SIMカードとは?種類やメリット・デメリット、選び方のポイントなど基本を解説
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SIMカードは、スマホのモバイルデータ通信や通話に欠かせないものICカードです。キャリアから格安SIMに乗り換えた場合など、SIMカードの自分で入れ替えが必要になり、戸惑う人もいるはず。
そこで今回は、SIMカードの基礎知識を、スマホや格安SIMの初心者さんに向けて分かりやすく解説します。SIMカードが気になっている方、格安SIMの契約を検討している方などはぜひ参考にしてください。
- SIMカードとは
- SIMカードの種類
- SIMカード(物理SIM)のメリット・デメリット
- eSIMのメリット・デメリット
- SIMカードの選び方
- SIMカードの初期設定方法
- eSIMの初期設定方法
- SIMカードについてよくあるQ&A
- Q. SIMカードがないとどうなる?
- Q. SIMカードがなくても利用できる機能は?
- Q. SIMカードを抜くとどうなる?
- Q. SIMカードを入れ替えるとデータはどうなる?
- Q. SIMロックとは?
- Q. SIMロック解除の方法は?
- Q. SIMカードは何年くらい持ちますか?
- Q. SIMカードの再発行にはいくらかかりますか?
- Q. 古いSIMカードは捨てていいですか?
- Q. データSIMで電話番号は取得できる?
- Q. データSIMでもLINE通話などはできる?
- 自分に合ったSIMを選ぼう!
SIMカードとは
SIMカード(Subscriber Identity Module Card)とは、スマホのデータ通信や通話機能をつかさどるICカードです。電話番号を含めたモバイルプランの契約者情報が記録されています。端末に挿入して使います。
SIMカードがあることで、発信・着信する電話番号の識別や、スマホのプラン・オプションの適応が可能です。そのため、SIMカードはスマホの身分証明書に例えられることもあります。
SIMカードの種類
SIMカードには、以下のような種類、分類があります。
音声SIM/データSIM/SMS付きSIM
SIMカードは機能によって、「音声SIM」、「データSIM」、「SMS機能付きデータSIM」に分類できます。
音声SIMは、音声通話とモバイルデータ通信の両方に対応したSIMカードです。SMS(電話番号によるショートメッセージ)機能も利用できます。電話もネットも使える、一般的なスマホ・携帯の機能を持たせることを可能にするのが音声SIMです。
一方、データSIMではモバイルデータ通信のみが可能です。音声通話はできませんが、その分基本料金が抑えられます。インターネットやアプリが利用できればよい、という人におすすめです。オプションでSMS機能を利用できる場合もあります。
SMS機能付きデータSIMでは、モバイルデータ通信とSMS機能を利用可能です。音声通話には対応していません。
【機能別】SIMカードの比較表
音声SIM | データSIM | SMS機能付きデータSIM | |
音声通話 | ○ | × | × |
データ通信 | ○ | ○ | ○ |
SMS | ○ | △ | ○ |
基本料金 | 高 | 安 | 中 |
物理SIM/eSIM
物理SIMとeSIMは、SIMの形状による分類です。
物理SIMは、端末に挿入して利用するプラスチック製のICカードです。一般的に「SIMカード」というと、物理SIMのことです。物理SIMは、店舗での契約ならその場で、オンライン申し込みでは郵送で受け取ります。物理SIMが手元に届いたら端末に挿入してAPN設定を行います。
一方、eSIMはスマートフォン端末に内蔵されている電子チップ型です。オンラインで申し込み、QRコードを読み込むなどして各種設定を完了させればそのまま利用できます。eSIMは近年普及が進んでおり、オンラインでもすぐに利用を開始できること、物理SIMと違って紛失・破損の心配がないことなどが魅力です。
物理SIMとeSIMの比較
物理SIM | eSIM | |
形状 | プラスチック製のカード型 | 端末内蔵の電子チップ |
入手方法 | 店舗、郵送、オンライン | オンライン |
設定方法 | SIMカード挿入、APN設定 | QRコード読み込み、プロファイルダウンロード |
メリット | 機種変更が簡単 | 紛失・破損リスクがない、すぐに始められる |
