ホームルーターの設置場所によって、Wi-Fiの電波の届きやすさが大きく変わることをご存知でしょうか。 適切な場所にホームルーターを設置することで、家中どこでもインターネットに接続できるようになります。
一方、電波の届きにくい場所に設置してしまうと、快適なインターネット接続が難しくなってしまいます。 この記事では、ホームルーターの最適な設置場所と、電波の届きにくい場所について解説します。
また、設置場所を変更しても電波が届きにくい場合の対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。 快適なWi-Fi環境を実現するために、ホームルーターの設置場所を見直してみましょう。
快適な通信を実現するホームルーターの最適な設置場所
ホームルーターを適切な場所に設置することで、電波の到達範囲を広げることができます。 高い位置や窓際、家の中心部に設置するのがおすすめです。
ホームルーターを設置する最適な場所
- 床から離れた高い位置
- 窓際や通気性の良い場所
- 部屋の中央部分
ここからは、ホームルーターを設置する最適な場所について詳しく解説していきます。
壁に取り付けるなど床から離れた高い位置
ホームルーターは、360度の球状に電波を飛ばすように設計されています。 そのため、床に直接置くと障害物が増加し、電波の伝播を妨げる要因になります。 家具や物などの障害物があると、電波が届きにくくなってしまいます。
また、床の素材によっては、電波が床で反射してしまう可能性もあります。 球状に飛んでいる電波を有効に活用するためにも、障害物が少ない高い位置にホームルーターを設置するのが効果的です。
理想的な高さは、床から1〜2メートル程度の位置です。 適切な高さに設置するスペースがない場合は、壁掛け式の収納インテリアを利用するのも一案です。 ホームセンターなどで1,000円前後で購入できます。
窓際や通気性の良い場所
ホームルーターは、携帯電話会社の基地局を介してインターネットに接続されています。 したがって、基地局からの電波をより良好に受信できる場所に設置することで、インターネットへの接続が安定します。 窓際や窓の近くは、基地局からの電波を受信しやすい場所と言えます。
ただし、ホームルーターは精密機器であることを忘れてはいけません。 窓際でも、結露などで湿気がこもる場所への設置は避けましょう。 通気性の良い場所に設置することをおすすめします。
先ほど、ホームルーターから発信される電波は360度の球状に広がることを説明しました。 電波は風の通り道のようなイメージで伝播すると考えると理解しやすいでしょう。
荷物でぎっしり詰まったクローゼットに風を送っても、換気は困難です。
電波も同様に、伝播経路を考慮する必要があります。 窓際にホームルーターを設置するスペースがない場合は、電波の通り道を妨げない見通しの良い場所に設置するのが賢明です。
頻繁に使用する部屋・家の中央部
ホームルーターから球状に発信されている電波を均等に届けるために、ホームルーターは家の中央部や頻繁に使用する部屋に設置するのが最適です。
プラネタリウムを想像してみてください。 ドーム型の室内でも、プロジェクターが部屋の端に設置されると、光が見えづらくなります。同様に、ホームルーターを室内の隅に置くと、360度の電波が効果的に届きにくくなります。
できるだけ部屋の中央部や、頻繁に使用する部屋に設置することで、電波の到達範囲が広がるためおすすめです。
電波の届きにくいホームルーターの設置場所
電波は遮蔽物の影響を受けやすい特性があります。 金属製の収納棚や物が詰まった棚、コンクリート製の壁や床の近くに設置すると、電波の伝播に悪影響を及ぼす可能性があります。
電波の届きにくいホームルーターの設置場所
- 金属製の収納棚の内部や近く
- コンクリート製の壁や床の周辺
- 電子レンジなどの電化製品の近く
- 水槽や花瓶などの水気のある場所の周辺
- 大きな鏡（姿見など）の近く
ここからは、電波の届きにくいホームルーターの設置場所について詳しく解説していきます。
金属製の収納棚の内部や近く
ホームルーターを金属製の棚の中などに設置するのは避けましょう。 電波は金属に反射されやすい性質があるため、電波の広がりが吸収されてしまう場合があります。 金属製の収納ボックスや棚などに置くと、電波の受信が悪化します。
また、狭いスペースに設置すると、物によって電波が遮断されてしまいます。 インテリアの見た目を重視して、棚の中にホームルーターを隠してしまうと、さらに電波が遮られてしまいます。 “隠す収納”をしていて電波が悪い場合は、一度設置場所を確認してみましょう。
電波は遮蔽物の影響を受けやすいという特性があります。特に金属や水、コンクリートといった素材は、Wi-Fi信号が届くのを阻害する要因となります。
コンクリート製の壁や床の周辺
コンクリートの壁には「鉄筋」が入っています。 先ほど説明したように、金属は電波を反射しやすい性質があります。 この鉄筋も金属であるため、電波の伝播の障害となります。 電波は反射を繰り返すとエネルギーが減衰してしまいます。
