パソコンでインターネットが使えない状況は、日常生活やビジネスに大きな支障をきたします。
特にWi-Fi接続のトラブルは発生頻度が高く、その原因も端末の設定ミスから通信機器の不具合まで多岐にわたります。
本記事では、Wi-Fi接続が確立できない場合の主な原因と、具体的な解決手順をステップ毎に解説します。
通信機能の確認から始まり、機器の再起動、設定の見直し、さらには専門家への相談まで、状況に応じた対処方法をご紹介します。
このガイドに従って順番に確認していくことで、Wi-Fi接続トラブルを自力で解決することができるでしょう。
PCでWi-Fiが繋がらないときの主な要因
PCでインターネット接続がうまくいかない状況には、いくつかの要因が潜んでいます。
- 通信デバイスの基本設定の不適切な状態
- 通信機器全般における一時的な誤作動
- 家庭内ネットワーク構築状態の不全
- セキュリティウォールによる通信の阻害
- 制御プログラムの機能不全状態
デバイスの設定ミス、通信機器の動作異常、ネットワーク環境の構築ミス等、インターネット接続を妨げる要素は多岐にわたります。
通信設定の初期化、デバイスの動作リセット、ファームウェアの最新化、防御機能の一時解除、制御ソフトの再導入など、状況に応じた複数の解決策を検討する必要があります。
接続不良の原因究明が難しい場合は、以降で説明する復旧手順を順番に実施してみてください。
PCでWi-Fi接続が繋がらないときの対応手順
STEP1 Wi-Fi通信状況の確認
通信障害の発生原因として最も多いのが、端末側のWi-Fi機能が停止している状態です。
初期確認として、利用端末のWi-Fi通信機能が正しく起動しているかを精査します。
特に航空機搭乗モードを使用する場合は、Wi-Fi通信機能が自動的に停止していないかを確認することが重要です。
● Windows11システムでの確認方法
画面下部に配置された通信状態表示から設定パネルを起動します。
通信機能が停止している場合は未接続アイコンが表示されるため、選択して機能を起動させます。
STEP2 通信機能の初期化とシステムのリフレッシュ
Wi-Fi機能が起動しているにもかかわらず接続が確立できない場合、通信制御システムに異常が発生している可能性も考えられます。
無線通信機能を停止状態にした後、再度起動して接続を試行します。接続状態が改善されない状況では、システム全体の再起動処理を実行します。
モバイル端末は完全な電源オフ状態からの再起動を行い、コンピューターはスタートメニューからシステムの再起動を選択して実行します。STEP3 ネットワーク機器の動作状況を精査
端末側に異常が見られない場合、ネットワーク通信の要となるWi-Fi通信機器に不具合が生じている可能性が高いと考えられます。
各種ネットワーク機器が正常に稼働しているかを詳しく調べてみましょう。
● 電源供給と配線状態の確認
ネットワーク機器への電源供給は通信環境の基本となります。
電源ボタンの点灯状態を確認するとともに、本体接続部や電源アダプター、コンセントまでの配線接続状態を入念にチェックします。
長期使用による配線の劣化も通信障害の要因となる可能性があります。
● 動作状態表示ランプの確認
ネットワーク機器は本体上の表示ランプで稼働状況を示します。
機器メーカーや製品によって表示方法が異なるため、取扱説明書を参照しながら通信機能が正常に動作しているかを確認します。
● 非表示設定の状態確認
端末から設定画面にアクセスし、ネットワーク識別名の非表示機能が無効化されているかを確認します。
非表示設定が有効になっていると、端末がネットワークを自動的に検出できない状態となります。
STEP4 通信機器全体の動作リセット
ネットワーク機器の状態確認で問題点が特定できない場合、機器の動作リセットを実施します。
光回線終端装置やモデムなどの変換機器が接続されている場合は、それらの機器も含めた再起動を行います。
電源操作は「ネットワーク機器の停止」→「変換機器の停止」の順で実施し、起動時は「変換機器の起動」→「ネットワーク機器の起動」という順序で行います。
● ネットワーク機器の再起動手順
本体の電源ボタンもしくは電源ケーブルの抜き差しにより、機器の再起動を実行します。
● 変換機器の再起動プロセス
光回線終端装置やモデムなどの変換機器が設置されている環境では、これらの機器も再起動します。
電源停止はネットワーク機器から順に行い、数分間の待機後、変換機器から順番に電源を投入します。
変換機器の動作が安定したことを確認してから、ネットワーク機器の電源を入れます。
複数のネットワーク機器や中継装置を使用している場合は、すべての機器で同様の再起動操作を実施することで改善が期待できます。
STEP5 デバイスの通信設定を初期化
各種通信端末には、過去に接続したネットワーク情報が自動的に記録されています。
この保存データを消去して新規接続を試みることで、通信障害が解決する場合があります。
これまでの対策で改善が見られない場合は、この方法を試してみることをお勧めします。
Windows11における設定初期化の手順
- 通信管理パネルの表示
画面下部の通信状態表示から接続管理画面を開き、通信一覧を表示させます。
- 登録済みネットワークの消去
