GPTs(GPT Builder)とは?特徴•メリット•活用事例•利用料金「ノーコードでオリジナルチャットボットを作れる」

gpts

GPTs(GPT Builder) を使って、ChatGPTを誰でも独自にカスタマイズできるって本当?

2023年11月15日(米国時間)、ChatGPTを提供する OpenAI社は、ChatGPTの有料版『ChatGPT Plus』の新規ユーザー登録の申し込みを一時停止したと発表しました。

“ChatGPTの有料版への申し込み者が急増したこと” が新規申し込み一時停止の原因なのですが、なぜ 月額20ドル(約2,900円) の利用料がかかる有料プランへの申し込みが増えたかというと、2023年11月6日(米国時間)、OpenAI社主催の開発者向けイベント『OpenAI DevDay 2023』で、ノーコードでChatGPTをカスタマイズできるGPTs』という夢のような新機能が発表されたからです。

そこで今回は、いま世界中で注目を集める、ChatGPTの有料版 ChatGPT Plus に搭載された新機能『GPTs』について、機能の詳細や特徴・メリット、活用方法・活用事例をお伝えします。

「GPTs(GPT Builder)」とは?

GPTs 紹介

GPTs(GPT Builder)とは、ChatGPTをカスタマイズできる機能で、自社や自身のオリジナルのチャットボットを作って公開することができる機能です。

2023年11月6日(米国時間)に、OpenAI社主催の開発者向けイベント『OpenAI DevDay 2023』で発表され、現在は、ChatGPTの有料プラン『ChatGPT Plus』のみ利用することができます。

「GPTs」の5つの特徴・メリット

GPTsGPT Builder)』がリリース早々から大きな人気を集めたのは、下記のような特徴・メリットがあるからです。

1. ノーコードで作成できる

プログラミング コード

GPTsGPT Builder)』のいちばんの特徴・メリットは、“ノーコード” でオリジナルのチャットボットを作成できるという点です。

ノーコードとは、ソースコードの記述をせずに、アプリやWebサービスの開発が可能なツールのこと。プログラミングの知識がなくても開発や独自のカスタマイズができるので、”誰でもかんたんに使える” という点は大きなメリットです。

とくにGPTsGPT Builder)は、AIとの対話(チャット)形式で作成できるので、Web初心者や機会が苦手…という人でも安心です。

2. 開発費がかからない・月額利用料金が安い

コスト

GPTsGPT Builder)』は、月額20ドル(約2,900円)のChatGPT有料版利用料金だけで、オリジナルのチャットボットを作成・公開することが可能です。

“ノーコードでオリジナルのチャットボットを作成できるサービス” は、GPTs以外にも、すでにいくつか提供されているのですが、数万円〜数十万円の初期費用や、数万円〜数十万円の月額利用料がかかるものが多く、独自のチャットボットを作りたいと思っても、コスト面で断念せざるを得ないケースも多いのが実情でした。

その点、GPTsGPT Builder)は、月額20ドル(約2,900円)ChatGPT有料プラン(ChatGPT Plus)利用料だけでチャットボットを作成・利用できるので、コストの負担が少なく、より多くの人が利用することが可能です。

3. 開発にかかる時間が短い(20分〜30分)

カレンダー

GPTsGPT Builder)』は、チャットボットの作成・カスタマイズにかかる時間が “短くて済む” という特徴もあります。

ノーコードで独自のチャットボットを作成できるサービスでも、回答のパターンの入力や設定に、数週間〜数ヶ月かかるケースが大半でした。

その点、『GPTsGPT Builder)』であれば、AI技術をもとにしているので、AIとチャット形式で対話しながら、数十分程度でかんたんにチャットボットを作成することが可能です。

開発にかかる時間が短くて済めば、サービスリリースを早めることができる上、人件費などのコストカットにもつながるので、ありがたいですよね!

4. 公開範囲を「自分のみ」「リンクを知っている人のみ」「一般公開」で選べる

GPTsGPT Builder)』の特徴・メリットとして、”公開範囲が選べる” という点も見逃せません。

GPTsGPT Builder)で作成したチャットボットは、下記の2つの公開範囲を選択することができます。

<GPTs(GPT Builder)の公開範囲>

・Only me(自分のみ)
・Only people with a link(リンクを知っている人のみ)
・Public(一般公開)

「Only me(自分のみ)」を選択すれば、家に置いている家電の操作方法や、自宅の物の保存場所を記録・回答してもらう “個人的なチャットボット” を作成でき、「Only people with a link(リンクを知っている人のみ)」を選択すれば、”社内” や “特定のチーム専用” のチャットボットを作ることができます。

「Public(一般公開)」だけでなく、公開範囲を選べることで、活用の幅も広がりますよね!