デメリット | 紛失・破損リスクがある、オンラインだと郵送を待たなければならない | 設定がやや複雑、機種変更時に手続きが必要 |
nanoSIM/microSIM/標準SIM
SIMカードは、サイズによって、標準SIM、microSIM、nanoSIMという種類分けもできます。標準SIMは2012年ごろまで、microSIMは2012年ごろから2016年ごろまでのスマホで利用されていた旧式で、どちらも現在のnanoSIMより大きいサイズです。
近年のスマートフォンでは、ほとんどで小型のnanoSIMが採用されています。nanoSIMのサイズは12.3mm×8.8mm×0.67mmで、これは標準SIMの約4分の1、microSIMの約半分に相当する大きさです。
SIMカードのサイズによる分類
幅 | 高さ | 厚さ | |
標準SIM | 25mm | 15mm | 0.76mm |
microSIM | 15mm | 12mm | 0.8mm |
nanoSIM | 12.3mm | 8.8mm | 0.67mm |
SIMカード(物理SIM)のメリット・デメリット
以下では、SIMカード(物理SIM)のメリット・デメリットを紹介します。物理SIMとeSIMのどちらを選ぶべきか考える上で参考にしてください。
SIMカード(物理SIM)のメリット
複数端末で利用可能
SIMカードは、差し替えるだけで複数の端末で利用可能です。例えば、メインスマホとサブスマホで同じSIMカードを利用したり、家族間でSIMカードを共有したりすることができます。
また機種変更の際も新しいスマホにSIMカードを差し替えるだけなので簡単です。eSIMの場合、端末にSIM情報を書き込むため、このような柔軟な対応ができません。
複数のSIMを使い分けられる
SIMカードは差し替えるだけで利用できるため、1つのデバイスで複数の電話番号、データプランを使い分けることも容易です。スマホを2台持つことなく、仕事用とプライベート用を使い分けたい場合に役立ちます。
また出張や海外旅行の際などに、モバイルデータプランを切り替えたい場合にも便利です。
全ての端末で利用できる
スマートフォンやセルラーモデルのタブレットには、基本的に全てSIMカードのスロットが搭載されています。そのため、物理SIMなら機種を気にせず、どの端末でも利用できます。
一方、eSIMは対応端末が限られているため、利用できる端末から選ばなければなりません。
SIMカード(物理SIM)のデメリット
郵送を待たないといけない
物理SIMの場合、オンラインで申し込むとSIMカードが届くまでに最短でも数日待たなければなりません。即日で入手したい場合は店舗に赴いて店頭で契約する必要があり、オンラインですぐに利用開始できるeSIMに比べて手間がかかります。
紛失・破損のリスク
SIMカードは非常に小さいので、差し替える際などに紛失することがあります。また物理的な部品であるため、摩耗や水ぬれなどのダメージで破損することも考えられます。SIMカードが紛失・破損すると、交換の手間がかかり、再発行手数料も必要です。
一方、eSIMはデバイス内部に組み込まれたソフトウェアなので、原則として紛失・破損のリスクはありません。
盗難の心配もある
SIMカードは物理的に盗まれる心配もあります。スマホを落とし、その際にSIMカードを抜き取られるといったリスクです。
SIMカードを盗難されると、例えば無断で通話やデータ通信が行われ、高額な料金請求が来る恐れがあります。SMSやSNSなどでのなりすまし、個人情報の漏えいリスクも心配です。またSMS認証を使って、インターネットバンキングや各種決済アプリに不正アクセスされる被害も考えられます。
eSIMのメリット・デメリット
一方、eSIMには以下のようなメリット・デメリットがあります。
eSIMのメリット
利用開始の手続きが簡単かつスピーディ
eSIMなら、オンラインで契約・開通手続きが完了するため、自宅にいながら簡単に新しいモバイルデータプランの利用を開始できます。物理SIMと違って、SIMカードの到着を待つ必要がないため、契約日当日からすぐに利用できることが魅力です。
紛失・破損リスクがない
eSIMは端末内蔵のソフトウェアなので、物理型のSIMカードと違って紛失や破損のリスクがありません。そのため、端末自体が故障、紛失、初期化しない限り、再発行手続きとも無縁です。
複数回線を簡単に利用できる
eSIM対応のスマホには、1台に複数回線のSIM情報を登録できます。そのため、SIMカードの差し替えが必要な物理SIMより、複数回線の使い分けが容易です。
