USB Type-C のケーブルの選び方「USB 2.0/3.0 /3.1 /3.2」の違い。急速充電できるのはどれ?
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『USB Type-C』は、ケーブルの選び方次第で速度が変わることを知っていますか?
2023年9月、ついに『iPhone 15』で iPhoneの端子が Apple独自企画の『Lightning(ライトニング)』から『USB Type-C(Apple表記ではUSB-C)』に変更になったことが大きな話題になりました。
『USB Type-C』への変更の背景には、EUで “2024年の秋まで” に、すべてのスマートフォン・タブレット・カメラなどの有線充電用端子をUSB Type-Cに一本化する法律が可決されたことに起因していて、これから日本で流通する製品の多くが『USB Type-C』の充電端子になることが予想されています。
「ケーブルを何本も持ち歩かずに済む!」と、世間の評判も上々です。
便利な『USB Type-C』ですが、意外と知られていないのが、”USB Type-C の中に、USB 2.0・3.0・3.1・3.2・4 など、いろんな種類・規格がある” ということです。
よく「USB Type-C は、iPhoneで使われていたLightningより速度が速い」という話を耳にしますが、USB Type-C であっても、 “USB 2.0 ケーブル” を使うと、実際の速度はLightningと変わらないので注意が必要です。
そこで今回は、iPhone15の登場で話題の『USB Type-C(USB-C)』について、規格の種類・違い(USB 2.0・3.0・3.1・3.2・4)やケーブルの選び方をお伝えします。
USB Type-C(USB-C)とは?
『USB Type-C(USB-C)』とは、最も新しいUSBコネクタです。
2018年11月に、MacBook Air に搭載されたのを皮切りに、スマートフォンやタブレット、ノートPC、スピーカー、イヤフォンなど、多くの端末の端子として使われるようになりました。
上下の向き関係なく使える “リバーシブルデザイン” で差し込みやすいほか、”高速でのデータ転送” や、”大容量の電力供給” 、”映像の伝送” などの機能を持っているので、世界的に『USB Type-C(USB-C)』への移行が進んでいます。
USB Type-C の最大のメリットとは?
『USB Type-C(USB-C)』のメリットとして、いちばん大きいのは “1本のUSBケーブルですべての機器に接続できる” という点です。
従来のUSBコネクタは、ホスト側は『USB Type-A』、デバイス側は『USB Type-B』で接続する必要がありました。
『USB Type-B』には、”Micro USB Type-B” 、”USB Mini-B”、”USB Micro-B” など、さまざまな形状があったため、「カメラ用ケーブル・モバイルバッテリー用ケーブル、外付けHDD用…」など、各デバイス用にケーブルを持ち歩かなくてはならず、カバンの中やテーブルの上がケーブルでいっぱいということも多く、ケーブルを間違えてしまって、外出先で作業ができない…というトラブルも日常茶飯事。
『USB Type-C(USB-C)』は、1本のUSBケーブルだけですべての機器に接続できるので、複数のケーブルを持ち歩く必要がなくなり、便利です。
USB Type-C(USB-C)の速度は、Lightningより速い?