5. APIで外部ツールとも連携可能

GPTsGPT Builder)』は、”オリジナルのチャットボットをかんたんに作ることができる” という点で人気なのですが、もう一つ、開発者を中心に注目されているのが、GPTsに搭載された『Custom Actionsカスタムアクション)』という機能です。

Custom Actionsカスタムアクション)』機能を使えば、”外部のデータをAPIを使って呼び出して、データを取得することが可能になる” ので、たとえば、下記の動画のように「Googleスプレッドシートに入力したデータをもとに、GPTsで作成したチャットボットを動かす」ことも可能です。

APIを使って、外部のツールと連携できるようになったことで、ChatGPTの技術を、いろんな形で活用できるようになったんですね!

「チャットボットをどんどんカスタマイズしていきたい」「独自性の強いツールを作成したい」という人にとっては、非常にうれしい進化と言えるでしょう。

「GPTs」でできること・活用事例

これまで見てきた通り、『GPTsGPT Builder)』には、開発に数十万〜数百万円かかっていた “自社・自分オリジナルのチャットボット” が、かんたんに作成でき、月額20ドル(約2,900円)のChatGPT有料版利用料金だけで作成できるなど、うれしいメリットがたくさんあります。

すでに、”カスタマーサービスにチャットボットを活用したかった会社” や、”ファン向けにサービスを展開したかったインフルエンサー” など、多くの人がGPTsを使ってオリジナルのチャットボットを公開して反響を得ているので、参考に、『GPTsGPT Builder)』の活用事例をいくつか紹介しますね。

事例1. 試験問題と回答を読み込ませた「教育系チャットボット」

外資系コンサルタントのズラータン氏が作成したのは、「データサイエンティスト検定の問題を出題してくれるGPTs」です。

チャット形式で出題してもらえたら、試験勉強が捗りますよね!

ChatGPTの教育分野での活用方法が注目を集めていますが、チャットボットを “自習ツール” として活用できるようになれば、学校教育はもちろん、新人研修生涯学習の分野でも、学びの効率化・多様化が実現できるでしょう。

事例2. 専門知識を習得させた「お助け系チャットボット」

(株)BAMBOO INCUBATOR CEO で弁護士の千葉直愛氏は、自身の経験をもとに、『GPTsGPT Builder)』を使って、「プライバシーポリシーのテキストファイルをアップロードするだけ」で、「個人情報保護法で必須の記載事項が含まれているかの有無」や「必須ではないものの、記載するのが望ましいとされている事項の有無」を簡易的に診断してくれる『プラポリチェッカー』を作成し、公開しました。

このように、法律など “専門知識” を習得させたチャットボットを作成すれば、”顧客の満足度アップ” や、”新規の見込み客を獲得するきっかけ” にもなり、便利ですよね!

事例3. 自宅の家電の説明書を読ませた「個人的なチャットボット」

モバイルアプリ開発をしている、フリーランスのキナリ𝕏氏は、GPTsを使って、自宅の家電の取り扱い説明書のPDFを読み込ませた、『取説GPT』を作成しました。

家にある取り扱い説明書を読み込ませておけば、トラブルがあったとき、チャット形式でどうしたら良いか「相談→回答」を得ることができるので、便利ですよね。

取り扱い説明書を保存しておく必要もなくなり、お部屋をスッキリとさせておくこともでき、一石二鳥です。

「チャットボットをカスタマイズできる〜」というと、ビジネスへの活用を思い描く人も多いかもしれませんが、上記のように『GPTsGPT Builder)』を日常に取り入れることで、日々の暮らしを豊かにすることも可能です。

“個人的な活用方法も何かないか”、考えてみると良いでしょう。

事例4. 3Dイラストや短編ストーリーが作れる「画像生成系チャットボット」

AI動画を作成しているRyo氏が作成したのは、「写真を添付するだけで、写真を3Dイラスト化し、短編ストーリーの作成」ができるチャットボット『3D animation creator』です。

このチャットボットを使えば、自分のペットの3Dイラストをかんたんに作成できるので、ペットを飼っている人にとっては非常に魅力的ですよね!

GPTsGPT Builder)』を使った画像生成系のチャットボットは既に多数リリースされているので、「自分でチャットボットを作成する気はない」という人にとっても、GPTsは関心を集める存在になっていくでしょう。

「GPTs」で作成されたチャットボットは「GPTストア」で公開される!

OpenAI社は、2023年11月末にGPTsでカスタマイズされたチャットボットを集めたプラットフォームGPT StoreGPTストア)』を公開予定と発表しています。

Apple社の “App Store”、Google社の “Google Playストア” のOpenAI版というイメージです。

OpenAI社の発表では、『GPT StoreGPTストア)』に公開された、GPTsで作成したチャットボットについて、利用者数に基づいて、開発者に報酬を分配する仕組みも、ストア公開から数ヶ月後に実施する予定とのことなので、GPTsを使って生計を立てるということも、今後可能になるかもしれません。(参考:OpenAI社公式 GPTs紹介ページ

利用者目線でも、開発者目線でも楽しみですね!

 

このように、『GPTsGPT Builder)』は、今後の展開が楽しみな注目のサービスです。ぜひこの機会に、ChatGPTGPTs を使って日々の暮らしや業務を、より豊かにする方法を考えてみてはいかがでしょうか。

関連記事一覧