ウェアラブル端末とは?できることや種類、選び方など

昨今、スマートウォッチを筆頭に、身体に着用して使うウェアラブル端末の普及が進んでいます。発売当初はスタイリッシュなデザインだけが先行していた感もありましたが、近年は機能性の高さや豊富さの点からも人気です。

身につけているだけで健康管理ができたり、財布やスマホがなくてもキャッシュレス決済が可能だったり。ウェアラブル端末の上手な活用は生活の充実につながります。

この記事では、そんなウェアラブル端末について、できることや種類、選び方などをご紹介します。今までスマートウォッチなどに馴染みがなかった方も、これを機会にぜひ便利なウェアラブルデバイスを使ってみましょう。

ウェアラブル端末とは

ウェアラブル端末とは、手首や腕、顔などに着用して使う電子機器のこと。「ウェアラブルデバイス」とも呼ばれます。ウェアラブル(wearable)には「身に付ける」「体に装着できる」といった意味があります。

ウェアラブル端末の代表格は、腕時計のように装着して使うスマートウォッチです。ほかにもメガネのようなスマートグラスやリストバンドタイプ、指輪型のスマートリングなど、さまざまなウェアラブル端末が開発されています。

ちなみにウェアラブル端末が続々と誕生する背景には、電子部品の超小型化・軽薄短小化、無線通信技術の普及をはじめとする技術革新があります。ウェアラブル端末の出荷台数は2020年時点ですでに世界で約3億2300万台、国内でも約1160万台にのぼり、今後はさらに普及が進むと考えられます。

ウェアラブル端末でできること

スマートウォッチ操作イメージ

製品やタイプによっても異なりますが、ウェアラブル端末には以下のように多様な機能が搭載されています。

健康管理

ウェアラブル端末に代表される機能が、健康管理・ヘルスケアです。例えば、ウォーキングやランニング中に、歩数や移動距離、消費カロリー、心拍数、血中酸素濃度などを記録できます。体脂肪や筋肉量基礎代謝などを確認できる端末もあり、ダイエットやボディメイキングにも便利です。

また睡眠管理の機能が備わっている端末もあります。睡眠のモニタリングや睡眠時の皮膚温度などを確認でき、睡眠時間の管理や睡眠の質向上などに有用です。そのほか、月経周期のモニタリングやストレス値計測などに対応した端末もあります。

・健康管理・ヘルスケア機能の例

  • 歩数
  • 消費カロリー
  • 心拍数
  • 血中酸素濃度
  • ストレス値
  • 月経周期のモニタリング
  • 皮膚温度睡眠時体温
  • 体脂肪
  • 筋肉量
  • 基礎代謝

※実際の搭載機能は機種ごとに異なります。

通知・返信機能

スマートフォンと連動し、着信やメール、SNSなどのメッセージを確認できる通知機能も便利です。受信内容を確認できるだけでなく、返信機能を備えたウェアラブル端末も数多く登場しています。

LINEや各種SNSのアプリもインストールでき、スマホの代わりとしての役割を果たします。

・通知・返信機能の例

  • 通知機能
  • メール返信
  • SMS返信
  • LINE返信
  • 通話機能

※実際の搭載機能は機種ごとに異なります。

電子マネー決済

ウェアラブル端末は、電子マネー決済に対応していることも一般的です。主流なのはApple Pay・Google Pay・おサイフケータイの3種類。クレジットカードブランドのタッチ決済やiD、QUICPay、nanaco、WAONなどが使えます。

モバイルSuicaやPASMO、ICOCAなどの交通系決済も可能であり、ウェアラブル端末だけで電車やバスなどの公共交通機関も利用可能です。Apple Watchほか一部の端末では、PayPay、LINE Pay、メルペイなどのQRコード決済にも対応しています。

・電子マネー決済機能の例

Apple Pay Google Pay おサイフケータイ
Visaタッチ決済
Mastercardタッチ決済
JCBタッチ決済
AMEXタッチ決済
iD
QUICPay
nanaco
WAON
Suica
PASMO
ICOCA
Visaタッチ決済
Mastercardタッチ
QUICPay
iD
iD
楽天Edy
モバイルSuica
nanacoモバイル for Android
モバイルWAON
QUICPay
モバイルPASMO
モバイルICOCA
JALタッチ&ゴーサービス
モバイルdポイントカード
ゴールドポイントカード