さらに、鉄筋だけでなくコンクリートの壁自体によっても物理的に遮断されてしまいます。 床がコンクリート製の場合も同様に、電波の伝播を妨げる原因になる可能性が高いです。コンクリートの壁や床の近くは、ホームルーターを設置するのにふさわしい場所ではありません。
電子レンジなどの電化製品の近く
電子レンジやコードレス電話などの電化製品の中には、電磁波を発しているものがあります。 ホームルーターと電化製品が同じ周波数の電波を発している場合、電波同士が干渉することで、信号が弱まることがあります。そのため、電子レンジなど電磁波を放出する家電製品の近くには、ホームルーターを置かないように注意しましょう。
水槽や花瓶など水気のある場所の周辺
見落としがちなのが、水槽や花瓶などの水が入っているものです。 「なぜ水槽や花瓶がダメなのか？」と疑問に思う方もいるかもしれません。
実は、水槽や花瓶そのものがNGなのではなく、「水」がNGなのです。 電波は水に吸収されやすい性質があるため、水槽や花瓶など水気の近くでは電波が弱くなってしまいます。 そのため、水槽や花瓶などの水気のある場所の周辺にはホームルーターを設置しないようにしましょう。
さらに、水分を吸収しやすい土壁や本がある場所など、湿気が発生しやすい環境も避けると安心です。
大きな鏡（姿見など）の近く
光が鏡で反射するように、電波もまた鏡によって跳ね返ります。
つまり、姿見や大きな鏡の近くでは、電波が弱まる可能性が高いのです。特に姿見のような大きな鏡は、電波を遮る可能性があるため注意が必要です。ホームルーターを姿見や大きな鏡の近くに置かないか、反射を防ぐために布などで覆うことも有効な対策です。
自宅のホームルーターをスタイリッシュに配置するアイデア
ホームルーターが部屋の美観を損ねたり、すっきりとまとめたいという理由から収納してしまう人も多いですが、電波の接続が悪くなるのでできるだけ避けるべきです。
ここでは、自宅のホームルーターをおしゃれに見せる配置方法を紹介します。
壁に取り付ける
壁掛け時計のように、ホームルーターを壁に取り付けることで設置スペースを確保できる方法です。
天井に設置するほどの手間がかからず、吊るすよりも簡単です。 100円ショップのアイテムを使って飾り付ければ、ホームルーターだと気づかれないようにカモフラージュすることも可能です。
ただし、壁に近づけて設置するため、電波に影響が出やすいことに注意が必要です。 また、金具を取り付ける際に壁に穴や傷をつけてしまう可能性があります。
天井から吊るす
ホームルーターを天井から吊るして、照明器具やハンギングインテリアのように見せる方法です。
視線に入りにくく、天井からある程度の距離を保ちながら部屋の中心に設置できます。 この配置方法なら、電波が衝突することなく、部屋全体に効率よく電波を届けられます。
LANケーブルは天井から壁に沿って這わせるように取り付ければ、ケーブル類をすっきりとまとめられます。 100円ショップのアイテムや造花などを使って、ホームルーターをデコレーションするのもおすすめです。
ホームルーター専用のボックスに収納する
ホームルーターをかごなどの箱に入れ、本体そのものを隠す方法です。
隙間の空いたコテージ風のボックスなどを使い、電波の通り道を確保しておけば、ある程度の機能性とデザイン性を両立させられます。
夏場などはホームルーターが熱を持ちやすく、その影響で電波強度が低下しやすくなるため、他の要因よりも注意が必要です。
LANケーブルも一緒に収納できるので、見た目を重視する人なら検討の価値があります。
ホームルーターを設置することのメリット
自宅でインターネットを利用する際、必ずしもホームルーターの設置が必要というわけではありません。 しかし、無線でインターネットに接続できるようになることで、多くのメリットが生まれます。 ここでは、代表的な3つのメリットを紹介します。
1. 家中どこでもインターネット接続が可能
Wi-Fi接続では、端末とホームルーターをLANケーブルで接続する必要がありません。 端末を使用する場所がLANケーブルの届く範囲に限定されないのが魅力です。 Wi-Fiの電波が届く場所であれば、家のどこにいても無線でインターネットを楽しむことができます。
2. 部屋がすっきりと片付く
ホームルーターと端末を繋ぐLANケーブルが不要になるため、部屋がすっきりとします。 また、手元のスペースを確保できるので、LANケーブルに手をぶつけたり、飲み物をこぼして破損させたり、つまずいたりする心配がなくなります。
3. スマートフォンやタブレットのモバイルデータ通信量を節約できる
スマートフォンやタブレットをWi-Fiに接続している間は、インターネットに接続してもモバイルデータ通信量は消費されません。 モバイル回線の料金プランのデータ通信量を超過して通信速度制限になってしまうことが多い方は、自宅にWi-Fi環境を整えることをおすすめします。
ホームルーターの設置時の注意点
次に、ホームルーターを設置する際の注意点について説明します。 細かな部分ではありますが、通信状況の改善に影響を与える箇所でもあるため、ぜひ参考にしてください。
