C

・Galaxy S22 Ultra SC-52C

・Galaxy S22 SC-51C

・Xperia 1 VI SO-51E

・Xperia 5 V SO-53D

・Xperia 1 V SO-51D

・Xperia 5 IV SO-54C

・Xperia 1 IV SO-51C

 

・AQUOS R8 pro SH-51D

・AQUOS R7 SH-52C

 

Qi・Qi2とは

ちなみにQi(チー)とは、ワイヤレス電力伝送の国際標準規格です。企業間でのワイヤレス充電システムの相互利用を実現すべく、 ワイヤレス・パワー・コンソーシアム(WPC)によって2010年7月に初めて策定されました。

2015年には、最大15Wの充電を可能にする拡張パワープロファイル(EPP)を搭載したバージョン1.2を策定。iPhone 6シリーズやGalaxyシリーズに採用され、急速に普及が進みました。今やQi規格を採用したスマホ用ワイヤレス充電器は7,500種類以上に上るといわれています。

また2023年には、MagSafeの技術を採用したQi2規格が登場し、最初の対応機種としてiPhone 15シリーズが発表されました。その後のアップデート(iOS 17.2)で、iPhone 13・14もQi2に対応しています。Qi2対応iPhoneでは、MagSafe充電器でもQi2規格充電器でも、最大15Wでのワイヤレス充電が可能です。

MagSafeのメリット

3人の女性がスマートフォンを操作する様子

MagSafeには、以下のメリットがあります。

磁力でピタッと固定する安定したワイヤレス充電

MagSafe対応のスマホでは、磁力によってワイヤレス充電器を正確な位置にピタッと固定できます。ワイヤレス充電中に接地部分がズレないことが大きな魅力です。

置くだけで充電できるQi規格のワイヤレス充電では、スマホが充電位置からズレてしまい「充電ができていなかった」というトラブルがよく起こります。一方、MagSafe規格のワイヤレス充電なら、磁石による強力な装着で確実に充電が可能です。

またiPhoneの場合※、MagSafeワイヤレス充電の出力は、従来のQi規格充電の2倍に相当する最大15W。マグネット固定による電力供給の安定化と相まって、急速充電を実現できることもメリットです。

※Androidの場合、EPP規格に対応した充電器であればQiでも最大15W充電が可能

マグネット式なのでアクセサリの着脱が簡単

MagSafe対応のスマホなら、背面のマグネットにパチッと取り付けるだけなので、アクセサリの着脱が簡単です。

従来、スマホの背面に付けるカードケースやリングなどのアクセサリは、両面テープで貼り付ける方式が主流でした。またスマホスタンドや車載ホルダーなどは、クリップやアームで固定しなければならず、取り付け・取り外しの煩わしさが難点でした。

この点、MagSafeのスマホなら、カードケースからリング、スタンド、車載ホルダーまで全て磁石にくっつけるだけです。取り外すときもそのまま取るだけなので、ストレスフリーに着脱できます。

便利なアクセサリのラインナップが豊富

MagSafe対応アクセサリには、便利な商品が数多くあります。充電器やケース・カバー、ウォレット、スタンド、リング・クリップ、車載ホルダー、三脚など多種多様です。

中でも、MagSafe対応のモバイルバッテリーは特におすすめといえます。スマホにバッテリーをパチッと装着するだけで、外出先でケーブルレスの充電が可能です。

また、カードケースとミニスタンドが一体となった商品も魅力的です。スマホの背面にクレジットカードやICカードを入れてミニマルな外出ができる他にも、ふとしたときにスマホを立てて動画鑑賞などを楽しめます。

なお、上述の通り、MagSafe対応のアクセサリは磁力で装着するので構造に無駄がなく、スタイリッシュでおしゃれな商品が多いことも特長です。

MagSafeのデメリット・注意点

スマートフォンを操作する様子

MagSafeの使用上の注意点は次の通りです。

MagSafe対応のiPhoneケースは値段が高め

iPhone※をスマホケースに入れたままMagSafe充電器を使うには、ケースもMagSafe対応のものでなければなりません。MagSafe非対応のスマホケースだと磁力が弱まり、充電器やその他の接続機器が正常に動作しない恐れがあります。