もう1つの『USB Type-C(USB-C)』のメリットとして、よく話が出るのが “高速でのデータ転送ができる” という点です。
但し、冒頭で記載した通り、『USB Type-C(USB-C)』には、USB 2.0・USB 3.0・USB 3.1・USB 3.2・USB 4 という規格があり、“USB 2.0 の端末機器・ケーブルを利用している分には、Lightningと同じ速度しか出ない” のが実情です。
<USB Type-C と Lightning の速度比較表>
USB Type-C の規格 | 速度 | Lightningの規格 | 速度 |
USB1.0 | 1.5Mbps | Lightningの規格は一種類のみ | 480Mbps |
USB2.0 | 480Mbps | ||
USB3.0 USB3.1 Gen1 USB3.2 Gen1 |
5Gbps | ||
USB3.1 Gen2 USB3.2 Gen2 |
10Gbps | ||
USB3.2 Gen2×2 | 20Gbps | ||
USB4 シングルレーン | 20Gbps | ||
USB4 デュアルレーン | 40Gbps |
『USB Type-C(USB-C)』であっても、ケーブルや端末機器の対応規格によって、高速通信が利用できないことがあるので、注意しましょう。
たとえば、PCからスマホへのデータ通信時、”USB Type-C で10Gbps高速通信を利用” するなら、パソコン・デバイス・ケーブルすべてが “USB 3.1 Gen2(USB 3.2 Gen2)以上の規格に対応” していないと、転送速度が活かされません。
“iPhoneではじめて USB Type-C を採用した” と話題になった、『iPhone 15』も、実際は上位モデルの『iPhone15 Pro』しか “USB 3” に対応しておらず、『iPhone15』モデルは “USB 2” 対応なので、Lightningと同等程度の速度でしか使えないのです。
(出典:iPhone15 Apple公式サイト)
また、『iPhone 15 Pro』の注釈には 「5. 10Gbpsの速度のUSB 3 ケーブルが必要です。」との記載があり、実際に高速通信を利用するためには、自分で『USB 3.2 Gen2(3.1 Gen2)』対応のケーブルを用意する必要があります。
もし、USB 3.0・USB 3.1・USB 3.2・USB 4 など、高速通信に対応した規格の端末を持っていても、ケーブルの選び方次第では、せっかくの速度を活用できないんですね!
USB Type-C(USB-C)のケーブルの選び方の3つのポイント
『USB Type-C(USB-C)』のケーブルを選ぶときに重要なのは、『通信規格』『通信速度』『電力量』の3点です。
(出典:エレコムダイレクトショップ 楽天市場店)
USBケーブルは、つい、デザインや色・ケーブルの長さで選んでしまいがちですが、上記の例のように、『通信規格』『電力量』『転送速度』に関する記載があるので、確認して購入するようにしましょう。
「通信規格」と「転送速度」
『USB Type-C(USB-C)』のケーブルには、“USB 2.0・USB 3.0・USB 3.1・USB 3.2・USB 4” という規格があり、それぞれにデータの転送速度が違うので、10Gbpsの高速通信を利用したい人は、”USB 3.1 Gen2(USB 3.2 Gen2)” 以上の規格を選びましょう。
USB Type-C の規格 | 転送速度 |
USB2.0 | 480Mbps |
USB3.0 USB3.1 Gen1 USB3.2 Gen1 |
5Gbps |
USB3.1 Gen2 USB3.2 Gen2 |
10Gbps |
USB3.2 Gen2×2 | 20Gbps |
USB4 シングルレーン | 20Gbps |
USB4 デュアルレーン | 40Gbps |
「電力量」
『USB Type-C(USB-C)』は規格によって、”転送速度がちがう” のですが、規格のverと “電力供給量” には、相関性がありません。
急速充電できるケーブルを選びたい場合は、『USB PD(給電規格)』という、給電規格で判断します。
“60W以下、100W以下、240W以下” の3種類の規格があり、スマホやタブレットの充電であれば “60W” で十分ですが、PCの充電の場合は “100W以上” を選びましょう。
(出典:Sトラベルドン 楽天市場店)
↑上記『TOKAIZ USB 3.2 Gen2対応の Type-C to Type-C ケーブル』は、千葉県のメーカーのブランドの商品で、100Wの急速充電が可能なほか、ケーブルの長さも1〜3mから選べるので、おすすめです。
(出典:コンプモト楽天市場店)
また、高速充電の新規格『USB PD EPR ケーブル(240W)』であれば、もしケーブルだけでなく、USB充電器・接続するデバイスのすべてが “USB PD EPR対応” であれば、より急速な充電も可能になります。
まだ対応デバイス数が少ないのですが、今後の浸透に期待です。
USB Type-C の規格を理解した上で、ケーブルを選ぼう!
このように、『USB Type-C』には、さまざまな規格があり、ケーブルの選び方次第で、転送速度や充電速度が異なります。
「なんとなく…」で選びがちなケーブルですが、端末のスペックを最大限に活用するためにも、USBの通信規格や電力量にも着目して選ぶようにしましょう。