例えば、仕事用とプライベート用の回線を分けたり、キャリアの回線と格安SIMを使い分けたりする際に便利でしょう。
海外旅行時に便利
海外旅行時には、「World eSIM」や「Airalo」など、海外旅行用のeSIMを購入することで、現地でも快適にインターネット通信を利用できます。物理SIMと違い、現地での紛失・盗難の心配がないことも魅力です。
セキュリティ性が高い
eSIMは、物理的なSIMカードよりセキュリティ性が高いといわれています。物理的に盗まれる心配がないことに加え、強力な暗号化技術によって保護されているからです。
eSIMのデメリット
対応機種が限定される
eSIMは、全ての携帯電話で利用できるわけではありません。対応機種は増えてきているとはいえ、eSIM非対応機種もまだまだ多いです。また中古で旧型の機種を購入する場合にも、eSIMが使えないことは多いでしょう。
開通手続き・初期設定が複雑
eSIMの利用を開始するには、eSIMプロファイルのダウンロードやAPN設定など、いくつかの手続きが必要です。物理SIMの場合は簡単な設定、もしくは設定なしで通信が可能なので、特に電子機器に詳しくない人にとっては難易度が高いと感じるかもしれません。
機種変更時には再設定が必要
eSIMでは端末に直接SIM情報を登録するため、自由に利用するスマホを変えることはできません。機種変更の際は、携帯会社に問い合わせ、別途SIM再発行の手続きを行う必要があります。その点、SIMカードなら差し替えるだけで機種変更が可能なので気が楽でしょう。
SIMカードの選び方
SIMカードを選ぶ際には、以下のポイントを意識するのがおすすめです。
物理かeSIMかで選ぶ
物理SIMとeSIMは、それぞれメリット・デメリットがあり、おすすめできる人も異なります。
物理SIMがおすすめの人
-
- 現在eSIM非対応の機種を利用している人
- 頻繁に機種変更をする人
- 複数の端末で利用したい人
- シンプルな設定を好む人
前提として、現在eSIM非対応の機種を使っている場合は、SIMカード(物理SIM)以外の選択肢はありません。ご自身のスマホがeSIM対応しているかを確認してみてください。
また頻繁に機種変更してスマホを買い替えたい、家族との共有も含め複数の端末で同じSIMを使いたい場合には、差し替えだけで端末を移動できるSIMカードのほうが便利です。加えて、SIMカードのほうが初期設定がシンプルなので、オンラインでの開通手続きに自信がない人も、物理SIMのほうがよいでしょう。
eSIMがおすすめの人
- オンライン申し込みで即日使い始めたい人
- 最新機種を利用している人
- 海外旅行によく行く人
- 紛失・盗難リスクを避けたい人
- 新しい技術に興味がある人
eSIMは申し込み当日にオンラインで開通できるため、すぐに新しいプランを使い始めたい人にはeSIMのほうが適しています。ただし、機種によってはeSIM非対応のこともあるため、事前にご確認ください。
そのほか、過去にSIMカードをなくしたことがあるなど、紛失や盗難のリスクが心配な場合にもeSIMはおすすめです。
eSIM対応機種の例
iPhone
- iPhone 15/ 15 Plus / 15 Pro / 15 Pro Max
- iPhone 14/ 14 Plus / 14 Pro / 14 Pro Max
- iPhone 13 / 13 Pro / 13 mini
- iPhone SE(第3世代)
- iPhone SE(第2世代)
- iPhone 12 Pro / 12 Pro Max
- iPhone 12 / 12 mini
- iPhone 11 / 11 Pro / 11 Pro Max
Android
- Google Pixel 9 / 9 Pro
- Google Pixel 9 Pro Fold
- Google Pixel 8a
- Google Pixel 8 / 8 Pro
- Google Pixel Fold
- Google Pixel 7a
- Google Pixel 7 / 7 Pro
- Google Pixel 6a
- Google Pixel 6 / 6 Pro
- Samsung Galaxy S24 Ultra
- Samsung Galaxy S24
- Samsung Galaxy S23 FE
- Samsung Galaxy Z Flip6
- Samsung Galaxy Z Flip5
- Samsung Galaxy Z Fold6