難点は、MagSafe対応のiPhoneケースは比較的高価であることでしょう。Apple製ケースであれば8,000円前後、ECモールの廉価品でも2,000〜3,000円前後が相場です。

ちなみにMagSafe対応のiPhoneケースには、バックパネルにMagSafeに合ったマグネットが内蔵されています。恐らく、このマグネットの分だけ値段が高くなっているのでしょう。

※iPhone 12、iPhone 13、iPhone 14、iPhone 15のこと

【朗報】AndroidをMagSafe化するためのアクセサリは安い

幸い、Qi対応のAndroidスマホをMagSafe化するために購入すべきアクセサリは、それほど高価ではありません。

Android用のMagSafe対応スマホケースは、1,000円台のラインナップも充実しています。またマグネット付きのスマホケースではなく、スマホのバックパネルに直接貼り付けるメタルリングなら、数百円でも購入できます。そのため、Androidスマホを格安でMagSafe化することは可能です

正真正銘MagSafe対応のiPhoneと違い、Androidスマホにはマグネットが内蔵されていません。内蔵マグネットをケアする必要がないため、バックパネルに何らかの磁石を貼り付けさえすればよく、アクセサリも廉価なもので事足ります。

クレジットカードなどが磁気不良になる恐れも

MagSafeのスマホにウォレットやカードケースを装着し、スマホとカード類を一緒に携帯するのはよく見る光景です。しかしながら、MagSafeの磁力は強力であり、磁気ストライプのカードは磁気不良で使えなくなる恐れがあるので注意しましょう。

実際、ネットでもMagSafe対応のウォレットに入れていたキャッシュカードなどが使えなくなったという声が散見されます。磁気ストライプが採用されているキャッシュカード・クレジットカード・マイナンバーカードなどは、取り扱いに気を付けるべきです。またApple公式は、ホテルのカードキーについても磁気不良になる恐れがあるとして注意喚起をしています。

対処法としては、ウォレットを使うのをやめておくか、シールド機能の付いたウォレットを使うのが適切です。例えば、Apple製のMagSafe対応ウォレットにはシールド機能があり、クレジットカードも問題なく入れられます。

ケーブル接続に比べると充電が遅い

最大15WのMagSafe充電は、ワイヤレス充電の中では「急速」といえますが、ケーブル充電に比べれば遅いと言わざるを得ません。

ケーブル充電の場合、iPhoneに付属する20W USB-C電源アダプタを使えば、50%までの充電を約30分で完了させることが可能です。これに対し、MagSafe充電器では50%までの充電に60分以上かかるといわれています。

MagSafe充電が2倍以上も遅くなってしまうのは、そもそもの電力で負けていることに加え、ワイヤレス接続の電力効率がケーブル接続より悪いことが原因です。有線で直接電気を送り込むケーブル接続と異なり、磁力の仕組みを利用するワイヤレス接続では、送電の際に20〜30%ほどの電力が失われるともいわれています。

MagSafeでのワイヤレス充電の速度は、50%までが60分以上、50%から100%までが3時間程度です。急速充電を求めるなら充電にはLightningケーブルを用いて、MagSafeはアクセサリ取り付け用に使うのもよいでしょう。

MagSafeはスマートフォン全般の使い勝手を向上させる革新的な技術

MagSafeのiPhoneに内蔵されたマグネットは、ワイヤレス充電の際はもちろん、アクセサリの取り付けにもとても便利です。MagSafe対応のスマホを使うことでアクセサリの選択肢が増え、スマホの利便性は大きく高まるでしょう。

MagSafeが搭載されているのはiPhone 12以降だけですが、AndroidスマホをカスタムしてMagSafe化することもできます。そのため、快適なワイヤレス充電や便利なアクセサリに興味のある方は、iPhone・Androidを問わず、ぜひ一度MagSafeを使ってみてください。

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