※実際の搭載機能は機種ごとに異なります。

音楽再生

Apple MusicやSpotifyなどで音楽再生を楽しめるウェアラブル端末もあります。

例えば、ウォーキングやランニングの際に着用すれば、スマホをポケットに入れていなくても快適に音楽視聴が可能です。ワイヤレスイヤホンを併用すれば、より快適かつスタイリッシュに音楽を満喫できます。

音声認識で音楽を再生・停止できる端末も多く、家事や作業しながら音楽を聴くのにも良いでしょう。

・音楽再生機能の例

  • Apple Music
  • Spotify
  • Amazon Music
  • LINE MUSIC
  • スマホに保存した音楽の再生

※実際の搭載機能は機種ごとに異なります。

動画視聴

動画視聴に対応した端末としては、スマートグラスが人気です。スマートグラスを着用すると、眼前に仮想スクリーンが広がり、大画面で動画を視聴できます。

また一部のスマートウォッチも動画再生に対応しています。

・動画視聴機能の例

  • スマホ画面のミラーリング
  • ゲーム機との接続
  • ドローン映像の確認
  • 小型液晶での動画再生

※実際の搭載機能は機種ごとに異なります。

ゲーム

ウェアラブル端末のうち、スマートグラスはPCゲームやNintendo Switch、 PlayStation 5などと接続してゲームプレイも楽しめます。100インチ以上の仮想スクリーンにゲームを投影できるため、PCモニターやテレビ以上に大迫力な体験となるでしょう。

そのほか、外出先でも楽しめるスマートウォッチ向けのゲームアプリも数多く開発されています。

写真・動画撮影

ウェアラブルカメラを筆頭に、内蔵のカメラで写真や動画を撮影できるウェアラブル端末もあります。顔や首、胸などにカメラを装着してハンズフリーで撮影ができるため、写真や動画の表現の幅が広がります。

またスマートフォンのカメラを遠隔操作できるタイプのウェアラブル端末も。複数人での写真撮影をはじめ、スマホカメラから離れて撮影する場合に便利です。

メモ機能

ウェアラブル端末には、タップ操作や音声入力でメモが取れる機種もあります。アイデアを思いついたとき、何か記録しておきたいときなどに、スマホよりもさらに手軽にメモが残せて便利です。

ビジネスに活用したり、気軽に日記をつけたりするのにもよいでしょう。

安全管理

ウェアラブル端末には、着用者の安全を守るための様々な機能も搭載されています。

例えば、転倒検出機能では着用者の転倒を検知し、手首を叩いたり、警告音を鳴らしたりして着用者の意識を確認。転倒から一定時間が経過しても応答がない場合は緊急通報サービスにダイヤルされます。

またバイタルサインのモニタリングができるウェアラブル端末は、ビジネスや医療現場での活用が期待されています。具体的には、ドライバーの心拍数や体温などから眠気や疲労度を判定したり、高齢者や要介護者の健康状態をチェックしたりといった使い方です。

・安全管理機能の例

  • 転倒検出機能
  • 転倒検出と連動した自動通報
  • バイタルサイン
  • 疲労度・眠気の検出
  • 緊急電話

※実際の搭載機能は機種ごとに異なります。

ウェアラブル端末の種類

ウェアラブル端末には、時計型・バンド型・メガネ型をはじめ、さまざまな種類があります。代表的なウェアラブル端末の種類は以下の通りです。

スマートウォッチ

スマートウォッチは、腕時計型のウェアラブル端末です。盤面がタッチスクリーンになっており、時間の確認はもちろん、健康管理や電子マネー、SNSなどいろいろな機能、アプリが使えます。

スマートウォッチの2大ブランドは、Apple WatchとGARMIN(ガーミン)ウォッチ。そのほか、Google Pixel WatchやGalaxy Watch、Fitbit、HUAWEI製品なども人気です。

スマートバンド

スマートバンドは、タッチスクリーンを搭載したリストバンド型のウェアラブル端末です。よく似たスマートウォッチと比較すると、コンパクトで軽量のほか、健康管理機能を重視しているという特徴があります。

歩数や心拍数、距離、消費カロリーなどを計測し、日頃の運動や睡眠の伴走者となる「フィットネストラッカー」としての役割が期待されます。電子マネー機能を搭載したものも多いため、ウォーキングやランニングの際に買い物をするのにも良いでしょう。

代表的なブランドはHUAWEI Band、Fitbit charge、Xiaomi Smart Bandなど。スマートウォッチに比べてリーズナブルなことも魅力です。

