Wi-Fiとインターネットはどのように違うのでしょうか。
インターネットを利用する上で欠かせないWi-Fiですが、その仕組みや導入方法について詳しく知る人は少ないかもしれません。
この記事では、光回線を使ったWi-Fi接続の手順を4つのステップで解説します。
光回線の選び方から開通工事、機器の接続、Wi-Fiルーターの初期設定まで、各段階で気をつけるべきポイントを丁寧に説明します。
また、光回線とWi-Fiの違いや、料金・通信速度・工事の必要性など、サービスを比較する上で重要な情報も紹介します。
快適なインターネット環境を構築するために、ぜひ参考にしてみてください。
光インターネットとWi-Fiの違いを理解しよう
光インターネットと無線LANであるWi-Fiは、インターネットを利用するための方法として大きく異なります。
光インターネットは自宅に有線設備を整備することでインターネット接続を実現するのに対し、Wi-Fiは無線ルーターを設置することでインターネットへのアクセスを可能にします。
光回線は高速かつ安定した通信が実現できる一方、Wi-Fiは手軽にインターネットを利用できるメリットがあるのです。
それでは、光インターネットとWi-Fiの通信品質や費用、回線工事の必要性などの違いについて、詳しく見ていきましょう。
通信速度と安定性の違いに注目
光インターネットは、ルーターを介して有線で直接回線と接続するため、高速かつ安定した通信が可能です。 光ファイバーケーブルを使用することで、大容量のデータを高速に送受信できるのが特徴です。
一方で、Wi-Fiはルーターからの電波を無線で受信して通信を行うため、その過程で若干の電波損失が生じることがあります。
障害物の影響や電波干渉などにより、通信速度が低下したり、接続が不安定になる可能性があります。
使用環境によっては、光インターネットと比較して通信速度が低下したり、通信が不安定になることがあります。
初期費用と月額料金の違いをチェック
光インターネットの初期費用は、プロバイダーによって異なりますが、概ね5,000円から15,000円程度です。 光回線の開通工事費用や機器のレンタル料などが含まれます。
月額料金は、戸建とマンションで相場が異なり、戸建の方が高めに設定されることが多いです。これは、戸建では1家族で1回線を使用するのに対し、マンションでは既存の回線を住人と分け合って使用できるためです。
| 住居形態 | 月額料金 | 理由 |
| 戸建 | 約4,500円から6,000円 | 1家族で1回線を使用するため |
| マンション | 約3,500円から5,000円 | 既存の回線を住人と分け合って使用できるため |
Wi-Fiは、無線ルーターを所有していれば基本的に初期費用はかかりません。 一部のプロバイダーでは、契約プランに月額500円から1,000円程度を上乗せすることで、無線ルーターのレンタルサービスを提供しています。
Wi-Fiの月額料金は約3,500円から4,500円程度で、光インターネットよりも安価なのが特徴です。ただし、通信速度や安定性では光回線に及ばない点には注意が必要でしょう。
回線工事の必要性の有無を確認
光インターネットを利用するには、自宅に回線を引き込むための工事が必須です。 光ファイバーケーブルを敷設し、宅内に機器を設置する作業が必要となります。
引越し後すぐに光インターネットを使いたい場合は、入居日よりも前に工事を完了させておく必要があります。工事の日程調整や立ち会いが必要なため、手間と時間がかかるのがデメリットと言えるでしょう。
対して、Wi-Fiは無線ルーターを使用するため、回線工事は不要です。 プロバイダーとの契約手続きを済ませ、入居後にルーターを設置するだけで、すぐにインターネットを利用できます。手軽さと即時性が大きなメリットです。
Wi-Fiを利用する3つの方法を解説
ワイヤレスでインターネットに接続するには、主に3つの方法があります。 それぞれの特徴を詳しく説明するので、用途に合わせて最適な方法を選びましょう。 Wi-Fiを利用する方法として、光回線を使ったWi-Fi、ホームルーター、モバイルWi-Fiの3つがあります。
光回線を使ったWi-Fi：高速で安定した通信を実現
光回線を使ったWi-Fiは、高速かつ安定した通信が可能なのが大きな特徴です。 2023年7月時点で、光回線の平均下り速度は379.5Mbpsにのぼります（参照：みんなのネット回線速度（みんそく））。
これは、後述するホームルーター（169.6Mbps）やモバイルWi-Fi（53.0Mbps）と比べても、圧倒的に速い数値です。光ファイバーケーブルを使用することで、大容量のデータを高速に送受信できるため、ストレスのないインターネット環境を構築できます。