- Samsung Galaxy Z Fold5
- Samsung Galaxy A55 5G
- Samsung Galaxy S23 Ultra
- Samsung Galaxy A54 5G
- Samsung Galaxy A53 5G
- Samsung Galaxy A23 5G
- Sony Xperia 1 VI
- Sony Xperia 1 V
- Sony Xperia 1 IV
- Sony Xperia 5 V
- Sony Xperia 5 IV
- OPPO Reno10 Pro 5G
- OPPO Reno9 A
- OPPO Reno7 A
- Xiaomi 13T Pro
- Xiaomi 13T
利用目的で選ぶ
スマホの利用目的によって、音声SIM、データSIM、SMS機能付きデータSIMを選び分けましょう。
電話が必要であれば、選択肢は音声SIM一択です。料金に特別こだわりがない、よく分からないという場合にも、音声SIMを選んでおくのが安全でしょう。
一方、モバイルデータ通信さえできればよい、料金をとにかく抑えたいといった場合にはデータSIMもおすすめです。ただし、アプリや各種サービスの利用では、SMS認証を求められることも多いので、SMS機能付きデータSIMも選択肢に入れてみてください。
SIMカードの初期設定方法
以下では、SIMカードの初期設定の方法を紹介します。一般的な手順は以下の通りです。
なお、スマートフォンの電源を切った状態からスタートしてください。
1. SIMカードを挿入する
SIMカードをスマホのSIMカードスロットに挿入します。SIMカードスロットの位置は、機種によって異なりますが、通常は側面や背面にあります。
なお、SIMカードを挿入する向きには注意が必要です。SIMカードの金属面が下になるように、かつSIMカードがカードスロットの切り欠き部分と合うように入れてください。うまくはまらないからといって無理に押し込むのは厳禁です。
2. スマートフォンの電源を入れる
SIMカードを挿入したら、スマートフォンの電源を入れましょう。
ちなみにSIMカード挿入時にスマホの電源を切っておくのは、端末の故障や接続不良を防ぐためです。電源を入れた状態だと、静電気や電流のノイズなどによってそれらのリスクがあるといわれています。
3. APNを設定する
MVNO等で購入したスマートフォンの場合、起動したら、APN(アクセスポイント名)を設定する必要があります。APNは、スマートフォンがインターネットに接続するために必要な情報です。APNの設定方法は、iOS・Android、OSのバージョンなどによって異なります。
iOS 15以降ではAPN設定は不要です。多くの場合、APN設定が自動的に完了し、インターネット接続が可能になります。
iOS 14以前やAndroidの場合は、一般的には以下の手順でAPN設定を行います。
- 設定アプリを開きます。
- 「モバイルネットワーク」または「通信」をタップします。
- 「アクセスポイント名」または「APN」をタップします。
- 新しいAPNを追加します。
- APN設定を入力します。
- 保存します。
APN設定情報は、お使いのSIMカードを提供している会社から入手することができます。
4. インターネットに接続する
APN設定が正しく完了したら、インターネットに接続できます。ブラウザを開いて、Webサイトが表示されることを確認してください。
なおスマホの初期設定では、APN設定以外にも、音声通話やSMSの設定が必要な場合があります。詳しくは各携帯会社の案内や取扱説明書をご確認ください。
eSIMの初期設定方法
eSIMの初期設定は、一般的に以下の手順で行います。eSIMの設定にはWi-Fiが必要なので、Wi-Fi環境下に移動して実行してください。
- スマホをWi-Fiに接続する
- スマホの設定アプリを開く
- 「モバイル通信」または「通信」をタップする
- 「eSIMを追加」または「SIMを追加」をタップする
- eSIMプロファイル情報を読み込む
- 指示に従って設定を完了する
- スマホを再起動する
- インターネットに接続する
なおeSIMプロファイル情報の取得は、スマホのカメラで添付のQRコードを読み込むか、URLを手動で入力します。詳しくは各社の案内や取扱説明書などでご確認ください。
上記の設定が完了すれば、スマホでインターネットに接続できるはずです。SafariやChromeなどのブラウザを開き、ウェブサイトが正しく表示されることを確認しましょう。