1. テレビの裏や棚の中に隠さない
ホームルーターをはじめとする機器類は、配線などが見えてしまうため、テレビの裏や棚の中、収納の中などに隠して設置したくなる人もいるかもしれません。 しかし、このような設置方法は通信状況に影響を与えてしまいます。 できるだけテレビの裏や棚の中などに隠さず、しっかりと見える位置に設置するようにしてください。
2. カバーをかけない
ホームルーターが汚れるのを防ぐためにカバーをかけているケースがありますが、ホームルーターにはカバーをかけないようにしましょう。 前述のように、Wi-Fi電波は意外とデリケートで、遮蔽物の影響を受けやすいのです。 Wi-Fiの電波が弱まらないよう、そのままの状態で設置することをおすすめします。
3. パスワードの管理を徹底する
ホームルーターのパスワードは適切に管理し、セキュリティ対策を万全にしておきましょう。 ホームルーターを購入した時に設定されている初期管理用パスワードは、インターネット上で公開されている場合もあるので注意が必要です。 第三者に外部から不正に利用されないよう、パスワードは変更してから使用することをおすすめします。
4. 縦置きで設置する
基本的にホームルーターは縦置きで設置するように設計されています。 横に寝かせて設置したり、上下を逆にして設置したりすると、誤作動の原因となる場合があります。 平らな場所に縦置きで設置するようにしましょう。
設置場所を変更しても電波が届きにくい場合の対処法
ここまで設置場所を変更してみたにもかかわらず、「それでも電波が届かない」「改善しない」という方は、以下の方法を試してみてください。
1. 同時に接続する機器の数を減らす
ホームルーターにタブレット、スマートフォン、パソコン、スマートウォッチ、ゲーム機などさまざまな機器を接続しすぎていませんか？ インターネットが普及した近年では、タブレットでドラマを視聴しながら、LINEをしたり、ゲームをしたりすることも珍しくありません。
しかし、ホームルーターに多種多様なデバイスをインターネット接続すると、回線速度が低下してしまいます。 設置場所を変更しても「電波が届きにくい」という方は、インターネットに接続する機器の数を減らしてみましょう。
2. 接続する周波数を切り替える
電波には周波数があります。 WiMAXの場合、周波数は2.4GHz帯と5GHz帯です。 もし、お使いのホームルーターが周波数を切り替えられるタイプであれば、周波数を変更してみてください。
一般的に速度が速いのは5GHzですが、障害物が多い環境では2.4GHzの周波数の方が、接続しやすい場合もあります。
3. 中継器を使用して接続強度を向上させる
それでも「電波の受信状況が改善されない」という方は、お助けグッズとして中継器を使ってみるのも一案です。 中継器は、ホームルーターの電波を、離れた場所にある機器に中継してくれる装置です。
市販されている中継器を使用することで、接続できなかった部屋でもインターネット接続が可能になるケースがあります。 現在、コンセントに差し込むコンパクトなタイプや、アンテナが複数立っている据え置き型など、さまざまな中継器が発売されています。 Amazonや楽天などの通販サイトや、家電量販店でも購入できます。
4. ホームルーターの機種を変更する
これまで紹介した方法を「一通り試してみたけれど、やはり接続できない」という場合は、最終手段としてホームルーターの機種変更を検討してみましょう。
ホームルーターで利用できる回線はWiMAX回線とSoftBank回線の2種類のみです。 現在利用している回線がSoftbank回線ならWiMAXに、現在利用している回線がWiMAXであれば、Softbank回線に変更してみると解決する可能性があります。
ただし、機種変更には、手続きや費用面での負担も伴います。 さらに、機種変更しても、再び接続できない可能性があることも念頭に置く必要があります。 まずはプロバイダに相談するなどして、対処法を探ってみましょう。
WiMAXの場合、契約前に無料で15日間端末をレンタルし、回線を試用できるため、電波が届くかどうかを確認することも可能です。
まとめ
ホームルーターの設置場所は、電波の届きやすさに大きな影響を与えます。 快適なインターネット接続を実現するために、ホームルーターは床から離れた高い位置、窓際や通気性の良い場所、部屋の中央部に設置することをおすすめします。
一方、金属製の収納棚やコンクリート製の壁、電化製品の近くなど、電波の届きにくい場所は避けましょう。
設置場所を変更しても電波が届きにくい場合は、接続機器の数を減らしたり、周波数を切り替えたりすることで改善できる可能性があります。
それでも解決しない場合は、中継器の使用やホームルーターの機種変更を検討してみてください。 適切な設置場所と環境を整えることで、快適なWi-Fi接続を実現できます。
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