Mbpsとは、1秒間に送受信できるデータ量を表す単位です。 高画質の動画を視聴する場合でも、下り速度が15～20Mbps程度あれば快適に利用できると言われています。
光回線のWi-Fiを使えば、普段使いでストレスを感じることはほとんどないでしょう。ただし、光回線を使ったWi-Fiを利用するには、原則として光ファイバーを引き込む工事が必要です。
また、回線と端末間の無線通信を可能にするWi-Fiルーターも、購入またはレンタルで用意しなければなりません。
光回線は通信事業者によって速度や料金が異なるため、予算や用途に応じたサービスを選ぶことが重要です。
ホームルーター：コンセントに挿すだけですぐにWi-Fiが使える
ホームルーターは、コンセントに挿すだけで使える置き型のWi-Fiルーターです。 手軽に設置でき、すぐにインターネットを利用できるのが最大の特徴と言えます。入手後すぐに使え、通信速度も比較的安定しているのが特徴です。
光回線のように工事が不要で、手間をかけずにWi-Fi環境を整えられるメリットがあります。
ホームルーターはスマホと同じモバイル回線を利用しているため、別途有線のインターネット回線を整備する必要がありません。 機器さえ入手できれば、最短で当日から利用可能なのは大きなメリットと言えるでしょう。
光回線の導入が難しい人や、すぐにインターネットを使いたい人には特におすすめです。ただし、ホームルーターの通信速度は光回線ほど高速ではありません。大容量のデータを頻繁にやり取りする場合は、速度面で物足りなさを感じる可能性があります。
ただし、山間部やビルの谷間などでは、モバイル回線の電波が遮られて通信が不安定になることがある点には注意が必要です。
自宅に設置する際は、電波を受け取りやすい窓際で、床から1～2m離れた場所に置くようにしましょう。 家電製品の近くは電波干渉が起きやすいので、避けるのがベストです。
モバイルWi-Fi：外出先でもインターネットに接続できる
モバイルWi-Fiは、持ち運び可能なWi-Fiルーターのことを指します。 小型で軽量なため、鞄に入れて持ち歩けるのが最大のメリットです。
電源を入れるだけですぐに使え、屋外でもインターネットに接続できるのが最大の特徴です。外出先でのインターネット利用に最適なWi-Fi方式と言えるでしょう。
モバイルWi-Fiはホームルーターと同様、モバイル回線を使用しています。 そのため、基地局からの電波が届く範囲であれば、どこでもインターネットが使えます。 機器本体が充電式なので、コンセントに繋ぐ必要もなく、持ち運びが可能です。
工事を避けたい人や、外出先でもインターネットを使いたい人にぴったりのサービスです。ただし、モバイルWi-Fiは電池駆動のため、利用時間に制限があります。長時間の利用には向いていません。
ただし、モバイルWi-Fiは光回線やホームルーターと比べて通信速度が遅い傾向にあります。 長時間使う場合は、バッテリー残量にも注意が必要です。
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自宅でWi-Fiを使うために欠かせない2つのポイント
自宅でWi-Fiを利用するには、ここでお伝えする2つのことが必要不可欠です。
自分に合ったプロバイダーとプランを選ぶ
まず最初に、契約するプロバイダーを選びましょう。 プロバイダーはインターネット接続サービスを提供する会社のことで、サービス内容や料金プランが異なります。
プロバイダーによってサービス内容やサポート体制が異なるため、ホームページなどで情報を収集しながら、自分に最適なプロバイダーを見つけることが大切です。通信速度、料金、サポート体制など、重視するポイントを明確にしておくとよいでしょう。
また、多くのプロバイダーが容量別に複数のプランを用意しています。 プランによって月額料金が異なるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
自分のインターネット利用状況に合わせて、最適なプランを選ぶことが重要です。
無線ルーターを準備する
自宅でWi-Fiを使うには、無線ルーターが必須です。 無線ルーターは、インターネット回線と端末を無線で接続するための機器です。
先ほども触れましたが、無線ルーターからの電波を端末が受信することで、Wi-Fiを介してインターネットを利用できるようになります。無線ルーターがないと、Wi-Fiを使ったインターネット接続はできません。