SIMカードについてよくあるQ&A
以下では、SIMカードについてよくある質問にお答えします。
Q. SIMカードがないとどうなる?
SIMカードがないと以下のようになります。
-
電話番号が使えなくなる
電話番号はSIMカードに紐付けられています。そのためSIMカードがないと、電話番号を使った音声通話やSMS・MMSの送受信ができなくなります。SMSとは電話番号を使ったショートメッセージ、MMSとは画像や動画付きメッセージの送受信のことです。
-
モバイルデータ通信が使えなくなる
SIMカードがないと、モバイルデータ通信を利用してインターネットに接続できなくなります。そのため、Wi-Fiなしではウェブブラウザの閲覧やアプリの利用、メールの送受信などが不可能になってしまうのです。
地図アプリでの道順の確認や、XやInstagramなどのSNSの利用も不可能になります。そのほか、Apple Payをはじめ、電子マネー決済機能を利用できなくなる可能性があります。
Q. SIMカードがなくても利用できる機能は?
SIMカードがなくても以下のような機能は利用できます。
- Wi-Fi通信:Wi-Fiに接続すれば、インターネット通信やアプリの利用が可能
- Bluetooth接続:Bluetoothを使って、他の機器と通信することが可能
- カメラ:写真や動画の撮影、撮影したデータの編集
- 音楽や動画の再生:端末に保存されたデータは再生可能
上記の通り、SIMカードがなくても、モバイルデータ通信や電話番号に関わらない機能は利用可能です。特にWi-Fiさえあれば、インターネットに接続して大半のことが可能なので、例えばポケットWi-FiなどがあればSIMなしでも特別困らないかもしれません。
Q. SIMカードを抜くとどうなる?
SIMカードを抜くと、上記で解説したSIMカードがない場合の状態になります。具体的には以下の影響があります。
- 電話番号を利用した音声電話・SMS・MMSができなくなる
- モバイルデータ通信によるインターネットやアプリの使用ができなくなる
なお、写真や動画、音楽、連絡先などのデータは端末自体に保存されているため、SIMカードを抜いてもなくなることはありません。
Q. SIMカードを入れ替えるとデータはどうなる?
写真、アプリ、連絡先、音楽、動画などのデータは、SIMカードではなく、スマホ本体のストレージやmicroSDカードに保存されています。そのためSIMカードを入れ替えても、これらスマホに保存されているデータは影響を受けません。
SIMカードを入れ替えた場合、電話番号やモバイルデータ通信の速度など、SIMに関係する情報だけが変更されます。
ただし、SMSやMMS、電話番号で認証するアプリのデータなどは、SIMカードを入れ替えることで影響を受ける可能性も考えられます。そのため、メッセージなどについては念のためデータのバックアップを取っておきましょう。
