Li-Fi(ライファイ)とは?速度が速いって本当?メリット・デメリット
【この記事にはPRを含む場合があります】
Li-Fi(ライファイ)とは何?速度が早いって本当?
Wi-Fiとは何が違うの?Li-Fiのメリット・デメリットは?
そんな疑問はありませんか?
最近、ニュースなどで耳にする機会が増えた『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』。
「通信速度が速いらしい」という噂は聞いても、具体的にどんな技術なのかわかりづらいですよね。
そこで今回は、巷で話題の『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』とはどんな技術なのか、どんなメリット・デメリットは何かについてお伝えします。
Li-Fiとは?
まず、『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』とはどんな技術なのかについて見ていきましょう。
Li-Fiの概要
『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』とは、「Light Fidelity(ライト フィデリティ)」の略語であり、発光ダイオード(LED)を使用した光無線通信技術の1つです。
電波ではなく、通信に “可視光” と “不可視光(赤外線)” の両方を使用するのが特徴で、高速で光が点滅し、データ化されることで高速通信を可能にする技術のことを指します。
もともと、可視光通信(VLC)の歴史は1880年代にまで遡るのですが、2011年に英国エジンバラ大学のハラルド・ハース教授が、”TED(テッド)” で『電球からのデータ通信』という講義を行い、その中で、『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』という専門用語を提唱しました。
この講義が注目を集めたことで、2011年以来、積極的にベンチャー企業を中心に研究開発が進められています。
“照明” を使った無線通信という意味で、「光無線LAN」と表現されることもあります。
(出典:TED)
『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』は、Wi-Fiのように物体を透過できないため、アクセスポイントとデバイスがお互い見える位置になくてはいけないという制限があります。でも、そのおかげで、外部から傍受されにくい、”セキュリティ面で安全な通信” が可能になるほか、通信速度がとにかく速く、”Wi-Fiの100倍を超えるスピード” で通信ができるので、注目を集めているんです。
規格に関しては、Wi-Fiと同じく『IEEE 802.11』の規格が採用されていますが、2023年7月に、Li-Fi用の新しい規格『IEEE 802.11bb』が標準化されることが発表され、Wi-Fiと相互接続・相互運用可能になり、今後Li-Fiの活用が期待されています。
Li-Fiが持つポテンシャル
そんな『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』には、大きなポテンシャルが秘められています。
先に紹介したハラルド・ハース教授は、「マイクロチップを照明器具に取り付けるだけでLi-Fi装置にすることもできる」こと、「世界にある140億個の電球を、照明と無線通信の機能を備えたLi-Fi装置に変えることができる」可能性があることを提言し、Li-Fiの持つポテンシャルの高さを示しました。
海外では、すでにLi-Fiの実用化を進めているところもあり、ドバイでは街灯でのLi-Fi導入が検討されています。
Li-Fi速度は速い?
気になる『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』の速度ですが、Li-Fiの通信速度は最大224Gbps(理論値)を誇ります。
2019年に認証されたWi-Fi 6 については最大9.6Gbpsであり、Li-Fi(ライファイ/LiFi)はWi-Fi 6 をはるかに上回る通信速度を実現可能にします。
Li-Fiがあらゆる分野で実装されれば、日常生活におけるインターネット利用がさらに快適になるでしょう。
Li-Fiのメリット
ここからは、『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』のメリット・デメリットについて、見ていきますね。
まずは、”Li-Fi(ライファイ/LiFi)のメリット” です。”通信速度が速い” という点はすでに触れていますが、そのほかのおもなメリットを3つ紹介します。
メリット1. 通信障害・制限を気にしないで済む
『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』がもたらすメリットの1つは、”通信障害が気にならなくなること” です。
いま世界中で普及している『Wi-Fi』は、“2.4GHz” と “5GHz” という2つの周波数帯が採用されています。
Wi-Fiを利用する人が多いと、これらの限られた周波数帯へのアクセスが集中してしまい、電波干渉が発生することがあります。
電波を利用する『Wi-Fi』には “容量の制約” があることから、通信量が許容量を超えてしまうと障害や遅延を引き起こしてしまいます。
一方、『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』による光スペクトルは、Wi-Fiで使用されている無線周波の約1万倍の情報を扱えるため、通信障害が発生する心配がありません。
オンラインゲームやWeb会議中に、通信障害が発生したり、通信が遅くなったりすると、困りますよね。
通信障害が発生しない、快適なインターネット環境が実現できるのは、『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』の大きなメリットの1つです。
メリット2. 安全性が高い
『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』のメリットの2つ目は、”安全性が高い” という点です。
Wi-Fiを利用した高速通信では、精密機器などに影響を与える電磁波が発生します。
そのため、病院や飛行機内でのWi-Fi利用は制限されてきました。
その点、『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』は、電磁波が発生しないので、あらゆる場所で快適にインターネットを利用できるようになります。
とくに医療分野では “遠隔診療技術の導入” が検討されているので、「Li-Fiが採用されれば、遠隔でも手術支援を行うことが可能になる」と注目を集めています。
また、先に記載したように、『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』には、アクセスポイントとデバイスがお互い見える位置になくてはいけないという制限がある分、外部から傍受されにくいという “セキュリティ面での安全性が高い点もメリット” です。
メリット3. 水中でも利用できる
『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』は、光が届く場所であれば、”水中” であっても利用することができます。
現状、Wi-Fiでは水中での高速度無線通信が難しいので、『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』が活用されれば、”水中での高速度無線通信も可能になる ” と注目されています。
Li-Fi(ライファイ/LiFi)の活用によって、水中での生き物の撮影・研究がより進む可能性もありますよね。
Li-Fiのデメリット
なお、メリットの多い『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』ですが、デメリットもあります。
デメリット1. インターネットが接続できる場所が限られている
『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』の最大のデメリットは、”接続可能な場所が限られること” です。
Li-Fi(ライファイ/LiFi)は、”LEDの光が届く範囲でしかネットワークに接続できない” という制約があり、LEDが利用できない環境ではと使えません。
設置が手軽なWi-Fiと比べると、導入に手間がかかると言えるでしょう。
デメリット2. 従来のLED電球は使用できない
『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』のデメリットの2つ目は、”Li-Fi対応のLED電球が必要” という点です。
Li-Fi(ライファイ/LiFi)装置を各家庭やオフィスで導入しようとしても、従来のLEDを使用することができません。
また、”接続するデバイスもLi-Fi対応の光センサーを搭載していないと活用できない” ので、今すぐに使うことがむずかしいんですね。
Li-Fiが普及して、実際にどこでも手軽に活用できるまでには、まだ時間がかかるでしょう。
デメリット3. 屋外では使いにくい
『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』のデメリットの3つ目は、”屋外では使いにくい” という点です。
Li-Fi(ライファイ/LiFi)には、”直射日光が当たると、光センサーが変調光波を検出できなくなってしまう” というという弱点があります。
最近は、屋外で活用するためのLi-Fiの技術開発が進められているのですが、直射日光に弱い点はLi-Fi導入のデメリットの1つになっています。
今後の技術開発に期待です!
Li-Fiでインターネット環境がさらに快適に!
これまで見てきたように、『Li-Fi(ライファイ/LiFi)』は、無限のポテンシャルを持つ新しい通信手段です。
インフラ整備に時間がかかるというデメリットを抱えてはいますが、今後の技術開発次第で、一気に普及が進んでいく可能性があります。
Li-Fiの普及が進めば、仕事も生活もさらに快適になるはず。
これからの進化に注目していきましょう!