無線ルーターは、家電量販店などで購入可能です。 一部のプロバイダーでは、無線ルーターのレンタルや販売を行っています。無線ルーターを選ぶ際は、自宅の広さや同時接続する端末の台数などを考慮する必要があります。
無線ルーターには様々な機能や性能があり、価格帯も幅広いです。 自宅の広さや接続予定の端末数、必要な容量などを考慮して選ぶのがおすすめです。高機能な無線ルーターは高価になる傾向がありますが、快適なWi-Fi環境を構築するには欠かせません。
自宅で使うデバイスとWi-Fiの接続方法を解説
ここからは、自宅でインターネットを利用するデバイスとWi-Fiの接続方法について説明します。
無線ルーターを接続する手順
Wi-Fiに接続するには、光回線終端装置やモデムと無線ルーターを繋ぐ必要があります。 光回線終端装置は、プロバイダーからインターネット通信用に提供される機器です。
この装置は、自宅外の電線から引き込んだ光回線とデバイスの間を仲介する役割を担います。光回線終端装置と無線ルーターを正しく接続することで、Wi-Fiを利用できるようになります。
有線でインターネットに接続している場合、光回線終端装置とパソコンがLANケーブルで直結されています。 無線でインターネットを使いたい場合は、パソコンからLANケーブルを外し、代わりに無線ルーターと接続します。
これにより、光回線終端装置と無線ルーターが繋がった状態となり、無線でのインターネット利用が可能になります。無線ルーターの設置場所は、電波の届きやすさを考慮して決める必要があります。障害物の少ない中央部が適しています。
パソコンやスマートフォンとWi-Fiの接続手順
パソコンやスマートフォンとWi-Fiの接続方法は、お使いの機器によって異なります。 ただし、基本的な手順は、「設定」から「Wi-Fi」を選び、Wi-Fi機能をオンにすることです。
その後、ユーザー名やパスワードの入力画面が表示されるので、それぞれ入力すればWi-Fiに接続できます。無線ルーターのSSIDとパスワードを確認し、端末に正しく入力することがポイントです。
パソコンやスマートフォンと無線ルーターの間で正常に通信が行われると、すぐにインターネットが使えるようになります。 ユーザー名とパスワードは、多くの場合、プロバイダーから渡された書類に記載されています。
手元に用意しておくとスムーズに設定できるでしょう。Wi-Fiに接続できない場合は、無線ルーターの電源が入っているか、SSIDとパスワードが正しいかを確認しましょう。
なお、初期設定のパスワードには脆弱なものもあるので注意が必要です。 パスワードが破られると、近隣の住民に無断でWi-Fiを利用されてしまう可能性があります。
セキュリティ対策として、複雑なパスワードに変更しておくことをおすすめします。 定期的にパスワードを変更することも、セキュリティ向上につながります。
光回線でWi-Fiを使うための4ステップ
最後に、光回線でWi-Fiを使う手順を4つのステップで解説します。 具体的な手順を紹介するので、導入を検討している人は参考にしてください。 光回線でWi-Fiを利用するには、準備段階から設定まで、一定の手順を踏む必要があります。
STEP1：自分に合った光回線を選ぶ
まず最初に、利用する光回線を決めましょう。 光回線は、プロバイダーによって提供エリアや料金プランが異なります。
光回線は、対応エリア・料金・通信速度などが異なります。 どのようにインターネットを使うかを想定し、用途に応じたサービスを選ぶことが重要です。通信速度、料金、サポート体制など、自分が重視するポイントを明確にしておくと選びやすくなります。
光回線を利用するには、回線事業者とプロバイダーの両方と契約が必要です。 回線事業者はインターネット回線を提供する会社、プロバイダーは回線とインターネットを繋ぐ接続事業者のことを指します。
どちらか一方だけの契約ではインターネットが使えないので注意しましょう。最近は回線事業者と契約するとプロバイダーもセットで付いてくるケースが一般的です。NTTの回線を使った光コラボなどがこれに当たります。
プロバイダーにこだわりがない人は、積極的に利用してみるのがおすすめです。
STEP2：光回線を契約し、開通工事を行う
契約する光回線が決まったら、インターネット・電話・家電量販店などで申込みます。 申込み方法は事業者ごとに異なるため、各社の公式サイトで確認することをお勧めします。
申込み方法を間違えると、手続きに時間がかかったり、キャンペーン特典が適用されない可能性があります。不明点があれば、事業者に問い合わせることをおすすめします。