一覧から対象のネットワークで右クリックメニューを開き、登録情報を消去します。 続いて同一ネットワークを選択し、認証情報を入力して新規接続を確立します。
STEP6 システム保護機能の一時停止
PCでWi-Fiがうまく繋がらない状況では、システムの保護機能による通信制限が発生している可能性があります。
この機能は外部からの不正アクセスを防御する重要な役割を担いますが、設定状況によっては正常な通信まで制限してしまうことがあります。
なお、別途導入したセキュリティツールで同様の機能が動作している場合、システム標準の保護機能は不要となります。
機能を一時的に停止して接続状態の改善を確認してみましょう。
システム保護機能の停止手順
- 保護設定画面の起動
システムメニューから保護機能の設定画面を開き、ネットワーク保護の項目を選択します。
画面中央に表示される通信環境の一覧から、現在使用中のネットワーク種別を選びます。
- 保護機能の一時停止
保護機能の制御スイッチを操作して機能を停止状態にします。
同様の設定変更を他のネットワーク環境でも実施し、接続状態の改善を確認します。
STEP7 ネットワーク機器の完全リセットとシステム更新
これまでの対処で改善が見られない場合は、ネットワーク機器の設定を工場出荷時の状態に戻す必要があります。
併せて制御プログラムの更新状況を製造元のサポートサイトで確認し、必要に応じて最新版への更新を実施します。
これらの作業により、通信障害が解消される可能性があります。
ネットワーク機器の設定初期化プロセス
製品の種類により初期化方法は異なりますが、多くの機器では本体裏面や底面に設置された初期化スイッチを利用します。
電源供給中にスイッチを長時間押し続けることで、工場出荷時の状態に戻すことができます。
初期化の完了は本体のランプ表示で確認可能です。
なお、初期化スイッチが搭載されていない製品では、管理画面から設定の初期化を実行します。
制御プログラムの更新作業
ネットワーク機器を含むデジタル機器には、動作を制御するための基本プログラムが組み込まれています。
このプログラムは動作の安定性向上や脆弱性対策、新システムへの対応などのため、定期的に改良が加えられます。
製造元のサポートページで更新情報を入手し、手順書に従って最新版への更新作業を実施することをお勧めします。
通信制御ソフトウェアの更新と再導入
通信機能が内蔵されたPCでは、通信制御部品の更新状況も確認が必要です。
システム情報画面から機器管理ツールを開き、通信制御機器の一覧を表示させます。
対象となる通信機器を選択して制御プログラムの更新を実行します。
外付けの通信アダプターを使用している場合も、同様の手順で制御プログラムを更新することが可能です。
それでも直らない場合は専門家への相談を検討
これまでの対処方法を試してもPCでWi-Fiがうまく繋がらない場合、通信機器の物理的な故障が考えられます。
そのような状況では、専門家による診断を受けることが望ましいでしょう。
技術者による点検により、問題点が即座に判明する可能性があります。
機器製造元は訪問サポート非対応？
製造元のサポート窓口やウェブフォームを通じて修理依頼を行うことができます。
多くの製造元では配送による修理サービスを提供しており、指定した日時に運送業者が機器を回収し、修理施設での作業後に返送されます。修理完了までは通常1週間程度の期間を要します。
しかしながら、製造元による訪問サポートは一般的に提供されていません。
そのため、機器本体以外に起因する通信障害の場合、正確な原因究明が困難となる可能性があります。
例えば、機器間の物理的な距離が通信障害の原因である場合などが該当します。
このような理由から、通信トラブルに関しては製造元への相談が最適な選択とは限りません。
民間修理業者であれば訪問サポートも可能
通信機器の修理については、製造元以外の専門業者に依頼することも検討すると良いでしょう。
多くの修理業者が訪問サポートを提供しており、技術者が実際の使用環境で通信状態を診断します。
これにより、機器の設置環境に起因する問題など、現場確認が必要な事象も特定することが可能です。
ただし、訪問サポートを提供していない業者も存在します。
また、業者によって技術力に差異があり、適切な原因究明ができない場合もあることに留意が必要です。
まとめ
PCやスマートフォンでWi-Fiがうまく繋がらない場合、段階的な対処により問題解決を図ることが重要です。
まず端末側の通信機能が有効になっているか確認し、必要に応じて再起動を試みます。 改善が見られない場合は、ネットワーク機器の動作状態や配線接続を精査します。
通信環境の問題が疑われる場合は、機器の再起動や設定の初期化、制御プログラムの更新など、複数の解決策を順番に実施します。これらの対処で解決できない場合は、通信機器の物理的な故障の可能性も考えられます。
その場合、製造元への修理依頼や専門業者による訪問診断を検討します。特に環境要因による障害が疑われる場合は、現場での確認が可能な専門業者への依頼が効果的です。
計画的なトラブルシューティングにより、多くの通信障害は解決可能です。まずは基本的な対処から順番に試していくことをおすすめします。
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