Q. SIMロックとは?
SIMロックとは、契約した通信事業者以外のSIMカードではスマートフォンが利用できないようにする技術のことです。かつてキャリアが一般的に用いていた手法です。
SIMロックがかかったスマホに、他社のSIMカードを差し込んでも圏外表示となり、通話やデータ通信が利用できません。そのため、例えばドコモで購入したスマホは、ロックを解除しないとドコモでしか利用できず、他社に乗り換えにくいといったことがかつてはありました。
なお、2021年10月以降に発売されたスマホでは、原則としてSIMロックが廃止されています。それ以前の機種にはSIMロックがかかっている場合があり、中古で旧型のスマホを買った際などにはSIMロック解除が必要なことがあります。
Q. SIMロック解除の方法は?
SIMロック解除は、基本的に各キャリアのマイページにて行います。案内に従って所定の手続きを完了させてください。状況によっては、店頭でのSIMロック解除の手続きが必要となる場合もあります。
SIMロック解除にかかる料金は、原則として無料です。店頭やオペレーターの対応があった場合も、無料でSIMロックを解除することが義務付けられています。
Q. SIMカードは何年くらい持ちますか?
SIMカードの寿命は、一般的に3~5年です。しかし、使用状況や環境によって寿命は前後する可能性があります。
SIMカードに用いられているICチップ(半導体)は経年劣化によって性能が低下したり、故障したりすることがあります。またICチップを埋め込んでいるプラスチック製の基盤が曲がったり傷ついたりして破損し、読み込めなくなる場合もあるでしょう。
ネット接続が頻繁に途切れる通信障害、SIMの認証エラーなどが見られる場合は、SIMカードが寿命を迎えた可能性があります。
Q. SIMカードの再発行にはいくらかかりますか?
SIMカードの再発行にかかる費用は、一般的には1,000~4,000円程度です。物理SIMに比べて、eSIM発行手数料は安い傾向にあり、オンラインで手続きすれば無料の場合もあります。
ちなみに2024年7月現在、各キャリアのSIMカード再発行は、ドコモ・au・ソフトバンクが3,850円(税込)、楽天モバイルが3,300円(税込)です。
Q. 古いSIMカードは捨てていいですか?
古いSIMカードの取り扱いは、以下のように各社で異なります。契約解約後に返却が必要な場合もあるので、各社のウェブサイトなどでSIMカードの返却に関する記載を確認しましょう。
- ドコモ・ソフトバンク:契約解約後にSIMカード返却の必要あり
- au・楽天モバイル:SIMカードの返却は不要
なお、古いSIMカードには、電話番号や契約情報などの個人情報が記録されているため、そのまま捨てると悪意ある第三者に悪用されるリスクがあります。そのため、スマホでデータ消去を行ってから取り出し、処分するようにしてください。また処分の際も、ハサミで切断するなどしてデータ復元ができないようにしておくのがよいでしょう。
Q. データSIMで電話番号は取得できる?
音声通話機能なしのデータSIMでは、基本的に電話番号を取得できません。しかし、「050」から始まる電話番号を取得できるサービスが用意されている格安SIMなどもあります。通話料金は別途かかりますが、050番号でもSMSやMMSが利用できます。
ただし、050番号では緊急通報(110番、119番)が利用できないので注意しましょう。つまり、データSIMでは緊急通報ができないということです。
Q. データSIMでもLINE通話などはできる?
はい。データSIMでもLINE通話などの無料通話アプリは利用できます。ただし、アカウント作成やログインに電話番号、SMS認証が必要な場合は、使えないこともあるので注意しましょう。
なお、アカウント作成に固定電話の番号が使えるサービスでは、データSIMでも問題なくアプリ通話が利用可能です。ちなみにLINEは、固定電話でもアカウント作成ができます。
自分に合ったSIMを選ぼう!
SIMカードを選ぶ際は、利用目的によって音声SIM・データSIM・SMS機能付きデータSIMのいずれかを選びましょう。特にこだわりがない場合は音声SIMを選んでおけば問題ありません。
物理SIMでなくeSIMを選ぶ場合は、ご利用のスマホがeSIM対応機種であるかご確認ください。以上を参考に、キャリアから格安SIMへの乗り換えや、スマホプランの変更などを検討してみましょう。