申込み手続き後は、光回線の開通工事に移ります。 NTTのフレッツ光から光コラボへの乗り換え、光コラボ間の乗り換え、光コンセントが未設置の場合は、原則として開通工事が必要です。
光コンセントとは、光ファイバーと室内の通信機器を接続するための差込口で、通常は電源用コンセントと一体型になっています。工事日程は事前に調整が必要です。 希望日があれば、申込み時に伝えておきましょう。
申込み後、光回線業者から連絡が入るので、希望の日程を伝えてください。 一般的に、契約から2～4週間程度で工事が行われますが、引っ越しシーズンなどの繁忙期は予約が取れないこともあるので注意が必要です。
工事当日は立ち会いが必要なので、スケジュールを調整しておくことが大切です。
最後に工事の実施を確認し、光回線の開通が完了します。 作業時間は約1～2時間ですが、建物の状態によって前後します。 余裕を持ったスケジュールを組むことをおすすめします。
STEP3：必要な機器を接続する
光回線の開通が完了したら、ONUとWi-Fiルーターを設置します。 インターネットを使うには、光回線の開通だけでなく、通信機器を正しく接続することが不可欠です。 機器の接続を誤ると、インターネットが使えなかったり、通信速度が低下する可能性があります。
光回線でWi-Fiを使う際は、一般的に光コンセント・ONU・Wi-Fiルーター・端末の順で接続します。
多くの場合、光コンセントとONUの接続は工事担当者が行ってくれますが、Wi-Fiルーターは自分で接続する必要があります。機器の接続方法は、説明書に記載されています。しっかりと確認しながら作業を進めましょう。
まずは、Wi-FiルーターのモードスイッチがRTになっていることを確認しましょう。 次に、ONUのLANポートとルーターのWANポートをLANケーブルで接続します。
最後に、ONUとWi-Fiルーターの順に電源を入れて起動すれば、機器の接続は完了です。各機器のランプが正常に点灯していることを確認してください。
細かな手順は機種によって異なるため、誤作動を防ぐためにも必ず説明書を確認しながら作業を進めてください。 光回線業者によっては、電話や訪問でサポートを受けられる場合があります。 機器の取り扱いに自信がない人は、サポートを有効活用しましょう。
STEP4：Wi-Fiルーターの初期設定を行う
最後は、Wi-Fiルーターの初期設定です。 機器によって手順は異なりますが、プロバイダーの接続情報を設定しないとインターネットが使えない場合もあるので、忘れずに対応しましょう。 ここでは、一般的な流れを解説します。
設定に必要な情報は、プロバイダーから提供される資料に記載されています。事前に準備しておくことをおすすめします。
まず、Wi-Fiルーターに記載されているSSIDとネットワークセキュリティキーを確認します。 SSIDはネットワーク名を示し、ネットワークセキュリティキーとはWi-Fiを使用する際に必要なパスワードのことです。
これらの情報は、Wi-Fiルーターにアクセスするために必須となります。続いて、Wi-Fiルーターとデバイスをワイヤレスで接続します。
スマホやパソコンなどの端末でWi-Fi設定を開き、先ほど確認したSSIDを選び、ネットワークセキュリティキーを入力してください。
接続に成功すると、Wi-Fiルーターの設定画面にアクセスできるようになります。
最後は、プロバイダーの接続設定です。取扱説明書に沿って、端末のブラウザからWi-Fiルーターの管理画面にアクセスしてください。プロバイダーから提供されたユーザー名とパスワードを入力し、動作に問題がないか確認できたら、設定は完了です。
設定が完了したら、インターネットに接続できるか確認しましょう。接続に問題がある場合は、設定内容を再確認する必要があります。
一部の光回線事業者では、Wi-Fiルーターの初期設定をサポートしてくれることもあります。設定が難しく感じる場合は、サポートサービスを活用することをお勧めします。
まとめ
光回線を使ってWi-Fiを利用するには、適切な光回線の選択、開通工事、機器の接続、Wi-Fiルーターの初期設定という4つのステップが必要です。
光回線は通信速度や料金プランが異なるため、自分のニーズに合ったサービスを選ぶことが大切です。 開通工事や機器の接続、設定では、手順を誤ると通信トラブルの原因になるので、必ず説明書を確認しながら作業を進めましょう。
難しく感じる場合は、光回線事業者のサポートを活用することをおすすめします。 以上の点に注意して光回線とWi-Fiを導入すれば、快適なインターネット環境を構築できるでしょう。
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