スマートグラス

スマートグラスとは、眼鏡やサングラスのように装着して使うウェアラブルデバイス。レンズから見えるリアルな光景に、Webや映像を重ねられることから「ARグラス※」とも呼ばれます。

スマートグラスをかけると、大きな仮想スクリーンで動画鑑賞やゲームプレイ、Web閲覧などを楽しめます。そのほか、通知機能や写真・動画撮影、音楽再生など、ウェアラブルデバイスの一般的な機能も利用可能です。

※ARは「拡張現実」の意

スマートリング

スマートリングは、指輪形の超小型ウェアラブルデバイス。スマートウォッチのような液晶はついておらず、かざして使ったり、音を出したりというシンプルな機能性となっています。

例えば、EVERING(エブリング)は、Visaのタッチ決済に対応。手をかざすだけの簡単操作でキャッシュレス決済が行えます。

そのほか、健康管理や通話・メッセージ読み上げ、スマートキー機能など、機種ごとに特色ある機能が搭載されています。

ウェアラブルスピーカー

ウェアラブルスピーカーとは、肩に乗せて、もしくは首から掛けて音が聴ける着用型のスピーカー。「ネックスピーカー」「肩掛けスピーカー」ともいいます。

ウェアラブルスピーカーの魅力は、耳の近くで音が振動することによるサウンドの臨場感。室内での音楽鑑賞や映画鑑賞、ゲームプレイなどを良い音質でより一層楽しめます。

またハンズフリーで通話ができることも便利。AIアシスタントに対応した機種には、家電を音声操作できるものもあります。

ウェアラブルカメラ

ウェアラブルカメラとは、ヘルメットや服、耳など、身体に装着できる小型・軽量カメラ。「アクションカメラ」「スポーツカム」とも呼ばれます。GoPro(ゴープロ)やDJI(ディー・ジェイ・アイ)の製品が有名です。

ウェアラブルカメラはハンズフリーで扱えるため、作業中の様子を撮影するのに便利です。一般的な用途はもちろん、工事現場や工場などの遠隔業務にも活用されます。耐衝撃性や防塵・防水機能を備えたものなら、登山やサーフィン、ダイビングなど、ハードな環境下での撮影にも耐えられます。

スマートウェア

スマートウェアとは、各種のセンサーデバイスを組み込んだシャツ型のウェアラブル端末。着用するだけで心拍数、心電図、呼吸、体温、発汗量、エネルギー消費量、関節角度などの生体情報を計測できます。

スマートウェアは、サイクリングアンダーウェアとしてなど、運動時の体調や姿勢をチェックするのに有用です。また医療現場での高齢者の見守りや、生産現場での従業員の体調管理など、ビジネスでの活用も期待されています。

ウェアラブル端末の選び方

自分に合ったウェアラブル端末を選ぶには、以下のポイントを意識するのがおすすめです。

用途や機能性で選ぶ

例えば、ビジネスで活用するなら、電話・メールの通知やスケジュール管理、タスク管理などの機能を備えたスマートウォッチが便利です。スマートウォッチには、GARMINをはじめ、ビジネス向けのスタイリッシュなデザインの製品もたくさん発売されています。

またフィットネスやダイエットなどに関心のある方には、健康管理の機能が充実したスマートバンドがオススメです。自宅でのリラックスタイムを充実させるには、スマートグラスやウェアラブルスピーカーも良いでしょう。

「キャッシュレス決済だけ」「メモだけ」のように、ピンポイントで機能がほしいなら、超小型の指輪型スマートリングなども魅力的です。

スマホのOSで選ぶ

ウェアラブル端末はブランドごとにOSが異なるため、スマホのOSとの互換性も意識して選ぶ必要があります。とくにAppleのwatchOSはiOS限定、GoogleのWear OSはAndroid限定となっているので注意しましょう。

主なウェアラブル端末のOSは以下の通りです。

OS スマホ
watchOS(Apple) iOS
Wear OS(Google) Android
Fitbit OS iOS・Android
Tizen(Samsung) iOS・Android
HarmonyOS(Huawei) HarmonyOS・Android

 

自分に合ったウェアラブル端末を探そう!

身体に着用して使用するウェアラブル端末は、健康管理や通知機能、キャッシュレス決済など、さまざまな便利機能が搭載されています。スマートグラスやスマートリングをはじめ、使い方やデザインがユニークな製品が多いことも魅力です。

スマホの代替や機能拡張にも便利なので、これを機会にぜひ自分に合ったデバイスを探してみましょう。

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